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Apple Intelligenceか?Geminiか?どんどん便利になる「AIスマホ」の活用術

2025.03.23

「AIスマホ」なるものが普及しているようだ――。

ガジェットマニアではない一般市民は、現状をそのように認識しているだろう。しかし、AIを使ったプラットフォームやサービスなら、今や腐るほどあるではないか。今持っているスマホでも、そうしたアプリをダウンロードできる。

「AIスマホ」とは、一体何だ? 具体的にどんなことができるのか?

以下、多くの人がおぼろげに考えているそのような疑問に答えていきたいと思う。

AIのエージェント化

スマホのプロセッサー、厳密に言えばチップセット(SoC)だが、日本語には「広義・狭義」という概念があるのでここでは「プロセッサー」で統一したい。このプロセッサーが年々進化しているのは、今や誰しもが知っていることである。

スマホ向けのプロセッサーは、最近ではAI処理に対応するようになった。現状はハイエンド向けプロセッサーだけがそうなっているが、いずれはミドルレンジ向け、そしてローエンドモデル向けのプロセッサーも高度なAI処理ができるようになるだろう。これは即ち、「AI関連データの内製処理化=オンデバイスAI」の実現を意味する。

平たく言えば、オフラインであっても何かしらのAIツールが利用できるということだ。そこにクラウドAIが加われば、多くのことを実施できるようになる。

極めて抽象的で不透明な書き方になってしまっているが、そこはご容赦いただきたい。なぜなら、今やAIのできることは非常に多岐に渡り、またAI自体が日々成長し続けるからだ。

たとえば、「今日Googleドキュメントに書いた原稿の要約文を作成して、それをメールで◯◯さんに送信する」といったことは、今や指示さえ出せばAIアシスタントが実行してくれるようになった。言わば「AIのエージェント化」である。これを使いこなせるようになれば、人間が行うべき作業の量はぐっと減るだろう。

執筆を補助するツールを用意

だが、「何ができるのか?」については各AIプラットフォームによってセールスポイントが異なる。

まずは、4月に日本語対応が予定されているApple Intelligence。公式サイトにはこのような文言が記載されている。

「書いたり、自分を表現したり、タスクを簡単にこなすためのAIが、あなたのiPhone、iPad、Macに組み込まれます。

あなたのパーソナルコンテクストを活用します。あなたのデータには、あなた以外の人はもちろん、Appleもアクセスできません」

そこからページをスクロールすると、

「知能を備えた新しいツール。書くために生まれました」

とあり、iPhoneやiPad、Macを使って文筆作業をする時の用途をここで提示している。

長い文章を要約するのはもちろんだが、重要度の高いメールの優先通知機能や文章の執筆中に複数の表現を提示する作文ツール、返信メールの下書き作成機能、そして通話内容の文字起こし機能など。正直、作文ツールはライターを生業にしている者が使ってもいいのかと疑問に感じてしまうが(AIが生成した記事をそのまま入稿するのはどこのメディアでもご法度)、それでも返信メールの下書きを作ってくれる機能は役に立つのではないか。

筆者などは、メールの返信をする暇があったら請け負った記事を執筆したいと思う人間である。そのあたりの仕事をiPhoneに丸投げ、ということも今後できそうだ。

新しいSiriの開発は難航か

文字入力による指示から画像を生成するクラウドAIプラットフォームは既に登場して久しいが、Apple Intelligenceは「ラフスケッチを参考に絵を生成する」という機能が備わっている。その画像をメモに挿入することで、視覚的にも分かりやすい資料を作ることができるという仕組みだ。

そうした各機能とユーザーを接続する音声アシスタントSiriの存在も忘れてはいけない。Apple Intelligenceの機能確立に合わせて、Siriも新しくなる……と言いたいところだが、Apple公式サイトにもある「新しいSiri」は開発が遅れ、リリースは何と2026年になるという報道がこの記事の執筆中に舞い込んだ。

Apple IntelligenceにパーソナライズされたSiriは、次期ナンバーのiPhoneの発表には間に合わない見込みだという。

AIが陶芸家の助手になる時代

その一方、Googleが開発したAIプラットフォームGeminiは怒涛の快進撃を見せている。

Geminiとその音声アシスタントGeemini Liveについては、とにかく話題が絶えない。頻繁に新機能追加の発表を行っているため、その全てをここで書き切ることはできない。最近発表された特筆すべき新機能を一つ挙げるとするなら、「カメラで捉えた被写体を認識する機能」である。

これはどういうことかというと、たとえば素焼きしたばかりの花瓶とそれに塗る予定の釉薬にカメラを向ける。釉薬にはいくつか候補があり、これからどの色を使うか悩んでいる。では、Gemini Liveで自分が今目指している花瓶のイメージを伝えてみよう。すると、Geminiが音声と画像の情報を参考により適切な釉薬の選定をアドバイスしてくれるのだ。これはGoogleが、Gemini Liveの利用の一例として公開しているシチュエーションでもある。

AIは、ついに陶芸家の仕事をするようになったのか!? こうしてできた花瓶が、気難しい先生に「こんなのは失敗作じゃ!」と破壊されなければAIは人間に肩を並べたと判断しても構わないだろう。

「スマホではない何か」になろうとしている

「AIにできること」は、日に日に増えている。

筆者自身、AIのあまりに急速な成長にはまるでついていけず、この記事すらも配信される頃には内容が陳腐化してしまっている可能性もある。しかし、これは同時に「スマホの再発明」が着実に行われている証拠だ。

AIの自己処理化を実現したスマホは、もはや「スマホ」ではないかもしれない。それとは一線を画す、今はまだ決まった普通名詞のない「何か」である。

人類はAIという心強い相棒を手にして、新しい文明を築くに至っている。

【参考】
Apple

文/澤田真一

Geminiを使ってGoogleドキュメントで秀逸な文章を書く裏ワザ

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