
世界的スポーツブランドの「NIKE(ナイキ)」から、新作シューズ「Air Max 1000(エアマックス1000)」が、2024年11月にロサンゼルスで開催された「ComplexCon(コンプレックスコン)」にて初披露された。
3Dプリンティング技術を用いたフットウェア開発に長けている「Zellerfeld(ゼラーフェルド)」社とコラボレートして制作されたエアマックス1000は、一部のパーツを除いたほぼ全てを、3Dプリントを使用して製造された。
今のところ一般販売はされておらず、謎のヴェールに包まれている。気になるのでリサーチしてみた。
コンプレックスコンにて初披露されたNIKEの「エアマックス1000」
写真はNIKE公式HPより引用(以下同)
未来的なビジュアルが印象的なエアマックス1000は、ほぼ全てが3Dプリントで製造された、ナイキ初のシューズだ。ヒール部分に挿入されている空気のバックであるエアユニット以外は全て3Dプリントとのこと。
ナイキが3Dプリントを使ってシューズを作ること自体は、実は今回が初めてではない。2017年に、マラソンの世界記録を持つキプチョゲのフィードバックをもとに開発された、競技用フットウェアである「ヴェイパーフライ・エリート・フライプリント」が登場している。
コンプレックスコンでは抽選で150名にその場で、1000名に後日郵送という形でエアマックス1000をプレゼントした。
後に詳しく紹介するアメリカのYoutuber、Seth Fowler(セス・ファウラー)氏によると、イベント会場にあるスロットマシーンで抽選が行われ、“大当たり”の150名にはその場ですでに製造されているエアマックス1000が渡された。
そして“当たり”の1000名はその場で足をスキャンし、それを元に3Dプリントによって製造されたものが数ヶ月後に郵送される予定だという。
ちなみに「ComplexCon(コンプレックスコン)」とは米国ロサンゼルス ロングビーチで開催される世界最大級のポップカルチャーの祭典である。2016年に始まり、ファッション、アート、音楽、スポーツ、フード、などのコンテンツを融合したファッション業界が注目するビッグイベントだ。
エアマックス1をアップデートしたエアマックス1000
エアマックス1000は、1987年に初登場した「エアマックス1」をアップデートしたものだ。
エアマックス1はエアマックスシリーズの最初のモデルである。エアマックス1の最大の特徴は、ソールに内蔵されたエアユニットが見える仕様にしたということだ。これはエアマックス1000にも継承されている。
エアマックス1はパリにあるポンピドゥーセンターの建築からインスピレーションを受けデザインされたもので、現代でも人気のモデルだ。
ナイキは、3Dプリントを使用することで、従来の靴の製造技術では不可能であったユニークな輪郭デザインを実現。また様々な密度とテクスチャーのレイヤーを混ぜることで、エアマックス1000の底のアウトソールはしっかりとしたサポート力を保ち、シューズのアッパー部分はより柔軟な作りになっており、シューレースを使わない仕様になっているとのこと。
最初に披露されたエアマックス1000のカラーリングは赤のみだったが、その後、イベントに参加したインフルエンサーたちによって、オレンジ、白、青、そして緑のエアユニットを備えた黒など、他のカラーリングも明らかになった。
「Air Max1000」の履き心地は?
エアマックス1000は、まだコンプレックスコンにてプレゼントされた1150足ほどしかこの世に出回っていない。(まだ郵送されていないものもあるとすれば、それ以下の数になる)そんな貴重なエアマックス1000を幸運にもゲットできたインフルエンサーたちは、早速SNSに履いてみた感想をあげている。
アメリカのユーチューバー、セス・ファウラー氏は工業デザイナーからユーチューバーに転身。1,200,000人以上のフォロワーと325,000,000回以上の視聴回数を獲得しており、企業のスニーカーのデザインや、靴下の会社を立ち上げるなどの活動もしている。
セス・ファウラー氏は2週間半ほどエアマックス1000を毎日着用し、その感想を動画にあげている。
彼が1番衝撃を受けたのは、その耐久性だと動画の中で話している。「折っても捻っても、叩いても壊れない、まるで戦車のよう」と例えている。
“戦車”と聞くと硬そうだが、足にとっては柔らかく履き心地が良いとのこと。履くほどにソフトになり、ヒールのエアユニットが硬く感じられるほどだとも指摘している。
セス・ファウラー氏は他にも「汚れにくく、掃除しやすい」ともコメントしている。砂や埃などを弾いているようであり、汚れたとしても簡単な掃除で汚れが落ちるとのこと。
また、イギリスのスニーカー・インフルエンサー、靴愛好家でありユーチューバーのElliot Page(エリオット・ペイジ)氏も汚れにくさと耐久性について「洗濯機で洗えて、簡単に綺麗になる」と自身の動画で話している。
そして双方がほぼ唯一の難点としてあげているのが、エアマックス1000と靴下との相性だ。シューズの内側がスムーズなテクスチャーではなく、グリップの効いた仕様であるため、装着する際に靴下が滑らず履きにくいんだとか。
セス・ファウラー氏においては、靴下が足裏でシワを作ってしまって気になっても、簡単に戻せないと指摘。「お気に入りの靴下では履けない」とコメントしている。
しかし双方ともこの新商品に関して、総合的に大満足であるとコメント。特にデザインに飽きがこないところが非常に気に入っているそうで、自身のお気に入りのシューズのコレクションの中でも“トップの方に位置する”と話している。
「Air Max1000」の日本での発売に期待
未来から来たようなビジュアルのナイキの「エアマックス1000」。ぜひ実物を体験してみたいものだ。日本でも早く発売されることを期待したい。
文/まなたろう