
電車で座れるかどうかは運次第。できることは早く降りそうな人の前に立つという勘に頼るのみ。そんな電車の〝着座課題〟解決に向けて動き出したのが、東京メトロとナビタイムジャパンだ。
座れるルート検索が25年度内にスタートか?
今回発表された新サービスは、東京メトロが各路線を走行する車両データから推定した「着座確率」(=座りやすさ)をもとに、ナビタイムジャパンの技術を使い、『乗換NAVITIME』アプリで『座れるルート検索』や『座りやすい号車案内』を提供するというもの。
「車両には、乗客の重さを検知して電車の駆動力やブレーキ力を増減する応荷重装置が搭載され、得られる車両データには、走行中や駅に到着した際の降・乗車の荷重率の推移が常に記録されています。このデータが着座確率の推定につながるのではと考えたのが、検証着手に向けた出発点となりました。絶対に座れるわけではありませんが、空いている号車や、座りやすい号車が分かることで、座れる可能性が高くなり、号車ごとの混雑緩和にも一役買うと考えます」(東京メトロ・吉野さん)。
2025年3月までに検証を行ない、25年度中のサービス開始を予定。東京メトロでの移動がさらに快適かつラクになりそうだ。
【DIMEの読み】
首都圏では1回300~500円の追加料金を払うことで必ず座れる通勤用座席指定電車が人気だ。本サービスのアプリ利用は月額330円。コスパは群を抜き、東京メトロ利用者にはバズりそうだ。
「着座確率」活用サービスの仕組み
駅到着から出発までの乗降状況を号車ごとに1秒間隔で解析。ナビタイムジャパンの技術を使い、乗車中の電車がいる駅からの座れる着座確率を推定することで、座れるルート検索や、座りやすい号車案内機能へ活用。
取材・文/安藤政弘 編集/原口りう子