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東京駅八重洲口に新名所「TOFROM YAESU」が誕生、ウェルビーイングを追求した次世代複合施設とは?

2025.03.10

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

東京駅八重洲中央口前で進行中の大規模複合再開発事業の名称が「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」に決まった。A地区が「TOFROM YAESU THE FRONT(トフロム ヤエス ザ フロント)」、B地区が「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)」となり、2026年の竣工を予定している。

東京駅を起点として都心エリア、地方都市、空港を結ぶ玄関口に

TOFROM YAESUは八重洲、日本橋、京橋のそれぞれの地名の頭文字を取った「YNKエリア」で進む再開発事業の一環で、東京駅、日本橋駅、大手町駅など6駅があり、都内主要エリア、地方都市、国際空港を含むアクセス性の高さで圧倒的な交通利便性を有している。

(下記画像はTOFROM YAESUからの眺望で東京駅八重洲口が目前にある)

「街区の細分化や建物の老朽化などにより、これまでポテンシャルを十分に発揮されていなかったYNKエリアですが、今後多くの再開発が予定されています。

首都高地下化・日本橋川の再生計画、Tokyo Sky Corridor計画、東京駅から羽田空港へのダイレクトアクセス化、さらにつくばエクスプレスと都心部・臨海地域の地下鉄の東京駅接続に向けた動きなど、YNKエリアさらなる発展が見込まれており、街並みが大きく変貌していくと思われます。

その玄関口となるのがTOFROM YAESUで、約25年という長い年月をかけ、立場や事情の異なる250もの関係権利者の方々と議論を重ね進めてきました」(A地区理事長兼特定業務代行者代表企業 東京建物株式会社 代表取締役社長執行役員 小澤克人氏)

TOFROM YAESU は、TOFROM YAESU THE FRONT(A地区、延床面積約12,000 m²)、TOFROM YAESU TOWER(B地区、延床面積約225,000 m²)の2つの建物を擁する。

A地区は、地下2階、地上10階建てのオフィス商業施設で構成されており、B地区は、地下4階、地上51階建てのオフィス、医療施設、劇場、カンファレンス、バスターミナル、商業施設、住宅等で構成される。

TOFROM YAESU は八重洲地下街(通称・ヤエチカ)に直結しており、さらにヤエチカから大丸側と八重洲通側と合計3カ所のアクセスが設けられ、地下ネットワークを通じ東京駅に直結する。

TOFROM YAESU TOWERの地下にはヤエチカから同じフロアでアクセスできるバスターミナルを整備。本プロジェクトを含む東京駅前の3つの再開発事業の地下空間に、合計20の発着所による国内最大級の高速バスターミナルが誕生し、国際空港や地方都市を結ぶ高速バスが発着する。

東京駅と直結した6000m²を超える商業エリアは、飲食店舗を中心に約70店舗がオープン予定。TOFROM YAESU TOWER 1階には、屋内広場「檜物町スクエア(ひものちょうスクエア)」を整備して、イベント開催や神輿の展示をはじめとした地域の魅力を発信する。

TOFROM YAESU TOWER 3~6階には劇場を整備。約800名収容可能な東京駅前初の段床型劇場や、大型の展示会・講演会等を実施可能な平土間ホール、各種会議・交流イベントが実施できる会議室を完備する。

演劇・ミュージカル・音楽ライブなどの催事を誘致し、東京駅周辺エリアで不足していたエンタテインメントを通じた文化発信拠点を整備するとともに、MICE(国際会議、展示会・イベント、講演会、セミナー等の催事)を誘致することで、YNK エリアのビジネス交流機能のさらなる拡充に取り組む。

TOFROM YAESU TOWER 6~7 階の「日本医科大学八重洲健診ステーション」は、FDG-PETによるがんの早期発見やβアミロイドPET によるアルツハイマー病診断をはじめ、先進機器の導入や専門医を登用。日本医科大学付属病院との連携による高度医療サービスの提供、外国語対応や災害時の医療連携など、社会のニーズに対応した医療施設となる。

ワーカーのウェルビーイング向上をサポートするオフィスエリア

「近年、人材戦略は多くの企業で大きな経営課題と認識されていますが、その観点においてもウェルビーイングは重要な考え方であり、国の政策の方向性を示す『経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2024』では、中長期のビジョンの1つとして『誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会の実現』が盛り込まれるなど、日本全体の成長戦略の重要課題の一つとしても位置付けられています。

東京建物が発足した『Well-being Lab.』がさまざまな研究や事例を調査した結果でも、人的資本経営や健康経営を推進するうえでは従業員のウェルビーイング向上が不可欠であり、従業員のウェルビーイングが向上すると生産性向上や人材採用、雇用の維持につながることが確認されています。

また、予防医学研究者の石川善樹先生監修のもと、首都圏で働くビジネスパーソン1万人に調査を実施し、本調査の結果と学術的な見解をもとに、有用性が確認された13 個の設問に回答してもらうことで、個人のウェルビーイングの状態を簡易に測定できるツール『ウェルビーイングスコア』を開発し、どのような行動や状況がウェルビーイングの向上に資するのかを分析した20 個の『ウェルビーイング向上因子』を特定しました。

これらの向上因子を満たし、ワーカーのウェルビーイングを向上させるサービス機能空間をオフィスに実装します。個人のウェルビーイング向上が企業の成長にもつながり、社会全体へ発揮するものと考えており、TOFROM YAESUからこのような好循環を社会全体に創出していきます」(小澤氏)

東京湾を一望できる緑に囲まれた心地よい空間で、心身ともにリフレッシュできる「YAESU SKY LOUNGE」をTOFROM YAESU TOWER 41 階に整備。個室空間「RE:TREAT Room(リトリートルーム)powered by Upmind」では、全国の源泉を凝縮抽出・モバイル化するクラフト温泉の特許技術を持つLeFuro と協業し、温泉ミストによる湯治体験が気軽にできる「喫泉室」を設置する。

入居企業のワーカー向けのサポート機能を持つ共用スペース「Wab.」をTOFROM YAESU TOWER13階に整備。健康的なメニューを提供する食堂、カフェ&バー、ビュッフェカウンターや、サードプレイスとして様々な使い方のできるラウンジ空間も設置する。

イベントキッチンやイベントスペース、緑化やアート、お茶に特化した会議室、マインドフルネスアプリを手掛けるUpmind が監修・運用する瞑想・仮眠プログラムの提供もある。

パウダールームや搾乳室などの機能性を備え、リフレッシュにも寄与する空間デザインを持つトイレや、季節感を感じられるエレベーターホールなど、ウェルビーイング向上に資する多彩な取り組みも行う。

TOFROM YAESU THE FRONT の屋上階には、東京駅のパノラマビューが眼下に広がり、オープンエアの開放感を感じてリフレッシュできる「Rooftop Terrace」を整備。アフターワークではコミュケーションを促進するスペースとしての利用も想定している。

ハイグレードフレキシブルオフィス「EXEVIA TOKYO YAESU(エグゼビア トウキョウ ヤエス)」をTOFROM YAESU TOWER 10階、41 階に整備。1名~90名程度まで対応し、短期でも利用可能なレンタルオフィス、セットアップオフィスを設けている。ラウンジやバリエーション豊富な会議室、コワーキングスペースや個室ブースなども用意し、TOFROM YAESU TOWER のオフィス共用施設としての機能も有している。

【AJの読み】オフィスワーカーのウェルビーイングを追求するTOFROM YAESU

下記の画像はTOFROM YAESU TOWERの48階からの眺望。眼下には東京駅があり、スカイツリー、湾岸エリア、遠く富士山も望める。 

TOFROM YAESUはオフィスタワー、商業施設、医療施設、バスターミナル、劇場・カンファレンスなどの複合施設だが、オフィスがメインになるTOFROM YAESU TOWERは、働く人々のウェルビーイング向上をとことん追求した施設やプログラムを導入することで、人材採用や雇用の維持を重視する企業を誘致する。

より快適で効率的な働き方を実現するため、多様な選択肢を提供するのもTOFROM YAESUの特色。「一棟ABW(Activity-Based Working)」をコンセプトに、オフィスワーカーの多様なニーズに応えるため、集中、打ち合わせ、リチャージスペースなどのさまざまなワークスペースを共用部に整備し、気分や目的に応じて自由に選択できる環境を整えている。

また、国内の賃貸オフィスとしては初となるスマートフォンによるタッチ入退館、入退室システムを導入。オフィスワーカーのユーザーエクスペリエンスの向上とともに、ビル・テナント管理者の物理カード管理業務の低減にも寄与する。

画像提供:TOFROM YAESU

取材・文/阿部純子

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