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JR東日本が東北新幹線の新型車両「E10系」の開発に着手、2030年度の運転開始を目指す

2025.03.09

JR 東日本は、「変革2027」に掲げる輸送サービスの質的な変革を推進するため、E2系およびE5系新幹線車両の後継となる次期東北新幹線車両の設計に着手すると発表した。

次期東北新幹線車両E10系(イメージ)

より快適な移動空間の提供を目指し、車内空間や座席サービスをデザイン

同社によると、次期東北新幹線車両では「TRAIN DESK」を発展させたサービスの導入など、より快適な移動空間の提供を目指し、車内空間や座席サービスをデザインしていくとのこと。

なお、今回、設計に着手する車両は、2027年秋以降に落成し走行試験などを行なった後、2030年度の営業運転開始を目指すとしている。

次期東北新幹線車両の特徴(画像はイメージ)

■次期東北新幹線車両の概要

車両形式:E10系新幹線電車
最高営業運転速度:320km/h
編成両数:10両

■次期東北新幹線車両のコンセプトおよび主な特徴

・究極の安全の追求

次世代新幹線開発の試験プラットフォームである「ALFA-X」で検証してきた技術を活用し、地震対策として逸脱防止用のL型車両ガイドに加え、ブレーキ距離の短縮および地震時の揺れを吸収し車両の損傷や脱線を防止するための左右動ダンパの採用など、より高い安全性を目指す。

・お客さま志向

次期東北新幹線車両では「TRAIN DESK」を発展させたサービスの導入や、大型荷物置き場の拡幅、電源コンセントの全席設置など、より快適な移動空間の提供を目指し、サービスをデザインしていく。

また、車いすに乗ったまま車窓を楽しめる車いすスペースの設置等バリアフリー環境の向上に努める。

「TRAIN DESK」を発展させたサービス(イメージ)

・サステナブルな社会の実現に向けて

「スマートメンテナンス」(車両の状態に応じた適切な保守)に対応可能な車両システムを導入するほか、新幹線営業車では初めての採用となる冷却モータが不要なブロアレス誘導電動機(自己通風型誘導電動機)の採用や、車両駆動インバータに高効率なSiC(シリコンカーバイド)素子の採用により車両駆動システムの効率向上を図る。

さらには、同社グループでこれまですすめてきた「はこビュン」サービスをより柔軟に実現できる荷物輸送に対応した設備の導入や、将来的な東北新幹線の自動運転導入を目指した機能搭載の準備を行なうなど、今後の持続可能な鉄道システムに向けて挑戦する。

■エクステリアデザイン

東北地方の山々を想起させる緑色を基調に、次期東北新幹線車両がつなぐ沿線各地の山々等の自然から得たインスピレーションをイメージしたカラーリングを採用。

上部の明るい緑色は「Tsugaru green(津軽グリーン)」、下部の濃い緑色は「Evening elm(イブニングエルム)」としている。また、車体横のラインによりこれまでの新幹線のイメージを継承しながらも、日本らしさを表現するモチーフとして「桜の花弁」の形状を模した曲線を車両間でつなげ、新幹線車両のデザインに新たなイメージを吹き込んだ。

なお、デザイナーには、同社の車両として初めての海外デザインファームとなるtangerine社を採用した。

エクステリアデザイン(イメージ)

関連情報
https://www.jreast.co.jp/

構成/立原尚子

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