
3月1日。ジャイアンツファン、野球ファンはもとより、アウトドア趣味人やイベントウォッチャーの熱視線さえも集めそうな「ジャイアンツタウンスタジアム」(略称:Gタウン)がオープンした。Gタウンはジャイアンツのファーム選手が練習に、試合にと徹底活用する場であると同時に、その名が示すように「TOWN」でもある。
「東京ジャイアンツタウン」(2027年オープン予定)の壮大な第一歩
Gタウンの特長は3つ。まずは野球場施設であること、これは当然。次いで試合のない日は無料開放され、公園などのように誰でも楽しめること。最後に、国内初となる「水族館一体型球場」と大規模な飲食ゾーンをもつ「東京ジャイアンツタウン」(2027年オープン予定)の壮大な第一歩であることだ。
野球場として選手たちが心置きなく活動できるのはもちろん、観客にとっても楽しさが伝わる場として設計されている。たとえば観客席を4列に抑えて選手たちとの距離を近くしたり、球場をぐるりと周回するコンコースにはジャイアンツの歴史をつないできた名選手たちの写真がレイアウトされたり。親と子、祖父母と孫が写真を見ながら「この選手は打撃がすごくてさ……」「槙原と言えばあの完全試合……」と語り聞かせるなんて、うん、素敵過ぎる!
観客席、写真で飾られたコンコースとそこに並ぶオフィシャルグッズショップ。
またドムドムバーガーのコラボ店舗「G×DOMDOM」(ジー・ドムドム)には「ビッグジードムバーガー」ほか限定メニューがずらり。試合のない日も営業しているのでいつでもパクつけるぞ!
G×DOMDOMの限定メニューと店舗。ドムゾウ君ぬいぐるみなどグッズも販売。
「東京ジャイアンツタウンのプロジェクトは2016年に始動し、9年の歳月をかけて完成にこぎつけました」と語るのは藤門 順さん。本プロジェクトの初期から携わり、今回の取材会でも案内人を務める「東京ジャイアンツタウンの語り部」だ。
株式会社読売巨人軍総務本部次長、東京ジャイアンツタウン担当の藤門順さん。
「選手たちがグラウンドに向かう通路には正力松太郎オーナーの「巨人軍選手は紳士たれ」を始めとする格言や、名選手たちのポートレイトが飾られています。これはファーム選手たちに対する激励のメッセージです。
「あの選手だってファームから巣立ったのだ」
「俺たちだってやってみせる!」
と奮起させる発破の意味ということです。いずれも報知新聞さんの貴重なアーカイブをお借りしています」(藤門さん)。
選手たちがグラウンドに向かう通路で目にするグラフィック。奮い立てヤングジャイアンツ!
「1955~1998年に使っていた多摩川グラウンドのように、ファンと選手が交流しやすいと感じられる場になったらいいですね」(藤門さん)。
Gタウンのオープンに加えファームが注目を集める大きな理由に、あの桑田真澄氏が監督として手腕を振るうことがある。熱い80年代のKKコンビを同時代的に見てきたファンにとって、気にせずにはいられないビッグニュースであるはずだ。
Gタウンの歴史の幕が切って落とされた。3月1日には開業記念試合を開催。3月~4月のゴールデンウイーク前までに全21試合が予定されているから、まずは足を運ぶべし!
ジャイアンツタウンスタジアムを含む東京ジャイアンツタウンの完成は再来年。全面オープンの暁には水族館側がメインゲートとなる。なるほど! これぞ名実共に「水族館一体型球場」だ。
未来の名選手の躍動を、桑田監督の手腕を、そして選手たちとの近さを君も体験すべし!
文/前田賢紀