
手を使わずにさっと履くことができるハンズフリースニーカーを見かけることが急に増えたと感じている人は多いだろう。
かがむことが困難な人に人気なのかと思っていたが、スポーツブランドも参入しているとなると、老若男女問わず愛用者がいるようだ。
今回は、スポーツブランドならではの機能を持ち合わせたハンズフリーで履くことができる「プーマ イーズイン」シリーズの人気の秘密を聞いた。
ハンズフリーシューズとは
そもそもハンズフリーシューズとは、その名の通り、手を使わずに履くことができるシューズのことだ。靴ひもを結んだり引っ張ったりする必要がない靴といえば、スリッポンやローファーもある。
ただ、近年ハンズフリーシューズと呼ばれているのは、かかとが靴ベラのようになっていて、かがまずに履ける靴のことを指している。
介護が必要な人に履きやすいものもあれば、デイリーのコーディネートにも合わせやすいタイプ、インソールにもこだわったスニーカーなど、種類も増えている。
日本企画で誕生した『プーマ イーズイン』シリーズ
プーマ V コート EASE IN 5色展開 7,590円(消費税込み)
2024年1月の発売以来、大人気シリーズになっているのが、「プーマ イーズイン」シリーズだ。2025年1月にも新モデルが登場している。
子どもを抱っこしているときや荷物が多いときなど、手がふさがっている場面で、特に利便性を感じているユーザーが多いとのこと。また、簡単に靴を履いて外出でき、スポーツの前後で靴を履き替えるのが楽という声もあるそう。時間を節約したい人に支持されているようだ。
この「イーズ イン」シリーズは、日本企画でスタートしている。
「日本においては、歴史的に靴を履く、脱ぐという文化が根付いています。そのような日常に寄り添えるコト、モノは何かないかということを起点に、ユーザーニーズに対応した商品を提供したいと考え、開発することになりました。」(プーマ マーチャンダイジング マネージャー 担当者)
毎日、靴を脱ぎ履きする機会が多い日本だからこその利便性を求めて、人気が高まっているようだ。
靴の踵を踏んで滑り込ませるため開発に苦労したというかかと部分。靴ベラのようなカーブが確認できる。
ただ、グローバルで展開するプーマにとって、企画の意図を現地スタッフや工場に伝えることがむずかしく、想定以上の開発期間を要したという。
「従来、『靴の踵は踏んではいけない』という教えに対して、『踵を踏みつけて滑り込ませる、それに耐えうる踵構造を開発する』という真逆の考え方を現地の人々に理解してもらうことが一番の問題点でした。
利便性を備え、耐久性にも長け、そのうえで快適性を維持しながら幅広い客層をターゲットにしながら、Fitテスト、Wearテストを繰り返し、完成にたどり着くことができました。」(プーマ担当者)
プーマ SOFTRIDE クルーズ EASE IN 4色展開 8,690円(消費税込み)
ハンズフリーのシューズとして、一からデザインを進めながら、機能を訴求するため、シリーズのデザインを共通化させることや、デザインバリエーションの幅をもたせること、製造上の制約を同時に解決し、製品に落とし込むことに苦労して誕生したという「プーマ イーズイン」シリーズ。
今シーズンも新モデルが登場している。展示会場で試すことができたので、足入れしてみた。初めてのハンズフリーだったため、戸惑いながら足を入れてみたのだが、かかとがストンと入る感じがあった。
軽く入るということは、軽く脱げる可能性があるのではないかと思ったが、しっかりフィットしている。脱ぐときもハンズフリーで両足をすり合わせるような感じで簡単に脱ぐことができる。一度履くと、リピートしたくなる手軽さだ。
また、シューズのベースとなるミッドソールにはSOFTFORMフォームを採用し、フワフワの履き心地をサポート。インソールもSOFTFOAM+というクッション性をサポートするプーマ独自の技術を採用している。
スポーツブランドとしての機能性や快適性も持ち合わせ、ウオーキングや長時間の外出時にも対応。手軽に脱ぎ履き出来るだけでなく、履き心地にもこだわったシリーズだ。
・プーマ
https://jp.puma.com/jp/ja
ハンズフリースニーカーに多くのブランドが参入
プーマのほかにも、多くのブランドがハンズフリースニーカーに参入している。いくつかのブランドをピックアップして紹介しよう。
■スケッチャーズのスリップ・インズ
スケッチャーズ スリップインズ メンズ ガルザ‐パルマ 3色展開 11,550円(消費税込み)
スケッチャーズ スリップインズ グライドステップ ソール 3色展開 12,650円(消費税込み)
ハンズフリーシューズの火付け役ともいえる「スケッチャーズ」。デイリーに着用できるハンズフリーシューズとして、筆者が最初に知ったのが、このスリップ・インズだ。
靴ベラのようなかかとにより、立ったままでも座ったままでも簡単に履くことができる。また、踵の内側部分には、スケッチャーズ独自のHeel Pillow★を搭載することで、足をしっかり固定して、脱げることなく快適に履くことができるそうだ。
ハンズフリーのため、忙しい朝や荷物で手がふさがっているときに活躍し、カジュアル、ビジネス、パフォーマンス、キッズなど、さまざまなカテゴリーに搭載していることもあり、幅広い層に人気で、リピーターも多いのだとか。
・スケッチャーズ
https://www.skechers.jp/
■ハンズフリーシューズブランドのキジック(KIZIK)
2025年春から日本で展開するキジック。
ハンズフリーシューズを展開する米国ユタ州に拠点をおく「キジック(KIZIK)」が、2025年春、日本での販売をスタートする。
「2030年までに全世界10億人にハンズフリーシューズを届ける」という目標を掲げ、2017年から販売をスタートしたブランドだ。
Foot Activated Shoe Technologyとしてブランド化された特許取得済みのステップインシューズテクノロジーをはじめ、200を超えるハンズフリー関連の特許技術を保有、または申請中だ。
キジックでは、デザイン工学専攻者数学者などを採用することで、革新的となるアイデア製品を開発し、その技術力と革新性にほれ込んだフットウェア業界のエキスパートが集うことで、商品開発やマーケティング、販売が強化されて急成長しているという。スタイルやパフォーマンスにもこだわるキジックの日本での展開を注視したい。
・キジック
https://kizik.com/
■コンバースのスリットスライド
コンバース ケイブスター スリットスライド 5色展開 9,790円(消費税込み)
コンバース ケイブスター スリットスライドXG 5色展開 9,790円(消費税込み)
「コンバース」からブランド初となるハンドフリーシューズが、2025年1月24日に新登場した。それが、スリットスライドだ。
「ケイブスター スリットスライド」と「ケイブスター スリットスライド XG」の2モデル。どちらも踵部分に切れ目が入ったブランド独自の成型カウンターを採用している。
この切れ目が靴を履くときに広がり、後方に傾斜した上端部分のデザインによって足入れがしやすくなっている。
着用時は、切れ目部分が元に戻る設計で、踵は安定的にサポートされる。通気性とクッション性に優れたカップインソールを採用し、快適な履き心地を実現。コンバースファンにもうれしい1足になるのではないだろうか。
・コンバース
https://converse.co.jp/
■フィットフィット(fitfit)の撥水ハンズフリーソフトスニーカー
撥水ハンズフリーソフトスニーカー 6色展開 14,190円(消費税込み)
外反母趾にもやさしいシューズ展開で人気の婦人靴ブランド「フィットフィット(fitfit)」でも、ハンズフリースニーカーは人気になっていて、1年間に2万足も売れている。
新デザインが、2025年1月下旬から登場している。これらは従来品よりも開放的な履き心地になったという。
オリジナルの踵形状による足入れのしやすさはそのままに、街中でもグリップ力を発揮できる全面ラバーのアウトソールにアップデートしている。約5.5mmの厚底ではあるが、軽くて屈曲性もある。
撥水ということもあり、雨の日も履け、子育て世代からも人気のシューズだ。つま先がほっそりと見えるデザインながら、3Eとゆったりした幅も日本人女性の足にフィットするようだ。
・フィットフィット
https://corp.fitfit.jp/
■ワークマンのステップインスリッポン
ワークマン ステップインスリッポン 2色展開 2,500円(消費税込み)
「ワークマン」でも、メンズのみではあるが、ハンズフリーシューズを展開している。「ステップインスリッポン」は、なんと2,500円という価格なのがうれしい。
メンズとはいえ、24.5cmからのサイズ展開のため、足のサイズによっては、男女問わず履くことができる。レビューを確認する限り、かなり軽量のよう。
甲ゴムバンドで足にフィットし、コーディネートしやすいデザインとカラーだ。筆者は、足のサイズが小さく、購入には至っていないが、この価格は魅力的だ。
・ワークマン
https://workman.jp/
今回ご紹介したブランドのほか、ナイキやミズノなどのスポーツブランド、子育て中のママたちに人気があるチヨダのスパットシューズなど、多くのブランドから発売されているハンズフリーシューズ。目的や好みによって選ぶことができるのも人気の秘密だろう。
まずは、ハンズフリーで履くことができればいいと思っていたところから、快適性にもこだわり、スポーツ、タウンユースと目的別に進化していることがうかがえる。
「靴ぐらい、座ってゆっくり履こうよ」と言いたい人もいるだろうが、子どもを抱いて、大荷物という日々が続くと、そんなことも言ってはいられない。
そんな時期が終わっても、一度、楽をしてしまったら元に戻すのは大変。靴ひもがなく着脱しやすいことからloafer(怠け者)と名づけられたローファーがひとつのスタイルになったように、ハンズフリーシューズもひとつのカテゴリーとして、さらに広がっていくのではないだろうか。
取材・文/林ゆり
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