宇宙の歴史を刻んだOMEGA Speedmasterにオマージュを捧げるOMEGA X Swatchの新作ウォッチ「MOONSWATCH 1965」
2025.03.06
スウォッチは、OMEGA X Swatchのコラボレーション「Bioceramic MoonSwatch コレクション」より、NASA認定を受けた偉業60周年を祝うデザインを施した新作『MOONSWATCH 1965』をSwatchストアにて発売した。
Bioceramic MoonSwatch コレクション全てと同様に、購入は1人につき、Swatchストア1店舗で1日1本。
60年前にNASAでテストされたSpeedmasterの視覚的特徴をすべて再現した「MOONSWATCH 1965」
1965年、OMEGA Speedmasterは、米国宇宙機関NASAの試験に合格した唯一の時計となった。今からちょうど60年前の1965年3月1日のことだ。
アメリカ宇宙開発計画の一環として、NASAは宇宙ミッション用に信頼性が高く、正確で、見やすく使いやすい時計を必要としていた。目標は、宇宙開発競争の中で、将来のすべての有人宇宙飛行に使用できるタイムピースを用意すること。
NASAは政府機関のため、正式な入札公募を行う義務があり、時計メーカーに「提案依頼書」を出した。
NASAが求めたのは市販のモデル。オメガはスピードマスター(1964年のST105.003)、ロンジンはヴィットナウアー235T、そしてXブランドはリファレンス6238を出品した。
NASAは宇宙ミッションのための時計が満たすべき厳格な基準を定め、メーカーから寄せられたクロノグラフに11項目の試験*を実施。
テストされた3つのタイムピースのうち、1965年3月1日にNASAのすべての有人宇宙ミッションおよび船外活動のための名誉ある飛行資格を獲得したのは、
オメガのスピードマスターだけであった。
*NASAの11項目の連続試験
01.高温試験:70°Cで48時間、その後93°Cで30分、部分的に真空状態で。
02.低温試験:-18°Cで4時間。
03.真空試験:真空チャンバー内で加熱し、それから-18℃に冷却することを数サイクル繰り返す。
04.湿度試験:湿度95%以上、温度範囲が25℃~70℃で、24時間を10サイクル。
05.腐食試験:酸素雰囲気下、70℃で48時間。
06.耐衝撃性試験:40Gの衝撃を6方向から6回。
07.加速度試験:7.25Gまで約5分間、その後16Gまで30秒間、3軸で段階的に加速する。
08.低圧試験:圧力10-6気圧、70℃で90分間、その後93℃で30分間。
09.高圧試験:1.6気圧で60分間。
10.振動試験:5~2,000 Hz、加速度8.8 Gで3軸におけるランダムな振動。
11.音試験:40~10,000Hzの周波数で130デシベル、30分間。
(出典:OMEGAアーカイブ)
NASAのテスト員は、「卓越した精度、信頼性、視認性、使いやすさ」を備えたOMEGA Speedmasterを他のモデルよりも高く評価し推奨。そしてOMEGAに与えられた使用許可は、すぐに現実のものとなった。
試験から3ヶ月後の6月3日、「Gemini IV」ミッションでEd White(エド・ホワイト)がOMEGA Speedmasterを着用し、宇宙船外の活動を20分以上行った。
(左下)MOONSWATCH 1965 / (右上)OMRGA Speedmaster
当時使用されていたOMEGAのロゴ(ストラップとクラウンにもあしらわれている)、針、そして書体はすべて、オリジナルモデルのスタイルを反映し、現代的なバージョンに魅力的なヴィンテージ効果を加えている。
しかし、この時計には他にもサプライズがある。例えば文字盤は、2024年3月に発表されたOMEGA Speedmaster Moonwatch Professional(310.30.42.50.04.001)の真っ白な文字盤へのオマージュだ。
10時と2時の位置にある2つのカウンターも、MOONSWATCH 1965の新しいサプライズ。10時位置のカウンターは一番上に19(通常は60)、2時位置のカウンターは一番上に65(通常は10)の数字が示され、1965年を意味している。
このため、クロノグラフのカウンターは以下のような合計時間に変更された。
・10時位置のカウンター:19時間
・2時位置のカウンター:65分
これにより、文字盤上の19と65が強調され、1965と読めるようになるとともに、6時位置のスモールセコンドの60(これは変更なし)も強調されている。
クロノグラフの表示は少し異なり、カウンターは最初に合計65分までカウントしてから、その後初めて時間を積算する。具体的に言うと、両カウンターの針は次のように動作する。
・10時位置のカウンター(19時間)と2時位置のカウンター(65分)は、65分で1周する。
・10時位置のカウンターは1時間に1目盛り移動する。
・2時位置のカウンターは5分で1目盛り移動する。
このようにして、2時位置の分カウンターをゼロから再スタートさせずに、時間と分を足し合わせて普通に時間を読み取ることができる。この動きは65分ごとに繰り返され、両方の針が同時に動作する。
カウンターには1965年とNASAによる飛行資格認定60周年の記念表示も。
10時位置のカウンターには 「19」、2時位置のカウンターには 「65」、そして6時位置のカウンターには 「60 」の数字が表示され、これらはUVライトが当たると見えるようになっている。
針とアワーマーカーは、グレード A Super-LumiNovaでコーティングされ、暗闇で最適な視認性を実現した。
MOONSWATCH 1965は、ケースバックにはミッションステートメントが刻まれ、文字盤とクラウンにはOMEGA X SWATCHのロゴがあしらわれている。
宇宙服に適したグレーのVELCROストラップが宇宙飛行士のシックなスタイルをパーフェクトにまとめ上げ、ケースやストラップのカラーとお揃いの対比ステッチが施されている。
OMEGA Speedmaster Moonwatchオリジナルモデルの主な特徴である非対称的なケース、「ドットオーバー90」の有名なタキメーター目盛、独特のSpeedmasterのカウンターはそのまま受け継がれた。
すべてのBioceramic MoonSwatchモデルと同様に、この新作ウォッチにもクロノグラフ機能が備わっている。
非限定の「1965」は、OMEGA X SWATCHコラボレーションのすべてのモデルと同様に、Swatchが特許を取得したBioceramic製。Bioceramicは3分の2がセラミック、3分の1がヒマシ油を原料にしたバイオ由来素材の独自のブレンドだ。
製品概要
MOONSWATCH 1965 / SO33M106
価格:40,700円(税込)
ケース素材:グレーBioceramic製のケース、クラウン、プッシャー
ケース直径:42.00 mm
ケース厚さ:13.25 mm
ラグ間の距離:47.30 mm
クォーツムーブメント:クロノグラフ
防水:3気圧
グラス:ボックス型でバイオ由来素材製、中央にはSwatchのロゴを参照した「S」のエングレービング加工
文字盤:ホワイト、OMEGA X SwatchとSpeedmasterとMoonSwatchのロゴ付き。ブラックの針とアラビア数字付きのへこんだカウンター。グレード A Super-LumiNova(グリーンの発光)を施したブラックのアワーマーカー
針:ブラック。グレード A Super-LumiNova(グリーンの発光)を施した時針と分針、および秒針の先端
ベゼル:ホワイトのタキメーター目盛が付いたブラックのBioceramicベゼル
ストラップ:コントラストを成すライトグレーのステッチが付いたグレーのVELCRO®ストラップ、グレーBioceramicのループ
関連情報
https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch-collection/moonswatch-1965.html
構成/Ara