
東京ヤクルトスワローズの球団マスコット・つば九郎。その独特のユーモアと親しみやすいキャラクターで、プロ野球界のみならず多くのファンに愛されてきた。
試合中のパフォーマンスや、ボードを使った毒舌ながらも温かみのあるメッセージは、多くの人々の笑顔を生み、球界随一の名物マスコットとしての地位を確立した。
2025年2月19日、そんなつば九郎を長年支えてきた担当者が永眠したと発表され、ファンの間には深い悲しみが広がっている。
@DIMEでは、つば九郎が愛されてきた理由ともいえる「人柄」が垣間見える貴重な写真を入手。つば九郎の唯一無二の魅力を、皆さんと笑って振り返りたい。
写真の中に残るつば九郎の「人情味あふれる人柄」
つば九郎が長年にわたり愛されてきた理由は、その独特の「人柄」にあるといえよう。プロ野球のマスコットといえば、チームのシンボルとしてファンを楽しませる存在だが、つば九郎はその枠を大きく超えたキャラクターである。
言わずもがな、つば九郎の魅力の根幹にあるのは、鋭いユーモアと人情味あふれる言動だ。試合中やイベントでは、ボードを使って発信する毒舌コメントが話題を呼び、ファンや選手を大いに笑わせた。そんな自由奔放な振る舞いの傍ら、温かくて優しい一面もたびたび私たちに見せてくれた。
上の写真は2022年、球団が惜敗した試合の最後、高津臣吾監督にヘルメットを取ってお辞儀する様子。わざわざ〝ヘルメットを脱ぐ〟という些細な動作に、つば九郎の人柄そのものが表れている。このあと、試合を見守っていたファンにも丁寧に一礼をした。
ヘルメットを取ったまま、ファンにもお辞儀をするつば九郎。ヘルメットの跡がついた頭部が愛らしい
選手たちのことが大好きだったつば九郎
つば九郎の温かくて茶目っ気のある様子が感じられる写真はまだまだ他にもある。選手たちとの触れ合いの中に、そんな素顔が垣間見えた。
村上宗隆選手のホームランパフォーマンスの輪に入るつば九郎。選手と同じ目線で喜びを分かち合っていた
ヒーローインタビューの後、山田哲人選手と一緒にファンに向けてバンザイ!
山田選手と肩を組み、サインを手伝う姿も
先発の館山昌平選手をハイタッチで送り出すつば九郎
勝利を収めた選手たちを温かく迎え入れるつば九郎
毒舌な発言の裏には、いつも球団愛とファンへの深い思いやりが感じられ、誰も悲しませない絶妙なバランスが保たれてきた。つば九郎がこれまでボードに書いてきたくすっと笑える毒っ気のある名フレーズも、その飾らないスタンスを象徴するものである。
ただのマスコットではなく、一つの「生きたキャラクター」として成長を続けてきたつば九郎。その愛される「人柄」は、これからも多くの人の心に残り続けるだろう。
ありがとう、つば九郎!また会う日まで。
文/編集部 撮影/藤岡雅樹