スマホのバッテリーの3つの交換サイン
これまで、スマホのバッテリーを長持ちさせるための使い方や設定を紹介してきた。しかし、バッテリーの劣化は避けられないため、いずれバッテリー交換あるいはスマホ買い替えが必要になることは理解しておこう。
とはいえ、バッテリー交換もスマホ買い替えも手間やコストがかかるため、バッテリーが原因で急にスマホが使えなくなってしまうと困ることもあるかもしれない。あらかじめ、バッテリーの寿命が近づいているサインを把握しておけば準備がしやすくなるだろう。
ここで、バッテリーの交換サインを3つ紹介する。
■交換サイン1:充電の減りが早い
普段と変わらない使用頻度であるにも関わらず、バッテリーの減りが早く、充電回数が増えた場合、バッテリーの寿命が近づいている可能性がある。
■交換サイン2:動作が重い
バッテリーの劣化が進むと、スマホの処理能力に影響が出ることがある。次のような症状が頻繁に現れる場合、バッテリーの寿命が近づいている可能性が高い。
・キーボードの入力反応が遅い
・アプリアイコンをタップしてもすぐに起動しない
・動画再生がスムーズでない
・突然シャットダウンあるいは再起動する
なお、バッテリーの状態ではなく、ストレージやメモリの容量不足が原因で動作が遅くなるケースもある。その場合は、不要なアプリやデータを削除することで改善することもあるため試してみよう。
■交換サイン3:スマホ本体が膨張している
スマホ本体が膨張している場合、バッテリーの寿命が近づいている可能性がある。
バッテリー内部では化学反応を利用して電力を生み出しているが、バッテリーの劣化により酸化が進むと、その化学反応によってガスが発生しやすくなり、結果としてバッテリーが膨張することがあるのだ。
なお、バッテリーの膨張が進むと、最悪の場合、発火事故を引き起こす可能性があるため、重い症状が見られた場合は、販売店やメーカーに相談することをおすすめする。
スマホのバッテリーの交換時期の目安
最後に、AndroidスマホとiPhone、それぞれについてバッテリーの交換時期の目安を紹介する。
■Androidスマホ
Androidスマホの交換時期の目安は、メーカーによって異なるが、一般的には通常の使用状況で2年程度とされている。多くのAndroidスマホでは、充電サイクルを300〜500回繰り返すと、バッテリーの蓄電容量が約80%程度に減少すると言われており、これも交換時期の目安となる。
※一般的に、充電サイクルは、バッテリーを完全に使い切り、その後フル充電することを1回とカウントする
■iPhone
Apple社の公式発表によると、iPhone14(日本国内では2022年9月16日発売)以前のモデルのバッテリーは、充電サイクルを500回繰り返した後も本来の蓄電容量の80%を維持するよう設計されている。これを踏まえれば、交換時期の目安としては2〜3年が妥当であろう。
また、iPhone15(日本国内では2023年9月22日発売)以降のモデルのバッテリーは、充電サイクルを1,000回繰り返した後も本来の蓄電容量の80%を維持するよう設計されている。これを踏まえれば、交換時期の目安としては4〜5年が妥当であろう。
とはいえ、実際には4〜5年も経過すれば、スマホの本体自体が古くなる。スペック面や機能面を考慮して新しいモデルへの買い替えを検討するのが一般的な選択肢となるであろう。
※出典:
https://support.apple.com/ja-jp/106348
まとめ
スマホのバッテリーは消耗品である。使用するうちに劣化していくことは避けられない。そのため、バッテリー状態を定期的にチェックすること、および長持ちさせるために使い方や設定を工夫することが重要である。
なお、すでに長期間使用している場合や、明らかな劣化を感じている場合は、突然使えなくなることも考えられるため、バッテリー交換、あるいはスマホ買い替えの検討を推奨する。
文/松下一輝(まつしたいっき)
大学院修了後、ITエンジニアとして大手システムインテグレータに入社。通信キャリアを顧客とする部署に配属され、業務システムやWebアプリケーションなどの設計・開発業務に従事する。その後、文章を書く仕事に興味を持ち、ライターに転身。ITやサイエンス、ビジネスといった分野の記事を執筆している。