
スマホのバッテリーは消耗品であり、長期間使用すると劣化する。バッテリーの状態を定期的にチェックし、使い方や設定を工夫することで寿命を延ばせる。本記事では、バッテリーの確認方法、劣化の原因、長持ちさせるコツを解説する。
目次
スマホを使っていて「あれ?バッテリーの状態が悪くなっている?」と感じることはないだろうか。バッテリーの不具合でスマホが突然使えなくなれば大変不便である。バッテリーの状態は簡単な操作で確認できるため定期的にチェックしてみよう。
なお、バッテリーの劣化は避けられないが、使い方や設定の工夫で長持ちさせることは可能だ。本記事では、スマホのバッテリー状態を確認する方法、劣化の原因、長持ちさせる方法を解説する。
スマホのバッテリーの状態を確認する方法
スマホのバッテリーには、一般的にリチウムイオンバッテリーが使われている。
リチウムイオンバッテリーは、コンパクトなサイズでありながら、大容量の電力を蓄えられる、長持ちしやすいといったメリットがある。そのため、スマホに限らずパソコンやゲーム機などさまざまな製品に採用されている。
しかし、リチウムイオンバッテリーも、他のバッテリーと同様、消耗品であることに変わりはない。充電を繰り返すたびに劣化が進み、1回の充電で使用できる時間が短くなったりトラブルが発生しやすくなったりする。そのため、定期的にバッテリーの状態を確認することは重要である。
ここでは、AndroidスマホとiPhone、それぞれについて、スマホからバッテリーの状態を確認する方法を紹介する。
■Androidスマホの確認方法
Androidスマホの場合、機種やOSのバージョンによっても異なるが、一般的には次の手順で確認できる。
「設定」アプリを立ち上げる
⇒「端末情報」をタップする
⇒「バッテリー情報」などバッテリーに関する項目をタップする
※機種やOSのバージョンによって手順が異なる場合もあるため、必要に応じて、お使いのスマホの取扱説明書や公式サポートページを参照することをおすすめする
■iPhoneの確認方法
iPhoneの場合、次の手順で確認できる。
「設定」アプリを立ち上げる
⇒「バッテリー」をタップする
⇒「バッテリーの状態」あるいは「バッテリーの状態と充電」をタップする
スマホのバッテリーが劣化する3つの理由
多くの人がスマホをできるだけ長持ちさせたいと考えていることであろう。仮にバッテリー交換するとなれば数千円の費用がかかる。スマホを買い替えるとなれば、スマホ本体に数万円の費用がかかる上、アプリやデータの引き継ぎ作業にも手間がかかる。そのため、バッテリーの劣化は気になるポイントのひとつだ。そもそもスマホのバッテリーは、なぜ劣化するのであろうか。その理由としては主に次の3つがある。
■理由1:経年劣化
前述したように、スマホで一般的に使用されるリチウムイオンバッテリーには、バッテリーとしてさまざまなメリットがあるが、消耗品であるため経年劣化自体は避けられない。使い続けるうちに徐々に劣化し、最終的には寿命を迎える。
■理由2:スマホの使い方の問題
スマホのバッテリーの寿命は、どのような使い方をするかによって大きく変わる。実は、普段何気なく行っているような使い方がスマホの寿命を縮める原因となっているケースも往々にしてあるため、注意したい。
■理由3:スマホの設定の問題
スマホのバッテリーの寿命は、使い方だけでなく、設定にも影響を受ける。例えば普段使わない機能をオフにすることで長持ちさせやすくなる。
前述したスマホの使い方についてはどうしても普段の習慣や癖が反映されてしまうが、こちらのスマホの設定については一度対処を行うだけで効果を期待できるものが多い。
スマホのバッテリーを長持ちさせる使い方7つのポイント
前述したとおり、バッテリーの経年劣化自体は避けられないが、スマホの使い方によって長持ちさせることは十分に可能である。ここでは、スマホのバッテリーを長持ちさせるための使い方のポイントを紹介する。
■長持ちさせる使い方1:充電器は純正品を使用する
スマホの充電器には純正品と非純正品があるが、基本的には純正品の使用が推奨される。
家電量販店や100円ショップなどでは、安価な非純正品も販売されており、そういった製品を使用している人も少なくないであろう。コネクターが同じで、通常の方法で充電ができるため、問題ないようにも思えるが、非純正品の使用は推奨されない。
非純正品の充電器は、規格が異なる場合や品質管理が不十分な場合が多く、バッテリーに余計な負担をかけてしまうことがあるのだ。特に安価なものほどその傾向が強い。そのため、特別な事情がない限り、充電器は純正品を使用するのが望ましい。
勤務先や外出先でスマホを充電する機会が多い人は、2つ目の充電器として非純正品の購入を考えることもあるだろう。短時間使用が前提であるなら大きな問題はないかもしれないが、長時間使用が前提であるなら純正品をおすすめする。
■長持ちさせる使い方2:過充電を避ける
バッテリー残量が100%の状態でも充電を続ける「過充電」は、バッテリーの劣化を早める原因となるため、可能な限り避けたい。
多くの人に、スマホを操作することがない就寝中に充電をする習慣があるが、これはバッテリーに負担をかけていると認識しよう。最近のスマホは充電が短時間で完了するため、お風呂に入っている間に充電する、家事をしている間に充電するなど、工夫をするとよいだろう。
なお、最近のスマホの中には、充電が完了すると自動的に給電を停止する「過充電防止機能」が備わっているものもあるため、必要に応じて自身のスマホの仕様を確認することをおすすめする。
■長持ちさせる使い方3:過放電を避ける
バッテリー残量が0%の状態で長時間放置する「過放電」も、バッテリーの劣化を早める原因となるため、可能な限り避けたい。過放電は、バッテリーの電極が傷んでしまい、それによって性能が低下してしまうのだ。少なくともバッテリー残量が10%程度になったら充電するようにしよう。
■長持ちさせる使い方4:充電中は使用しない
バッテリーの充電中にスマホを使用してしまうことはよくあるが、これも可能な限り避けたい。
充電中にスマホを使用すると、充電による発熱と使用による発熱が重なり、バッテリーに大きな負担をかけることになる。実際、充電中にスマホを使用して本体の熱さに驚いた経験がある人も多いのではないだろうか。
どうしてもスマホを使用する必要がある場合は、負荷の大きい処理を避ける、一度充電器から外して使うなど、バッテリーへの負担を軽減する工夫を行いたい。
■長持ちさせる使い方5:スマホ本体に衝撃を与えない
スマホは精密機器であるため、衝撃を与えないようにしたい。
特に落下による衝撃は、画面やフレームだけでなく、本体内部にまでダメージを与えることもある。当然、バッテリーに衝撃が加わった場合には、バッテリーの劣化が早まる可能性もある。そのため、日頃から丁寧に取り扱うことが大切だ。
耐久性の高い仕様のスマホ製品もあるが、どんなに頑丈に作られている製品でも100%の安全を保証するものではないことは理解しておきたい。あくまでも、丁寧に取り扱うことがスマホを長持ちさせる基本だ。
落下による被害を防ぐ方法としては、次のようなものがある。
- 頑丈なケースを使用する
- 落下防止ストラップを使用する
- スマホの定位置にクッション性のある素材を敷く
- 車内ではスマホスタンドを使用する
■長持ちさせる使い方6:高温環境では使用しない
スマホのバッテリーは高温に弱いため、高温環境での使用は控えるようにしよう。特に次のような点に注意したい。
- サウナで使用しない
- 鍋など熱い料理の近くに放置しない
- 暖房器具の近くに放置しない
- 真夏などの暑い時期に車の中に放置しない
■長持ちさせる使い方7:電波状況を意識する
電波状況もバッテリーに影響するため、普段よくいる場所の電波状況にも注意を払おう。
電波状況が悪い場合、スマホは電波状況を改善しようと適当な基地局を探そうとする。そのため、長時間にわたって電波状況が悪い場所にいると、電波を探しても適当な基地局が見つからないという状況が繰り返されることになり、結果としてバッテリーを大きく消耗させてしまうことになる。
電波状況が悪い場所にいる場合は、必要に応じて機内モードを使うのも一つの方法だ。機内モードは、すべての無線通信を一括でオフにするため、バッテリーの消耗を防ぐことができる。
スマホのバッテリーを長持ちさせる「設定」7つの方法
スマホのバッテリーは、使い方だけでなく、設定によっても長持ちさせることが十分に可能である。ここでは、スマホのバッテリーを長持ちさせるための設定方法を紹介する。
■長持ちさせる設定1:不要なアプリをアンインストールする
まず何よりも、不要なアプリをアンインストールすることだ。
多くの人が使っていないアプリをそのまま放置しているが、意外とこれがバッテリーの劣化を早める原因となっている。使っていないアプリであっても、バックグラウンドで稼働しており、これがバッテリーを消耗させるのだ。
バッテリーの負担を軽減するため不要なアプリはアンインストールしよう。なお、これはスマホ本体のストレージ容量を確保することにもつながるため、動作が軽くなる効果も期待できる。
■長持ちさせる設定2:不要なデータを定期的に削除する
不要なデータは定期的に削除しよう。
画像や音声、動画などのデータを保管し続けている人も多いが、やはりそれらデータを管理するためにも電力が消費されている。特に動画は容量が大きいため、不要なデータは早めに削除するのが望ましい。
毎週日曜日の夜に不要なデータを削除するなど、ルールを決めておくと習慣化しやすい。もちろん、データをパソコンやクラウドストレージに移行する方法も有効だ。
■長持ちさせる設定3:キャッシュを定期的に削除する
キャッシュも定期的に削除しよう。キャッシュとは、一時的に使用されるデータのことで、アプリやブラウザの表示や処理を高速化するために使われる。
通常のデータと同様、このキャッシュが蓄積すると、バッテリーの消費量が増加する。しかも、通常のデータとは異なり、気づかないうちに増えてしまうため注意が必要だ。
■長持ちさせる設定4:Wi-FiやBluetoothをこまめにオフにする
Wi-FiやBluetoothといった通信機能はこまめにオフにするようにしよう。Wi-FiやBluetoothは便利な機能ではあるが、使用していなくてもオンにしているだけでデータ通信を行うため、バッテリーを消耗しやすい。特にWi-Fiは電力消費が大きいから注意したい。
■長持ちさせる設定5:音声アシスタントをオフにする
音声アシスタント機能は、使用しない場合はオフにしよう。音声アシスタント機能も便利な機能ではあるが、バックグラウンドで常にユーザーからの呼びかけを待っているため、バッテリーを消耗しやすい。
■長持ちさせる設定6:ディスプレイの明るさを調整する
ディスプレイの明るさは、適宜調整したい。必要以上に明るくせず、目に負担のかからない程度に調整することで、バッテリーの消費量を節約できる。
■長持ちさせる設定7:省エネモードを利用する
多くのスマホでは、「省エネモード」「低電力モード」「バッテリーセーバー」といった、バッテリー消費を抑える機能が搭載されており、この機能を利用することも効果的である。機種によってその内容は異なるが、例えば通知の制限や視覚効果の制限、動画解像度の低下、自動アップデートの停止などにより、バッテリー消費を抑える。