交通系ICの代表格、Suicaを普段から使っている方は多いはず。そのSuicaがこれからの10年で進化をするようです。例えばエリアの壁を越えて利用できるようになったり、駅の改札でタッチ操作が不要になったり……JR東日本が発表した中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」を元にして、Suicaの未来を先取りチェックしてみませんか?
目次

JR東日本が提供する交通系ICとしておなじみのSuicaは、電車やバスといった公共交通機関に乗り入れする際に便利なICカードです。
モバイルSuicaとしてスマホに登録することもでき、コンビニやドラッグストア、自動販売機などにも対応しているところが多く、使い勝手の良い決済サービスとして人気です。
JR東日本は、そんなSuicaの機能を、2034年までに段階的に拡充する、中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」を発表しています。
では、Suica、およびSuicaアプリは、今後どのように進化していくのでしょうか? Suicaの未来を先取りチェックしてみましょう!
Suicaの進化、スマホアプリってどうなの?
早速、JR東日本が発表している中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」の詳細についてみていきましょう。
JR東日本がSuicaを進化させる理由
Suicaは公共交通機関での使用に加え、街中でも利用できるシーンが多いICカード。
現時点でも便利ですが、これから人口減少や少子高齢化が進む社会の変化に対応するべく、Suicaを進化させる計画が打ち立てられています。
JR東日本によると、交通、決済だけでなく、地域のユーザーのさまざまな生活シーンで利用できる、「生活のデバイス」に生まれ変わるとのこと。楽しみですね。
では、具体的な進化計画について、時系列で見ていきましょう。
Suicaの利用シーンが拡大! 長野でもSuicaが使える!!
Suicaの進化計画として、2025年3月、訪日外国人向けのアプリ「Welcome Suica Mobile」の提供が始まりました。
日本に入国する前にアプリをインストール、SFチャージ(ストアードフェアチャージ:SuicaやPASMOなどに記録される金銭的価値。「あらかじめ支払われた運賃」の意)が可能で、空港から鉄道までの乗り入れがスムーズに行えるようになっています。

また、長野エリアがSuicaの対応地域に加わっています。
2026年にはスマホで使えるモバイルSuicaが強化! コード決済や送金機能も実装
2026年秋ごろには、スマホで使えるモバイルSuicaアプリの機能をリニューアル予定。
従来の特徴である簡単で便利なタッチ決済に加え、現在のSuicaの上限額である2万円を超える買い物にも使えるコード決済機能が実装されます。
また、家族や友人間で、電子マネーを送金する機能、買い物時に利用できるクーポン機能、地域限定のバリューの発行など、複数の機能が追加される予定となっています。
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2027年にSuica利用エリアを統合! Suica未導入エリアでもSuicaが使える?
2027年春ごろには、先に触れた長野を含む首都圏、仙台、新潟、盛岡、青森、秋田のSuicaエリアが統合される予定。
これにより、Suicaで常磐線を上野駅から仙台駅まで、そのまま移動することが可能といったように、Suicaのみで移動できる範囲が広がりそうです。
また、Suica未導入エリアにおいても、モバイルSuicaアプリで購入できる「スマホ定期券(仮称)」が利用できるようになります。モバイルSuicaアプリで定期券の画面を表示すると鉄道が利用できるようになるからです。
2028年にSuicaアプリ(仮称)いよいよ登場! 鉄道チケットはセンターサーバーで管理
2028年度には、センターサーバー管理型の鉄道チケットの提供を開始します。現行のSuicaは、ICチップごとに残高の管理を行っていますが、これを刷新。えきねっとやモバイルSuicaなどの各種IDも1つに統合されます。

また、新しくSuicaアプリも導入されます。アプリでは、乗車履歴や行動データに基づいたサービスの適用も予定されています。
例えば、毎月3000円の支払いすれば自宅の最寄り駅を起点とし、どの駅でも運賃が50%割引となるサブスク商品(割引上限あり)の提供や、鉄道の日といった記念日、駅ビルやイベントでの買い物により配信される鉄道クーポンの提供なども予定されています。これはお得になりそうです!

改札でタッチする面倒がいらなくなるかも?
インフラ整備などが必要なので2034年までの予定と、少し先の話ではありますが、将来的には、駅の改札を通る際、Suicaをタッチしなくても通り抜けられるウォークスルー改札の提供を予定しています。これは便利!
また、位置情報を活用し、Suicaの改札設備がない施設においても運賃を支払える位置情報改札も導入予定。そのほか、クレジットカードや銀行口座と連携することで、事前にチャージをしなくても、後払いできるサービスも提供予定となります。

経済圏争いにチャレンジするSuica
ドコモやKDDI、ソフトバンクといった通信キャリアが金融サービス、自社の決済サービスを絡めた料金プランを提供したり、楽天グループがモバイル、市場を中心とした自社サービスでユーザーが循環するシステムを作っているように、「経済圏」と呼ばれる仕組みで、ユーザーを確保するために、大手企業が各社競い合っています。
航空会社でいうと、ANAやJALもマイルを中心とした経済圏を作っており、JR東日本もSuicaやJREポイントでこの経済圏によるユーザーの獲得を目指す競争にチャレンジしていくことになります。
現在発表されている中長期ビジネス戦略を見ると、銀行サービスは見られませんが、決済サービスとポイントを活用し、Suica経済圏を拡大していくと見られます。
Suicaの強みは、JRの各駅での利用はもちろん、現時点で利用できる店舗が多い点や、ユーザーが利用するハードルが低い点でしょう。
通信キャリアの経済圏は、各キャリアの回線契約者がメイン、航空会社の経済圏も、飛行機を利用する機会が多い人がメインターゲットになる中、Suicaの場合は、通学需要のある学生などにもユーザーが多く、合わせてコード決済を使ってみる同期につながりやすくなります。
ハードルが低いため、友人、家族間での送金機能なども、気軽に使えるかもしれません。
また、経済圏にどっぷり漬からないユーザーであっても、ウォークスルー改札や後払いサービスなど、生活が快適になるアップデートが多数あります。
今後も進化していくSuicaに注目し、クーポンやポイントといったお得なサービスを、いち早くゲットしてください。
【参照】中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」の策定
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文/佐藤文彦







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