
売れに売れたiPhone SEの後継機として活躍が期待されるiPhone 16e。偉大なる先輩に対してどのように進化したのでしょうか?スペックの詳細を徹底検証し、iPhon SEからの買い換えは○か×かをチェックしてみました。
目次
2025年2月28日に「iPhone 16e」が発売。例年通り、Apple Storeに加え、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアでも取り扱われます。
iPhone 16eは、iPhone 16シリーズの一員でありながら、廉価モデルの「iPhone SE(第3世代)」の後継という位置づけ。前機種となるiPhone SE(第3世代)は、2022年3月の発売であるため、iPhone SE(第3世代)のユーザーのみなさんの中には、iPhone 16eへと機種変更を検討している方もいるはずです。
そこで、iPhone 16eはiPhone SE(第3世代)からどのように進化したのかについて、スペックの詳細をチェックしていきましょう。
iPhone 16eとiPhone SE(第3世代)のスペックを比較
それでは、iPhone 16eとiPhone SE(第3世代)の違い、主なアップデートポイントについてチェックしていきましょう。
■本体サイズ、ディスプレイは大型化
iPhone 16eは本体のデザインで、iPhone SE(第3世代)から大幅な進化を遂げました。
iPhone SE(第3世代)は、ディスプレイが4.7インチの液晶パネルで、解像度が1334×750ピクセル。一方、iPhone 16eは、6.1インチの有機ELパネルで、解像度2532×1170ピクセルとなります。
iPhone 16e
iPhone SE(第3世代)
大きくなったのはディスプレイだけでなく、本体サイズも変わりました。iPhone SE(第3世代)の幅67.3mm×高さ138.4mm×厚さ7.3mm、重量144gから、幅71.5mm×高さ146.7mm×厚さ7.80mm、重量167gとなりました。
本体サイズが一回り大きくなったのに加え、質量も増しているため、iPhone SE(第3世代)のコンパクトさを気に入っていたという人にとっては、少し残念なポイントかもしれません。
■ホームボタンが廃止になり指紋認証が顔認証に
iPhone 16eのディスプレイサイズを大きくできたのは、iPhone SE(第3世代)に搭載されていたホームボタンがなくなり、iPhone X以降続いている、前面がほぼすべてディスプレイとするデザインに変更されたためです。
これに伴い、ホームボタンに搭載されていたTouch ID機能(指紋認証機能)もなくなり、代わりにFace ID機能(顔認証機能)が利用できるようになっています。
■アクションボタンの搭載で使い勝手が向上
iPhone 16eには、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxと、iPhone 16シリーズに搭載されている、アクションボタンが搭載されています。
アクションボタンは、本体左側面、音量ボタンの上部に搭載されているボタンで、消音モードの切り替え、集中モードの切り替え、カメラアプリの起動、フラッシュライトの起動といった、任意のショートカット機能を割り当てることができます。
少し凝った設定が必要ではありますが、ショートカットアプリで「ホーム画面に戻る」ショートカットを作成し、アクションボタンに割り当てることで、疑似的にホームボタンのように使うこともできるでしょう。
充電ポートはUSB-Cに
充電ポートは、iPhone SE(第3世代)で使用されていたLightningから、USB-Cへと変更されました。iPhone 15シリーズより、iPhoneでもUSB-Cポートが採用されたことで、iPadやPCといった、ほかのデバイスと同じケーブルを使用できるようになっています。
なお、iPhone 16eの充電ポートはUSB 2となっており、Lightningと比較して、データの伝送速度が速いという特徴があります。
■Apple C1モデム搭載でバッテリー性能は6.1インチiPhone最長!
バッテリーは、ビデオ再生が最大26時間、ビデオ再生(ストリーミング)が最大21時間、オーディオ再生が最大90時間となりました。iPhone SE(第3世代)と比べると、ビデオ再生で11時間、オーディオ再生で40時間も、持続時間が伸びています。
省電力性能が向上する理由はさまざまですが、iPhone 16eの場合、iPhone初となる自社開発モデム「Apple C1」を搭載している点があげられます。モデムとは、アナログ信号とデジタル信号を相互変換する、ネット接続の際に必要な機器で、これをアップルが自社開発することにより、接続の安定性、省電力性の向上に期待がかかります。
■搭載チップセットは順当に進化
iPhone SEシリーズといえば、廉価モデルながら、発売時点で最新のチップセットを搭載することでも人気です。iPhone SE(第3世代)は、iPhone 13シリーズに搭載された、A15 Bionicを搭載しています。
新たに登場したiPhone 16eは、iPhone 16、iPhone 16 Plusと同じく、A18 チップを搭載。GPUコア数が、iPhone 16/16 Plusの5コアに対して4コアに制限されているといったコストカットは見られますが、通常使用であれば快適な動作性となります。
■最新のAI機能「Apple Intelligence」に対応
iPhone 16eの大きな特徴の1つに、最新のAI機能であるApple Intelligenceに対応している点があげられます。Apple Intelligenceは、2025年4月に日本語にも対応予定となっており、現時点での対応iPhoneは、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro MaxとiPhone 16シリーズのみ。ここにiPhone 16eも仲間入りするというわけです。
Apple Intelligenceでは、文章作成や画像編集、ChatGPTと連携したSiriなど、さまざまなAI機能が利用できます。ここ数年、AI機能がスマホの使い方を変えるといわれているだけに、廉価モデルでも高水準のAI機能が利用できるのは、うれしいポイントでしょう。
■カメラはシングルのままだが解像度がアップ
iPhone SE(第3世代)に搭載されているアウトカメラは、12MPのシングルカメラ。f/1.8絞り値で、最大5倍のデジタルズームに対応しています。
iPhone 16eのアウトカメラもシングルカメラですが、解像度は48MPにアップ。絞り値はf/1.6となります。
これにより、12MPで光学2倍相当のズーム撮影もできるようになっています。デジタルズームは最大10倍になりました。
そのほか、4K 60fpsでの動画撮影や、空間オーディオとステレオ録音といった機能にも対応しています。
■ストレージ容量は128GBスタートに
iPhone SE(第3世代)では64GBスタートだったストレージ容量ですが、iPhone 16eの場合は、128GB、256GB、512GBの3モデルで展開されます。
スマホでできることが年々増えていくこともあり、アプリやデータを保存するためのストレージ容量は、どんどん要求を増しています。ここも、時代に合わせたアップデートポイントといえるでしょう。
■廉価モデルでも衛星通信に対応
近年、通信関係のサービスで話題を呼んでいるのが、衛星と直接接続して、通信サービスを利用するというもの。アップルの衛星機能では、緊急時にテキストの送信、衛星経由での緊急SOS、車のトラブルの際のロードサービスなどがあります。
また、電波の届かない場所でも、衛星経由で位置情報を共有し、友人や家族に居場所を伝えるといった使い方もできます。これらの機能がiPhone 16eでも利用できます。
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※データは2025年2月下旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦