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蔦屋重三郎のコンテンツビジネスから江戸の暮らしまで!「べらぼう」の世界がリアルにわかる注目の講座が開講

2025.03.07

2025年1月からスタートしたNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、江戸時代中期から後期にかけて版元として活躍した、「蔦重」こと蔦屋重三郎を主人公にした物語。その物語の世界観を浮世絵を通して学ぶ公開講座が、國學院大學の渋谷キャンパスにて、4月22日から全5回にわたって開催されます。

江戸庶民に愛された浮世絵の魅力と歴史に迫る!

講師は、同大学の文学部哲学科教授で、日本美術史・日本近世文化史・比較芸術学の専門家、藤澤紫先生。国際浮世絵学会常任理事でもある藤澤先生は、高校時代に鈴木春信の〝恋を描いた浮世絵〟「風流四季哥仙 二月 水辺梅」に心を奪われて以来、とくに日本近世を軸とした絵画史を積極的に研究。浮世絵における景観表現や風俗表現について論じるほか、浮世絵などの出版文化を介して、メデイアとしての機能や美術と国際交流の実情について研究しています。また、そうした研究活動の一方で、浮世絵の普及にも尽力し、NHKの番組『浮世絵EDO-LIFE』の監修も務めています。

講師を務める國學院大學文学部哲学科教授・藤澤紫先生 撮影/本永創太

開催する講座について、藤澤先生は次のように紹介しています。

「江戸庶民に愛された浮世絵の主題は、美人画、役者絵、名所絵など幅広く、暮らしに役立つ情報も満載です。版元、絵師、彫師、摺師らの共同制作で完成する錦絵(多色摺の浮世絵版画)は、まさに江戸のメデイアとして発展しました。

今回は、令和7年度のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺』の主人公、蔦屋重三郎の活躍を皮切りに、喜多川歌麿ほか、浮世絵の黄金期をけん引した絵師の作品を読みときます。また、東京国際博物館で開催予定の展覧会ほか、実際に出会える浮世絵作品に、國學院大學の浮世絵コレクションも交えて、その見どころも紹介します。ご一緒に、日本美術の世界に遊んでみませんか?」

歌川国芳・芳鳥画 「山海めで度図会 極かたい 若狭鰈」 嘉永5(1852)年
國學院大學博物館所蔵 CC BY-SA

全5回の講座は、いずれも火曜日の4月22日、5月13日・27日、6月10日・24日に開催。講義時間は、毎回10時30分~12時。また、各回のテーマは、以下の内容になっています。


第1回 浮世絵ワールドにようこそ!~國學院大學コレクションを中心に~(4月22日)
第2回 蔦屋重三郎と江戸出版界~「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」の見どころ~(5月13日)
第3回 歌麿が描いた江戸吉原~「青楼十二時」を味わう~(5月27日)
第4回 歌麿が描いた評判娘~メデイアとしての浮世絵~(6月10日)
第5回 浮世絵に見る江戸ライフ~名所絵に描かれた暮らしを読む~(6月24日)


藤澤先生の講座内容にある東京国立博物館で開催予定の展覧会というのは、4月22日(火)~6月15日(日)まで開催予定の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」【特別展「蔦屋重三郎コンテンツビジネスの風雲児」】のことで、第2回講座にて解説されます。この回を受講することで、より深くこの展覧会を鑑賞できるでしょう。

藤澤先生が講義で心がけているのは、「自らが感じ、興味を持ったものを、なるべく新鮮な言葉で届けること」。江戸時代の人々が浮世絵をどのような感動で受け止めて、生活の中でどのように楽しんでいたのか。また、その浮世絵を現代の私たちはどのような感覚で受け止めて、味わったらいいのか――。国内はもとより、海外でも人気を博す浮世絵の魅力と、蔦重の現代につながる功績を実感できる講座となりそうです。

受講料は全5回で1万1000円(入会金別)。受講の申し込みの締め切りは3月19日(水)(定員に満たない場合は、開講の10日前まで申し込みが可能)。定員の進捗状況は、随時、大学のホームページにて更新しているので、申し込みの際にご確認ください。

國學院大學オープンカレッジ

撮影/本永創太

藤澤紫 國學院大學文学部哲学科教授 https://www.kokugakuin.ac.jp/account/91612
東京都生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得。博士(哲学)。2011年より國學院大學大学院文学研究科客員教授。2014年より同大学文学部教授。国際浮世絵学会常任理事。2018年「第12回国際浮世絵学会賞」を受賞。主な著書に『遊べる浮世絵 体験版・江戸文化入門』(東京書籍)、『別冊太陽 鈴木春信 決定版 恋をいろどる浮世絵師』(平凡社)、『くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵 江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合!』(青幻舎)など。

取材・文/山津京子

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