
Sapeetは、累計150万回以上のAI姿勢分析実績を持つ「カルティ シセイカルテ」(以下シセイカルテ)による2400名の姿勢データを分析。その結果を公表した。
この調査では、10代未満から90代までの幅広い年齢層における姿勢の特徴を、性別・年齢別に分析するとともに、理学療法士による現代日本人の姿勢特徴と将来予測に関する考察を加えている。
シセイカルテによるAI姿勢分析データ図
O脚とX脚の割合
脚の形状分析では、明確な男女差が確認された。O脚傾向は男性で53.3%、女性で38.5%となった一方、X脚傾向は女性が15.2%、男性が8.7%という結果となった。
■頭の前後傾き(ストレートネック)の傾向
頭が前に傾く「ストレートネック」(いわゆる〝スマホ首〟)の傾向について調査したところ、若年層で顕著な傾向が確認できた。特に20代では55.5%が前傾姿勢を示し、最も高い割合を示している。30代でも44.5%と半数近くが前傾傾向にあり、若年層全体で高い割合を示す結果が得られた。
■猫背の度合い
全年代を通じて猫背傾向が高い割合で確認された。特に20代では70.8%と際立って高い値を示しており、これは30代の62.9%や40代の65.9%と比較しても顕著となっている。
中年層の50代では59.8%とやや減少するものの、60代で69.9%、70代以上では84.0%と加齢とともに上昇する傾向が見られた。最も低い割合を示した10代以下でも55.3%と、半数以上が猫背傾向にあることが明らかになった。
現代のライフスタイルと姿勢の関係に関する示唆
調査結果から、現代のライフスタイルが姿勢に大きな影響を与えていることが示唆された。この姿勢の悪化の主要な要因として、「仙骨座り」(別名「ずっこけ座り」)が指摘されている。
これは、椅子に座る際に背中が丸まり、仙骨部分を支点にして体重をかける姿勢を指す。スマートフォンやパソコンの長時間使用により無意識のうちに取られやすいこの姿勢は、頭の前傾(ストレートネック)や猫背の原因の一つとなっている。
仙骨座りは、骨盤を後傾させることで背中に過度の負担をかけるだけでなく、O脚やX脚の形成にも影響を与える可能性がある。このような姿勢の悪化は、身体のバランスを崩し、長期的には腰痛や肩こり、さらには呼吸機能の低下など、様々な健康問題を引き起こす懸念も生じさせる。
これらの健康リスクを予防するには、日常生活における姿勢への意識と正しい座り方の実践が重要な役割を果たす。特に20代・30代という働き盛りの世代においては、デジタル機器の使用が不可欠な現代のライフスタイルの中で、意識的な姿勢管理が健康的な生活の基盤となると考えられる。
調査概要
調査対象/10代未満〜90代の男女、2023年7月25日~2024年10月10日の分析結果から無作為に抽出
有効姿勢分析数/n=2400(男性838名、女性1,562名)
調査方法/シセイカルテによるAI姿勢分析データを活用して立位正面、立位左側面の姿勢分析結果を抽出
関連情報
https://sapeet.com/
構成/清水眞希