
全国の自治体と連携して地方移住を支援する、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターは、相談者やセミナー参加者を対象に、地方移住に関するアンケートを2009年から実施している。
先日、16回目となる2024年(1月〜12月)の調査結果が発表されたので、同法人のリリースをもとに概要をお伝えする。
2024年の移住相談は過去最多、初めて6万件に到達
2024年の移住相談件数(面談・電話・メール・見学・セミナー参加)は、6万1720件だった。これは2023年(59,276件)に対し4.1%増となり、4年続けて過去最高を更新した。
また、移住相談会・セミナー等の開催数は637回で、セミナーの開催方法は、オンラインが251回(39%)、対面が247回(39%)、ミックス(オンライン+対面)が139回(22%)だった。
窓口相談は初めて群馬県が1位に
窓口相談では、初めて群馬県が1位となった。また、ランクアップしたのは、9位の福島県(前回12位)、13位の千葉県(前回15位)、16位の兵庫県(前回18位)。前回ランク外だった東京都が14位になった。
群馬県は2023年に移住希望地ランキングで2位となり、メディアで報道されたこともあり、20~30代の相談が増加。漠然と地方移住を考えはじめたライト層や、伸び伸びと子育てをしたい層が増えた。
また、アクティブな50代がセカンドライフを求めたり、首都圏へのアクセスの良さや自然環境からテレワーク移住の相談も寄せられた。そこでは「仕事に追われるより、家族や自分の時間を大事にしたい」「災害の少ない地域に住みたい」といった声が聞かれた。
2位の静岡県は、東京からのアクセスや気候の良さなどから、もともと移住候補地に上がりやすいがライト層も多い。そこで、引き続き、市町の移住担当者とセンターの相談員を交えた三者で具体的な話ができる「出張相談デスク」に力を入れ69回開催された。
3位の栃木県は、県内どこでもオーダーメイドで案内する「移住促進コンシェルジュ」制度を開始。東京から近いため、現地訪問を積極的に勧めている。もともと「どこか環境の良い場所へ」という漠然とした相談が多く、Iターン希望者が9割を占める。SNS広告や県の移住サイトからの流入で、20代の相談者が増加。住宅コストが抑えられることも要因となっている。
9位の福島県は、部局間連携を進めたことも功を奏した。「出張相談デスク」は32回開催。起業や就農をテーマにした際は、さまざまな部局の担当者が丁寧に対応した。
出張相談会やセミナー・フェアから相談窓口へつながるケースもあり、20~40代の若年層や女性の相談が増えた。結婚前にカップルのどちらかが福島に縁がある、という理由から相談に訪れるケースも多い。
このほか、14位の東京都は2022年にセンターにブースを設置して、多摩地域や島しょ部の移住促進に取り組んでいる。センターの窓口が認知され、東京23区から幅広い年齢層が自然豊かな地域への憧れも含めて、相談に訪れるという。
■移住相談件数の推移(2008-2024)
セミナー参加者は2年連続、群馬県が1位に
セミナー参加者は2年連続、群馬県が1位となった。大きくランクアップしたのは2位の福島県(前回8位)、3位の広島県(前回7位)、6位の山口県(前回19位)、7位の富山県(前回12位)だった。
群馬県は、多様なテーマで年間57回セミナーを実施。移住者の活動を紹介するワークショップを組み合わせるなど趣向を凝らし、集客につなげた。また、他県と連携したセミナーや、エリアごとに市町村がまとまって行った移住相談会やセミナーが好調だった。
2位の福島県は、7月に初めて就農フェアを、11月には全県フェアをそれぞれ開催し多くの参加者を集めた。移住者が農業で暮らしていくために、県内のさまざまな団体が出展して対応。また、関係人口などをテーマに若い人をターゲットにしたセミナーも多数開催され、若い人や女性の参加者が増えた。
3位の広島県は、県庁の移住以外の部署とも連携して「デジタル人材」をテーマにしたセミナーや、地元のIT企業等5社がプレゼンテーションを行うなど、仕事メインのセミナーで新しい参加者層を獲得。2021年から継続している、英語による外国人向け移住セミナーも好評だという。集客はSNS広告などデジタルマーケティングを中心に行なっている。
6位の山口県は、ターゲットとする若者・子育て世代が気軽に参加できるライトなテーマ設定での開催や、デジタルマーケティングを活用したSNSやウェブ広告での情報発信を行ない、移住を検討する人にセミナー情報を届けた。また、セミナー参加者のニーズや評価の分析を行ない、次の企画・運営に活かしたことも参加者の増加につながった。
7位の富山県は、フェア・セミナーの開催数を2023年から大きく増やした。入口を増やすためライト層に向けて、オンラインで30分「方言」や「ご当地スーパー」といったテーマで、気軽にゆるく聞けるセミナーも開催。このほか、地域おこし協力隊の募集や、移住検討層に向けて「子育て」「農業」などでも多数、セミナーを開催した。
そして前回ランク外だった山形県が12位になった。山形は6月の全県フェアで、昨年比1.9倍となる345人を集客。また、これまでエリアごとに行っていたセミナー兼相談会を、本気度の高い移住希望者向けの市町村合同相談会に改編した。相談会では、いろいろな市町村のブースを周遊して、相談する人も多く見られた。
■ふるさと回帰支援センター 移住希望地ランキング(2022-2024)
※ ふるさと回帰支援センター窓口相談者・セミナー参加者アンケートより集計(複数回答)
■2024年 窓口相談者 年代別 移住希望地ランキング
※ ふるさと回帰支援センター窓口相談者・セミナー参加者アンケートより集計(複数回答)
調査概要
調査対象/新規のセンター窓口相談者、新規の移住セミナー・相談会等参加者(いずれもオンライン含む)
調査手法/上記対象者へのアンケート(相談カード)
調査時期/2024年1月4日~12月28日
回答者数/1万9021(相談:n=1万1782、セミナー:n=1万3349 相談とセミナーは重複あり)
関連情報
https://www.furusatokaiki.net/
構成/清水眞希
群馬県の宣伝部長ぐんまちゃんの公式写真集も発売!
みんなを癒やす不思議な力で、群馬県民をはじめ、全国のゆるキャラファンの心をつかんできたぐんまちゃん初の公式写真集が登場!30年にわたるぐんまちゃんの活動の軌跡を、地元の観光名所や人気スポットを巡る可愛らしい写真とともに振り返ります。