
都心部を中心に地価高騰が続く今、投資用の不動産は購入すべきか否か。テスタさんも気になるそのあたりの事情と投資方法を、専門家の話を交えて紹介する。
不動産投資の主なメリット
◎価格が高騰している
◎融資を受けられる
◎自身の資産になる
「すでに始めている人が多い不動産投資を、今からいろいろ調べつつ、株式投資の片手間でやるのは、やっぱりハードルが高い。ただし、ポートフォリオの一環として物件を所有しておきたいとは思っています。買うなら地方を考えていますが、現状では人口が減る一方。下げ止まりの傾向が見えたら本気で検討したいです」(テスタさん)
専門家の榊敦司さんに聞く不動産投資の実情と展望
不動産投資に手を出すべきかどうか。その判断材料として「景気」と「金利」を注視すべきだと、不動産ジャーナリストの榊さんは言う。
「2013年から始まった〝アベノミクス〟以来、日本はこの12年間『景気』のいい状態が続き、株価も安定して暴落するようなことはほぼありませんでした。そのことを背景に不動産価格は上昇を続けてきたのです。また『金利』はほぼゼロだったことから、不動産購入時において銀行からの借入金にかかる金利も低く、物件を購入しやすかったと言えます。そのような条件が重なった今の東京は、かつてのバブル期のような状況です」
高騰しすぎている首都圏の物件を購入できるのは、海外からの投資家を含めた富裕層だけ。投資初心者には手は出せない状況だ。都心部から少し離れた郊外はどうかといえば、榊氏は真っ向から「おすすめできない」と断言する。
「儲かることをほのめかす業者もいますが、たいていの場合はうまくいかないもの。おいしい話なんて、そうそう転がっているものではありません。今年1月、日銀が政策金利を現状の0.25%から0.5%程度まで、17年ぶりに引き上げることを表明しました。世界的な景気悪化の波が日本に波及しつつもあります。こうしたマイナス要因が大きくなってきた中、それでも不動産投資を始めるなら、かなり慎重を期さなければなりません。そこでまずは、自分で不動産を勉強すること。そのうえで、首都圏ほど地価が高騰していないものの、今後あがる見込みのある雪質のいい地域の物件購入がいいと考えます。『J-REIT』を活用し、不動産の現物を持たない選択肢も検討の余地アリでしょう」
〈専門家Profile〉
主に首都圏のマンション市場に関する分析・情報発信を行なう不動産ジャーナリスト。新築マンションの資産価値評価も提供している。
高額物件を購入する外国人投資家が増加
国土交通省や民間機関の調査では、2020年以降、年間4兆円とされる日本の不動産市場における外国人投資家の割合は3割超の模様。湾岸エリアのタワーマンション購入者の約3割が外国人という報告もある。
政策金利が上がるなどの懸念材料も少なくない
日銀の0.25%の追加利上げで、政策金利が0.5%に。不動産投資ローン金利の引上げも予想される。1月末時点、変動金利タイプの平均的な水準は2%前後なので、利上げ後は2%台半ばに上昇する可能性が高い。