
投資といえば、安く買い高く売る「値上がり益」を狙うイメージが強い。一方で、売買をせずとも定期的にお金を得る「配当益」もある。「まずは値上がり益を狙いましょう」とテスタさんはいう。
ゴールは「不労所得」だがその道中は「値上がり益」狙い
株式投資で「勝つ」を厳密に定義するならば「現在持っている金融資産が、投資にかけた金額をうわ回っていること」だ。そのためには様々な手法や考え方があるが、大別すれば、インカムゲイン(配当益)とキャピタルゲイン(値上がり益)の2種類だ。
インカムゲインは、預金の利息と同じく定期的な固定収入が入り、成果が目に見えやすい。が、「基本的にキャピタルゲインを狙って投資をしたほうが合理的に資産形成できます。」と、テスタさんは言う。
「株価は1年で10倍にもなりえますが、インカムゲインはたかだか年利5〜6%にしかならないからです。ただし、年齢や家庭環境的にリスクをとれない方や、投資を始めてみてうまくいかなかったという人は、インカムゲイン狙いでも構いません。それでもできれば、初心者の方でも積極的にキャピタルゲインを狙いにいってほしい。安定投資にはいつでも切り替えられますからね。『初心者だから値上がりする株なんてわからない』と思うかもしれませんが、誰しも最初は初心者です。勇気をもってチャレンジしてみてください」
値上がり益を狙う際の判断に使える4つのポイント
価格が割安かどうかの判断基準に加えて、見るべき視点が異なる。全ての基準が満たせる企業は少ないが、利回りだけに注目すると業績が悪化し、倒産懸念の企業をつかんでしまう恐れもある
【1】売上や利益が伸びているか?
業績を示す最も基本的な値。複数年度を比較し「増収増益」ならこの先も上がる可能性が高いと見るのがセオリー。
【2】配当の有無や利回りの大きさは?
配当利回りが低いと配当分が株価に反映されやすい。また配当利回りの高低は、割安さの目安としても使える。
【3】株価指標(PER・PBR)は割安水準か?
PER・PBRはともに株価が割安かを判断する指標のこと。だが、これらの値だけで判断せず、他の材料と併用したい。
【4】自己資本に対し負債が多すぎないか?
他者から借りたお金(負債)は、いずれ自分のお金(自己資本)で返済する。負債が少ないほうがよい。