みんなのお買い物ナビ @DIME

  1. TOP
  2. >コラム
  3. >現代人の睡眠を妨げる覚醒物質「オレ…

現代人の睡眠を妨げる覚醒物質「オレキシン」とは?(2015.06.22)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Q・服用すると昼間でも眠気を催したり、人工的にナルコレプシーを引き起こしたりする心配は?

A・「強烈な眠気=ナルコレプシー」のように一般では言われているが、実際のナルコレプシーは日本人では2000人に1人いるかどうかの珍しい症状で、オレキシンを分泌する神経細胞がほとんど無くなってしまうのが原因とされている。ナルコレプシーは眠気だけでなく、他にもいろいろな症状が出てくるので、眠気だけで診断するものではない。

 もともとオレキシンを分泌している人なら、ベルソムラが外れたときにオレキシンが受容体にくっつくので、ナルコレプシーのような完全にオレキシンをブロックする、ゼロに近いような状態にはならないと言われている。

 名古屋大学を含む日本の複数の研究機関と、アメリカのカリフォルニアにある研究所の共同研究で、オレキシンの神経細胞をどんどん壊して、どのくらい無くなったときにナルコレプシーの症状が出るかを調べた動物実験がある。

 95%以上オレキシン神経細胞が死滅しない限りは、ナルコレプシーの症状は出ないという結果になった。オレキシンの分泌が生まれつき悪いという場合でもない限り、ベルソムラを飲んでも一時的に85%ぐらいまでしか落ちないと言われているので、ナルコレプシーの症状はまず出ないだろうと言われている。

 ベルソムラの効果はおよそ7時間持続するように作られている。しかし日本人の睡眠時間は、文化的・社会的要因のために世界平均より短い場合が多く、普通のサラリーマンの方に飲ませると、寝起きが悪いという方もいて、人によっては朝残るという場合もある。また、他の睡眠薬の服用によって交通事故があったこともあり、ベルソムラも日中に車を運転する際には注意するようにされている。

 睡眠薬は種類により作用する場所が違う。その中でも眠りと覚醒のバランスを取る一番の中枢に作用するオレキシンに作用する薬ということでベルソムラは注目されている。これは他の睡眠薬もそうだが、中にはあまり効果が出ない人もいるし、効果が7時間でデザインされているのに、午前中はずっと眠かったという人もいるし、個人差の範囲だがそういうケースもある。

Q・“睡眠薬は怖い”というイメージを持つ人も多く、睡眠の悩みがあってもクリニックに行かない人もいるが。

A・年齢と共に眠りのバランスは崩れてきて、40歳を過ぎると男女問わず、不眠の率は上がってくる。年齢が上がると、途中で目が覚めることが多く、それは眠りを維持する脳の機能が低下してくるため。

 不眠と、不眠症というのは別物で、不眠症は病気で、不眠は症状名。本来の治療を要する不眠は、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠感欠如のいずれかがあることに加え、眠れないことによって、体の不調感や注意、集中力低下など日中に何かしらの弊害が出たときに、初めて治療を要する不眠症として扱うことになる。夜中に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めても、日中に影響がなければ治療する必要はないという考え方だ。しかし日中の活動に影響がなくても、不眠症状が辛いと感じるようなら、専門医に相談するのがいいと思う。

 日本人は世界でもずば抜けて睡眠時間が短いが、アメリカで行われた睡眠時間と健康度の調査では、一番健康的で仕事のパフォーマンスが上がる睡眠時間は、大人でも7時間ほどは必要という結果だった。減っていくほど集中力や注意力がどんどん落ちてしまい、また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まるという。

現代人の快眠を妨げる、覚醒システムの司令塔「オレキシン」とは?

 眠りは脳だけでなく体も休めるという重要な役割がある。生活習慣とか、ストレスなど眠れない条件は人によっていろいろあるので、薬だけで治すのではなく、生活を見直すということも大切になってくる。

◆快眠を得るための日常生活のポイントは?

 快眠を得るには、普段の生活でも寝る直前にはリラックスできていることが大切で、夜遅くまで脳を覚醒させ続けない生活が重要だ。

 寝る直前までスマホやタブレットでインターネットやゲームをしたり、寝酒、カフェイン、喫煙も好ましくない。人間関係や職場や家庭の悩みといった心配事もオレキシンを活性化させてしまうので、まず自身の生活習慣を見直して、それでも眠れないという症状があれば、医師に相談して処方してもらうのがベストだろう。

文/阿部 純子

<< 1 2 3 4
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
@DIMEのSNSはこちらからフォローできます
  • Facebook
  • Twitter
  • ジャンルTOPへ
  • 総合TOPへ

TOPへ

小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント広告掲載について

© Shogakukan Inc. 2018 All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。