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ワイン産地と言えば、フランス、イタリア、南米にアメリカ西海岸、そして日本。老舗、新顔いずれ劣らぬ実力と個性の揃い踏みだが、消費地として大きな市場を抱えるのがイギリスだ。
イギリスではワインの生産量が少なく、ワインは輸入ワインが一般的であるがゆえ、伝統や格式にとらわれ過ぎず、新規性に目がなく、新提案に寛容だとされる。つまり新しいワインが好き! ものはためしで飲んでみよう! な、葡萄酒共和国なのだ。
そんなイギリスから大ヒット新顔ワインの情報が届けられた。商品名は「JOY」。なんとも「らしくない」ネーミングであり、そのラベルもまた「らしくない」。
ターゲットはずばりZ世代!
「JOY」はチリのNo.1ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」社が手掛けるビギナー向けワインで、ターゲットはずばりZ世代! イギリスではZ世代のアルコール消費、わけてもワイン消費の減少が著しく、「JOY」はこのZ世代のハートを射抜く使命を帯び、英国主導で生み出されたワインなのだ。
ワインとしての特長はネーミング、ラベルの「らしからぬ」ポップさと、味わいにおける甘さとフルーティさだ。これがイギリスにおける大成功のトリガーとなった。簡潔に言えば、「JOY」はウンチクなしに楽しめる甘く香ばしく飲みやすいワイン、となる。
メルシャン輸入事業本部マーケティング戦略部マーケティングユニット長の須永和子さん。
イギリスに続く「JOY」展開国が日本だ。ここ数年で輸入ワインの価格が上昇し、それにつれワイン消費も前年割れ(95%/2024年12月累計値)している日本だが、輸入販売を手掛けるメルシャンでは「ワインのおいしい未来をつくるために市場を活性化する必要があります。そこで従来の価値観にとらわれず、ライフスタイルに合うものを選ぶ傾向が強いZ世代に焦点を当て、新製品「JOY」を展開します!」と語るのは、同社輸入事業本部でマーケティングを担う須永和子さんだ。
お酒を楽しむ文化を後世につなぐためにも、若年世代に対する「楽しいお酒やお酒のシーン」の提案は欠かせない。同社欧州事務所で「JOY」のマーケティングを担当する溝渕萌香さんは、ズバリそのZ世代だ。
メルシャン輸入事業本部欧州事務所の「JOY」担当、溝渕萌香さん。
「ワインというとラベルにシャトーのイラストがあり、筆記体で品種や産地が記される(笑)という、伝統や格式を重んじたイメージがあります。でもそれだと知識なしに選ぶことが難しく、結局敬遠してしまいます。「JOY」のラベルには「JUICY RED」「FRUITY ROSE」「BRIGHT WHITE」とあるだけで、その名の通り楽しそうなラベルだし、どんな味なのか想像しやすい。これがイギリスでZ世代に大ウケした理由だと感じます!」と溝渕さんの語り口もJOY満タンだ。
トクトクと注いで口にすれば、なるほどテロワールうんぬんとは違う、フットワークの良いワインである。甘い、香り高い、そして口の中でまとわりつかず、颯爽としている。赤ですらこうだから、白、ロゼのフレッシュネスは言わずもがな。むろんモヒート風、サングリア風とアレンジしても楽しい&美味しい。
赤をオレンジジュースで割って冷凍フルーツを添えた「サングリア風」と、白を炭酸で割ってレモンとミントを加えた「モヒート風」。
メルシャンではSNS、WEBによるアピールを中心に、店頭POPほか試飲機会の実施でニッポンのZ世代ファンをつくるべくプランを練っている。
「JOY」シリーズの発売は3月4日(火)。価格はオープン設定ながら、税抜1080円前後を想定する。
さあ「楽しいほうのお酒」を飲みたい君から「JOY」しようぜ!
〇問い合わせ
キリンホールディングス メルシャンお客様相談室(フリーダイヤル)0120-676-757
文/前田賢紀