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飲食業界の救世主となるか?農家からも期待を集める「米ストロー」

2025.03.03

このところ「ストロー」に関する報道が相次いでいる。トランプ・アメリカ大統領はSNSにてバイデン前政権が推進したプラスチック製ストローから紙製への切り替えを猛批判したうえで、「プラスチック製に戻すべきだ」と主張した。記者団を前にしても「紙ストローは飲み物が熱いときには長もちしない。ばかげた状況だ」といった旨を述べるなどバイデン氏にブチギレている。

リサイクルされないプラスチックストローが海洋に流出して汚染につながる、とアメリカから始まり世界規模の機運となった紙ストロー。しかし、ユーザーからの評判は芳しくなかった。

日本でも「飲んでいるうちに、ふにゃふにゃにヘタる」「トイレットペーパーの芯でドリンクを飲んでいるような不快感がある」と悪評高い存在だ。2020年1月より紙製のストローを提供していたスターバックスコーヒージャパンも、沖縄を皮切りに2025年1月からバイオマス由来のストローに切り替えてゆくと発表している。

紙ストローは日本では次第に役目を終えようとしているが、とはいえ元凶である海洋プラスチックごみ漂流問題を抱えたまま旧来のストローに戻るのも腑に落ちないのが正直なところだ。

そのような最中、2024年12月22日(いいニャンニャンニャン)の日に発売された「ツシマヤマネコ米ストロー」が注目を集めているのをご存知だろうか。

猫のパッケージがかわいい「米ストロー」

この米ストローは長崎県・対馬の米農家の砕けた規格外米を主原料に、あとはコーンスターチと水・天然色素のみを使った植物由来の「食べられるストロー」だ。

色は新緑・さくら・やまぶきをイメージした3色。パッケージには対馬島内に100匹程度しか生息しない絶滅危惧種「ツシマヤマネコ」の愛らしい表情がプリントされている。本体にもランダムで肉球マークのレーザー刻印が入ったラッキーストローがある遊び心もポイント。そして売り上げの1部が、環境省発表によるレッドリストにも掲載されたツシマヤマネコを保護するための寄付となる仕組みだ。

「私は猫が大好きで、東京へ行ったとき、アーティストのMISIA さんのエシカルセレクトショップでツシマヤマネコ米を見つけたんです。MISIA さん、対馬出身なんですよ。それで『猫とお米ってどんな関係?』と疑問に思い、生産している佐護ヤマネコ稲作研究所を調べてみたんです。すると、農薬を極力使用せず、除草剤も使わないという環境にやさしい農法を実施している生産者でした。そして売り上げの一部はツシマヤマネコの保全に役立てていると。その想いに感銘を受け、『市場規格からはずれた米を私どものストローの原料にさせてもらえないか』とお願いしたんです」

そう語るのは福岡県にある株式会社UPay(ユーペイ)代表取締役・上官(じょうかん)ゆいさん。UPayは精米時に発生する砕け米やくず米を買い取ってストローにアップサイクルする会社だ。2021年に日本で初めて米製ストローの商品化に成功しており、現在も100%植物由来の米ストローを製造している国内唯一の存在である。

米ストローの特徴は、しっかり硬度があって口当たりがよく、無味無臭で飲み物を最後までおいしく楽しめること。筆者も実際にドリンクを飲んでみたが、プラスチックストローのように噛むと変形する脆弱感がなく「頼もしいストロー」だと感じた。米が原料だからプラスチックの冷たさもなく、ドリンクが淀みなくストレートに昇ってきて喉越しがよい気がする。使用していて、何らストレスがない。

「簡単にはふやけません。日本食品検査による溶出検査実施済みで、液体に沈んでいる部分でさえ1時間は形状が変わらないんです」

小麦と違ってグルテンフリー・アレルゲンフリーの米ストロー。使用後はコンポストでも土壌でも約30日で微生物により分解され、たとえ海洋に流出しても自然に還るのみ。なによりこれまで廃棄されてきた米を原料とすることでフードロスにつながり、生産者の応援もできる、なかなかの優れものだ。

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