コスト削減が見られるスペックもあるが……
そのほか、POCO X7 Proは指紋、顔のどちらでも利用できる生体認証や、ドルビーアトモスに対応したデュアルスピーカーの搭載、IP68の防水防塵性能も有するなど、細かい部分ではあるが、使い勝手をよくするスペックもしっかりと有する。
一方、アウトカメラは5000万画素のメイン、800万画素の超広角の2眼構成となっており、近年のスマホとして、極端に特徴があるとはいえない。ただし、低遅延の撮影ができるUltraSnapや、1ショットあたり50フレームの撮影ができるBurst Shot Mode、4K60fpsの動画撮影など、撮影体験を豊かにする機能は搭載されている。
とがったカメラではないものの、スマホにおけるカメラ機能は年々進化しており、エントリークラスからミドルレンジクラスの端末においても、性能の底上げが見られる。特別なこだわりがなければ、実用的なクラスのカメラとなっているので、カメラ機能の強化よりも、コストが下がったほうが嬉しいという人にぴったりといえる。
もう1点注意しておきたいのが、FeliCa非搭載のため、おサイフケータイ機能に非対応という点。各社のQR決済アプリは利用できるが、モバイルSuicaといった機能は利用できないので、おサイフケータイ機能が必須という人には不向きといえる。
とはいえ、処理性能やディスプレイ性能の高さと、価格のバランスという点においては、目を見張るものがある。スマホの使い方を鑑みると、POCO X7 Proがぴったりという人もいるはずだ。オンライン販売のみであるため、購入ハードルは若干上がるが、一定のニーズを満たす、ユニークな端末に仕上がっている。
取材・文/佐藤文彦