投資の新制度などが整ってきたことで、日本でも投資機運が高まってきた。しかしそれでも頑ななまでに「銀行に預金するだけ」の人も多いだろう。そんな人は以下の様々な理由を読み、投資の行動を起こそう!
【理由1】預金しているお金の価値がどんどん下がっているから
「お金は銀行に預金する──そう教育を受けた僕ら世代では、投資に対してどうしても躊躇する人が多いかも。しかしこれからは、円の価値がさらに下がり、手元においておけば、どんどん価値が下がります」(テスタさん)。日本銀行は物価上昇(インフレ)率の目標を2%とし、2024年は実際にインフレ率が前年比で2%程度となった。この数値は、言い換えると円の価値が2%ほど下がったともいえる。政府が円の価値を下げようとしているのに、預金金利は2%より全然低い。「そのため、インフレ率以上のリターンが期待できる金融商品や外貨に投資するのが賢明です。短期的には価格が上下して含み損になることもありますが、適切にポートフォリオを作って投資すれば、資産減少のリスクを低減できます」(テスタさん)
お金の価値が30年後には半分以下に!?
【理由2】NISAのような金融の勉強をしやすい制度ができたから
日本政府は「貯蓄から投資へ」と目標を掲げ、2024年からNISAの投資枠が拡大。NISA口座数は2322万8000口座まで増加している。金融機関はそのお金を取り込もうと、様々なコンテンツを提供している。「今はお金について学びやすい、いい時代になりました。まずは積み立て投資から学びはじめ、複利の仕組みやNISA制度の中身などを理解すれば、実際に投資する株式や投資信託ともうまく向き合えると思います」(テスタさん)
投資への関心が高まったことで口座数が増化!
「米国の防衛強化」「日米金利差の縮少」「AI産業の成長」トランプ2.0時代突入で何が変わる?
2025年に注目すべき3つのポイント
米トランプ大統領就任を筆頭に、日米の政治・経済・金融環境が転換点を迎えた今、投資マネーの潮目が変わった。価格上昇の初動を狙える今こそが、投資を始めるチャンスだ。確実につかみ取るためには、投資家の判断材料となるテーマをしっかり理解したい。ここでは、特にDIMEが重要だと考える3つのテーマを取り上げよう。
トランプ新政権が防衛産業企業への投資を増やしそう!
トランプ政権では国務長官に対中強硬派の人物、国防副長官には防衛産業に多額の資金を投じるファンドの共同創業者を任命。対中国リスクの排除に向け、米国の防衛力強化に動く模様。この動きが西側諸国に波及すれば世界的に「防衛産業」が一大投資テーマになるだろう。日本の防衛費が約5.4兆円(2022年度)から約11兆円(2027年度)と倍増する点も見逃せない。
〝分断の時代〟に防衛産業が活性化する!
半導体市場がさらに拡大!AI関連事業の好調が続きそう!
世界半導体市場統計は、2025年の半導体グローバル市場は前年比約11%増の6970億米ドル(約1兆800億円)と予測。AI関連では、AI機能を組み込んだ機器の需要拡大などがその契機と見ている。なお投資家は、AI関連の需要で波に乗るNVIDIAの次に来る企業を探すのに躍起。量子コンピューターの研究開発などを行なうリジェッティやグーグルなどの企業を物色しているようだ。
半導体や量子関連の成長は期待大
今後は日米の金利差が縮まり円高傾向になる可能性がある!
日銀が2024年7月に政策金利の利上げを決定した。同31日に発表した金融市場調節方針で「引き続き政策金利を引き上げる」と表明し、金利の利上げの局面入りに。一方、米国は2022年3月からの利上げを止め、2024年9月に利下げを始めた。この先は、日米の金利差は縮小傾向になりそう。通貨は金利が高いほど価格が上がりやすいので2025年は円高・ドル安に向かいやすくなった。
輸入企業にとって円高はプラス材料
取材・文/久我吉史 編集/田尻健二郎