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「泣き虫・森井」からJ1に初昇格したファジアーノ岡山の社長へ!42歳の経営者はJで新風を巻き起こすことができるか?

2025.02.26

法人営業から広報・ホームタウン畑を歩み、40歳でクラブ3代目社長に

 そして2018年に木村さんがJリーグ専務理事に転身。北川さんが2代目社長を引き受ける傍らで、森井さんは広報・イベント部長に就任。コロナ禍の2021年には地域コミュニケーション推進部部長、2022年に執行役員・事業部長と階段を駆け上がり、ついには社長という大役を担うことになったのである。

「2023年末に話を引き受けた時は40歳。Jクラブ全体を見れば若い方かもしれませんが、木村さんも北川も30代後半で社長になっていた。ドイツ代表のユリアン・ナーゲルスマン監督は36歳で大役に就いた。あれほどの重圧のかかる仕事をその若さでやるんだから、年齢は言い訳にはできないと思いました。

 ただ、社員時代の自分がああいう人間だったので、あまり自信がなかったのが本音。実は最初は断ったんです。家族も心配していましたしね。でも覚悟を決めてやるしかないと思った。北川も会長になって近くでアドバイスしてくれるという環境でしたし、フォローしてもらいながらスタートしましたね」

 その2024年は岡山にとっても勝負の年だった。2022年にJ2・3位となり、2度目のプレーオフに進出するも、昇格を逃したこともあり、「今年は絶対に上がる」とクラブ全体が一丸となっていた。

「2023年に就任した服部健二GMを中心としたフットボール本部と現場の取り組みは確実に芽が出つつありました。ただ、近年は終盤失速する傾向があったので、2024年の夏はお金をかけて選手を補強するなどし、尻上がりに良くなっていくように仕向けようとしました。実際、木山隆之監督と選手たちの頑張りもあって、リーグ終盤はいわきFC戦から4戦無敗で4位に入り、プレーオフに進出。最後はモンテディオ山形、仙台に勝って昇格できました。

 ただ、私自身は、10月のいわき戦前に『プレーオフに行くのはそんなに簡単なことじゃない』という強い危機感を抱いていました。クラブとして過去に2度、プレーオフに参戦していたので『そこまではある程度、簡単に行けるだろう』という楽観ムードが岡山の街からも感じられたので、もっと機運を高めるべきだと思ったんです。

 社員たちの中からも強く声が上がり、次の横浜FC戦後にHPで『ファジアーノ岡山をJ1クラブにする』という声明を私の名前で出させていただきました。より多くの方に応援に参加してもらいたいという強い思いがあって、そういうアクションを起こしたんです」と森井社長は熱い胸の内を吐露する。

2024年12月7日の昇格決定は森井社長にとっても忘れられない日になった

「私は不器用かもしれないけど、約束したことを愚直にやり続けられる」

 それが結実し、就任1年でのJ1参戦という大きな成果を手にしたわけだが、本当の戦いはここから。初昇格の地方クラブが最高峰リーグに残留し、定着していくのは至難の業。過去にも挫折を味わったクラブが複数ある。今季の岡山は6500枚のシーズンチケットが瞬く間に完売し、15日の開幕・京都サンガ戦も1万4575人が集結。本拠地が超満員に膨れ上がった。しかもスポンサー企業もご祝儀的な金額の上乗せがあり、今季予算は史上売上の31億円に達しそうな勢いだという。

「ここまで赤字で勝負してきたので、経営を安定させないといけないのは確かです。J1に居続けるためには収入を伸ばし、より多くの人件費を現場に投じることができるようにならないといけない。岡山県出身の子供たちを育ててトップに引き上げていくことにも努めないといけないですし、やるべきことは山積しています。

 私は木村さんや北川のようなカリスマ性のある社長ではないですが、誠実であることだけは約束できる。若い頃、木村さんに『お前の武器は何だ』と問いかけられていましたが、私の場合は不器用かもしれないけど、約束したことを愚直にやり続けることはできる。その姿勢を貫き、岡山のJ1定着のためにまずは今季、必死に頑張っていきます」

 15日の開幕戦は2-0でいきなり勝利。岡山は凄まじい勢いを見せており、昨季の町田ゼルビアのような“台風の目”にならないとも限らない。ここからの戦いとクラブ、そして森井社長の進化を興味深く見守っていきたいものである。

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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