
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(以下NTTコム オンライン)は、「NPSベンチマーク調査2024クレジットカード部門」を実施。NPSおすすめランキングなど、その結果をグラフにまとめて発表した。
同社では、業界全体に関してポイントやマイルの貯まりやすさ・還元率や利用手続きのしやすさ、また企業への信頼性や、利用時の安心感・セキュリティの充実といったクレジットカードブランドへの信頼感がロイヤルティの醸成要因となった、と分析している。
クレジットカードのNPSおすすめランキング1位は楽天カード
対象のクレジットカード18社のうち、NPSトップは楽天カード(-19.2ポイント)となった。2位はアメリカン・エキスプレス・カード(-21.0ポイント)、3位にはJALカード(-28.0ポイント)が続いている。18社の平均は-40.0ポイント、トップとボトムの差は38.5ポイントだった。
■業界全体ではポイントやマイルの貯まりやすさ、クレジットカードブランドへの信頼がロイヤルティを醸成
クレジットカード業界全体のロイヤルティを醸成する要素を20の項目で分析したところ、「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」や「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」といったポイントやマイルに関連する項目となった。
これ以外では「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「企業への信頼性」、「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」といった企業やクレジットカードブランドの信頼に関連した項目のほか、「マイページなどの会員専用ページの分かりやすさ・使いやすさ」、「会員向け公式アプリの分かりやすさ・使いやすさ」といった会員向けの専用ページや公式アプリの使いやすさに関連した項目が上がっている。
クレジットカード業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)
一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては、「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」、「店舗での商品やサービスの割引、追加ポイント・マイル付与などの特典の充実度」といった項目となった。
また、「Webサイトの分かりやすさ・使いやすさ」や「会員専用ページや公式アプリ、メルマガ、会報誌などのコミュニケーションの充実度」も今後の改善が期待される結果が得られた。
NPS1位となった楽天カードでは、業界全体のロイヤルティ醸成要因ともなった「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」や「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」といった項目が評価され、楽天ポイントがロイヤルティ醸成に寄与する結果となっている。
2位のアメリカン・エキスプレス・カードは「お客さまに寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「利用時の安心感・セキュリティの充実」、また「旅行保険や空港ラウンジの利用など付帯サービスの魅力・充実度」、3位のJALカードは「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」や「店舗での商品やサービスの割引、追加ポイント・マイル付与などの特典の充実度」といった項目がロイヤルティ醸成要因となり、それぞれNPS上位にランクされた。
■クレジットカードの不正利用の被害から守られている実感があるほどロイヤルティも高くなる
クレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象
近年、フィッシング詐欺や詐欺サイトでのショッピングなどをきっかけとしたクレジットカードの不正利用の被害が増加している。このことを背景に、該当のクレジットカード会社が、不正利用などの被害から守ってくれていると感じられるか調査をしたところ、肯定的な回答(「とてもそう感じる」または「ややそう感じる」)した利用者は46.3%となり、否定的な回答(「全くそう感じない」または「あまりそう感じない」)した利用者に比べて多くなった。
クレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象別NPS
また、このクレジットカード会社の不正利用への対策に対する印象別にNPSを分析したところ、肯定的な回答をした利用者のNPSは-14.9ポイントとなり、否定的な回答、また「どちらでもない」と回答した利用者に比較して高くなっている。ク
レジットカード会社が利用者を不正利用の被害から守る取り組みを進めていくことが、ロイヤルティ醸成にもつながることが示唆される結果と言えるだろう。
クレジットカード会社においては、不正利用を防ぐためのモニタリングや本人認証サービス(EMV 3Dセキュア)の導入、業界全体での不正疑いのある情報の共有などの取り組みのほか、利用者に対して不正利用から身を守るための啓発などの取り組みを行っている。
クレジットカードの不正利用から身を守るために取り組んでいる対策
そこで、クレジットカードの利用において、不正利用から身を守るために利用者自身が取り組んでいる対策について調査したところ、最も高くなったのは「クレジットカードの利用明細を定期的に確認するようにする」(62.7%)となり、ついで「不審なWebサイトにアクセスしない」(43.4%)、「不審なメールや添付ファイル、SMSは開かない」(40.1%)が続いた。
タッチ決済機能によりクレジットカード利用シーンが増え、利用金額も増加
タッチ決済機能を利用し始めてからのクレジットカードの利用頻度・決済回数の変化
クレジットカードのタッチ決済の利用状況を調査したところ、全体の26.2%が利用している結果となった(GooglePayやApplePayなどのスマホによるタッチ決済で連携して利用している人含む)。
これらタッチ決済を利用している人に、タッチ決済を利用し始めたことで、対象のクレジットカード利用頻度や決済回数に変化があったか調査したところ、26.4%が「利用頻度が増えた」または「利用頻度が比較的増えた」と回答した。
また、タッチ決済利用有無別に、3~5年前と比べてクレジットカードの利用頻度が増えたシーンを調査したところ、タッチ決済利用者はタッチ決済非利用者と比べて、いずれのシーンにおいても利用シーンが増えたと回答した割合が高くなった。
タッチ決済利用有無別にみた、クレジットカード利用頻度が増えたシーン
その中でも、最も差分が大きくなったのは「食料品店・スーパーマーケット」となり、次いで「コンビニエンスストア」、「飲食店(レストラン、居酒屋、カフェ)」といったシーンが並んでいる。
さらにタッチ決済利用有無別に、該当するクレジットカードの1か月あたりの利用金額を分析したところ、タッチ決済利用者の利用金額は約8.7万円となり、タッチ決済非利用者に比較して1.8倍高くなった。
タッチ決済機能利用有無別に見た、1か月あたりのクレジットカードの利用金額
現状ではクレジットカードのタッチ決済利用者は3割弱にとどまるものの、スーパーやコンビニエンスストアなどの日常の買い物シーンにおけるクレジットカード利用が増え、クレジットカードの利用金額も増加していることが推察できる。
■推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高くなる
推奨セグメント別継続利用意向
対象のクレジットカードの利用に対し、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.2ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となった。
<クレジットカード部門調査概要>
調査対象企業(アルファベット順、50音順)/Amazonマスターカード、ANAカード、au PAYカード(旧au WALLETクレジットカード)、dカード、JALカード、JCBカード、JREカード/ビューカード、PayPayカード(旧Yahoo! Japanカード)、アメリカン・エキスプレス・カード、イオンカード、エポスカード、オリコカード、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード、セゾンカード、セブンカード、三井住友カード、三菱UFJニコスカード、楽天カード
調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち、上記クレジットカードの利用者
調査方法/NTTコム リサーチ*による非公開型インターネットアンケート
調査期間/2025年1月20日~ 2025年1月22日
有効回答者数/8470名
回答者の属性/
【性別】男性:59.2%、女性:40.8%
【年代】30代以下:18.9%、40代:18.3%、50代:22.4%、60代以上:40.4%
※NPSの値は小数点第 2 位を四捨五入しており、同値の場合、ランキングで同順位としている
<NPSとは>
NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを測る指標のこと。欧米では公開企業の3分の1がNPSを使用しているといわれ、日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として、NPSを活用する企業が増えてきている。
構成/清水眞希