いつのまにか増えてきた「070」から始まる携帯電話番号の正体

070から始まる携帯電話番号から着信があった経験はないだろうか。080や090と比較するとまだ一般的ではないため、「知らない番号だけど出るべきだろうか？」「営業や勧誘の電話では？」などと不信感を抱く人もいるかもしれない。

そこで本記事では、070から始まる携帯電話番号の概要や提供しているキャリア、迷惑電話の可能性などを詳しく解説する。着信があったときの適切な対処方法についての解説も、ぜひ参考にしてほしい。

070から始まる携帯電話番号とは

はじめに、070から始まる携帯電話番号の概要や、利用状況といった基礎知識を解説する。

結論から言うと、070の携帯電話番号はもともとPHS専用で使用されていた番号だ。PHSとは「Personal Handy-phone System」の略で簡易型携帯電話を指す。携帯電話と比べて手頃な料金で使えることから、以前は多くの会社で採用されていた。

■070で始まる番号を提供している携帯キャリア

現在、070は一般的な携帯電話番号の一つとして利用されている。馴染みのある「090」や「080」の番号と同様に、NTTドコモ、KDDI（au）、ソフトバンクおよびMVNO（格安SIM事業者）など、さまざまなキャリアで提供されている。

■いつから使用されている？現在の利用状況

070から始まる携帯電話番号が各携帯キャリアで使われるようになったのは、2013年11月。それまでは090や080が中心だったが、携帯電話の急速な契約数増加に伴い、070の電話番号も携帯電話に使用されるようになった。そして、PHSでの利用と並行して、各キャリアで携帯電話への番号の割り当てが始まった。

現在、PHSはサービスが終了しているため、070の番号はすべて携帯電話の番号になっている。070から始まる番号は一般の携帯電話・スマートフォンユーザーの電話番号として利用されているため、決して珍しい番号ではない。

070の携帯電話番号はどこから？怪しい？

電話が来ると警戒されがちな、070の携帯電話番号。実際は多くのキャリアで一般利用されているが、怪しいと感じる人も多いだろう。

ここでは、070から始まる携帯電話番号は怪しくないか、信頼できる番号であるかを見ていこう。

■営業や勧誘に使用される場合が多い

070から始まる番号は、個人・企業の携帯電話に関係なく割り当てられているが、営業の電話や勧誘業者の連絡先としても利用されている。もともと低コストが強みだったPHSを利用していた悪質業者が070の番号を使って、大量の顧客へ営業の電話をかけていたケースも多い。

そのような類の着信を経験した人も多いせいか、「070＝悪質な業者」のイメージが広がっている。特に、最近では格安SIMを利用した企業が新規顧客への連絡に使用するケースが増え、070から始まる知らない番号からの着信が増えていると感じる人もいるだろう。

■迷惑電話の場合もある

070から始まる携帯電話番号は、迷惑電話や詐欺に悪用されることがあるのも事実だ。例えば、架空請求やフィッシング詐欺の電話が070の番号からかかってくるケースも考えられる。万が一の場合に備えて、見覚えのない070の番号からの着信には普段から注意しておきたい。

ただ、迷惑電話は070に限らず、080や090から始まる番号から着信があることも十分に考えられる。他の2つの番号と比べてまだ新しく、数も少ないため不審に思われがちなのが現状だ。

どんな番号であっても怪しいと感じた場合は、その場で応答せず、無理に折り返す前に着信番号を一度調べることをおすすめする。

070で始まる番号から電話がかかってきたら？

ここからは、070の番号から着信があったときの対処方法を紹介する。どう対応すれば良いか迷った場合は、以下を参考にしてほしい。

■電話番号を検索する

心当たりのない070の番号から着信があった場合、無理してその場で応答する必要はない。着信が完了してから、該当する番号の知り合いがいないか、連絡帳などで確認しよう。

その他に、インターネットで電話番号を入力して検索する方法もある。電話番号を開示している企業やお店であれば、ホームページなどから発信相手の情報が見つかるだろう。

現在は迷惑電話情報を共有するサイトや、携帯キャリアの公式ページなどで誰でもすぐに情報を確認できる。悪質な勧誘や迷惑電話を繰り返している業者の場合は、サイトに口コミが書かれている可能性もある。できる手段で発信元を調べてから、対応を決めよう。

■迷惑電話と判断したら着信拒否設定をする

かかってきた番号が迷惑電話や営業の電話だと判明した場合は、スマートフォンの設定から着信拒否設定を行うと同じ番号からの再着信を防げる。AndroidやiPhoneなどほとんどの携帯電話の通話設定では、特定の番号をブロックする機能があり、不要な着信を防ぐのに効果的だ。

また、利用している携帯キャリアが迷惑電話対策サービスを提供しているのであれば、活用するのも有効な手段だ。

■非通知設定にしてかけ直す

上記の方法で調べても発信元がわからず、それでもどこからかかってきたのか知りたい場合は、自分の携帯電話番号を非通知設定にして電話をかけ直す方法もある。

非通知にして発信したいときは、相手の電話番号を入力する前に「184」を付けて発信しよう。この方法で、相手に自分の携帯電話番号を知られずに電話をかけることができる。

非通知設定でかけ直すことで、相手が応答するかどうかを確認し、不要な営業や勧誘の電話であれば着信拒否設定などの対策が可能だ。こちらの情報を守るためにも、必ず相手の応答を確認し、必要であればその後に名乗るなどの対応を判断しよう。

070の携帯電話番号には適切に対応しよう

070から始まる番号は、もともとPHSで使用されていたもので、現在では一般的な携帯電話として広く利用されている。しかし、個人の利用だけではなく営業や勧誘、迷惑電話に使われている場合もある。

見知らぬ070の番号から着信があった際には、まず番号を検索し、不審な電話であれば着信拒否や非通知での折り返しといった対応が効果的だ。本記事を参考に、070の携帯電話番号を理解して適切な対応を取ろう。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文／編集部