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日本は一般的に、ハグやキスなどの直接的な愛情表現をする人が諸外国に比べて少ないとされている。しかし都道府県別で見比べて相対化した場合、積極的にスキンシップを取る人が比較的多い地域も存在するのではないだろうか?
オンライン語学学習プラットフォーム・Preplyはこのほど、日本在住者1370名を対象に「日本で最も愛情深い都市」に関する実態調査を実施し、その結果を発表した。
最も愛情深い都市トップは「那覇」
日本で最も愛情深い都市は那覇(28.8%)という結果になり、続いて岡山(25.6%)、浜松(23.7%)が2位と3位にランクインした。
トップ3の結果には、気候が影響している可能性もある。那覇と浜松は年間を通じて比較的温暖であることから、人々がリラックスしやすいのかもしれない。また、岡山も「晴れの国」として知られ、陽気な気候がポジティブな感情を育みやすい可能性がある。
特にトップの那覇は、沖縄独自の「ユイマール(助け合いの精神)」が根付いていて、家族やパートナー、友人同士の結びつきが強い文化がある。冠婚葬祭などの場面でも、多くの人が関わり合いながら助け合う風習があり、自然と愛情表現が豊かになるのではないだろうか。
総合的にはこの結果となったが、この調査ではハグやキスを能動的にしている「愛情を注ぐ」側と、ハグやキスをされるのが好きという「与えられる」側という両側面から調査を行った。次は、それぞれのランキングを見ていく。
最も愛情を注いでいる都市は「岡山」
「ハグやキスをする」「愛の言葉を口にする」「褒め言葉を贈る」など、愛情を「注ぐ」行動を取る人が多い都市を調査した結果、以下のランキングとなった。
「愛情を注ぐ」という側面では、総合2位の岡山が1位の那覇を抜いてトップとなった。岡山は「他人に愛情を示す」や、「周りに小さな子供がいる時に一緒に遊ぶ」などの項目において割合が高く、見ず知らずの人に対しても優しい行動をしていることが多いため、与える側として1位に輝いた。
愛情の表現の仕方はたくさんあるが、中でもオーソドックスなのは「言葉で伝えること」と「ハグなどの身体的なもの」だ。次は、それらの項目のランキングをみていく。
最も愛の言葉を伝えているのは「東京」
愛の言葉を口にする人が最も多いのは東京であることが判明した。東京の人は他県からするとクールでドライなイメージをもたれることが多いが、パートナーや近しい人に対しては積極的に愛情表現をしているようだ。
最もハグを積極的にしているのは「熊本」
また、ハグをする人が最も多い都市は熊本であることがわかった。熊本県民は「情熱的で人情深い」と言われることが多く、おおらかで人懐っこい文化を持つことが関係しているかもしれない。また、人気ゆるキャラの「くまモン」が積極的にハグをするキャラであることも関係しているかもしれない。
最も他者から愛情を与えられるのが好きな都市は「那覇」
次に、「一日中ハグやキスをされるのが好き」「言葉で愛情や感謝の気持ちを伝えられるのが好き」などの項目から、最も愛情を与えられるのが好きな都市を調査した。
1位は「愛情深い都市」でトップにもなった那覇となった。2位との差が大きく、那覇の人々は愛情を感じる行動をされるのが非常に好きであることがわかる。
沖縄の温暖な気候は、一般的に人々をリラックスさせ、開放的な気分にさせる要因となる。寒冷地に比べて、日常的に外で活動する機会が多いため、他人と触れ合う場面も増え、愛情表現が自然と行われやすくなると言える。他者との繋がりを大事にする傾向も強いため、その点も「愛情を感じる行動や表現を受け取ることが好き」という、今回の結果に繋がっているのかもしれない。
最も愛情深い都市、ワースト1は「仙台」
愛情深い都市のワースト1位は仙台となった。ハグやキス、もしくは愛情を込めた言葉のコミュニケーションをあまり行っていないようだ。
特に金沢や仙台は、比較的落ち着いた文化や伝統を持つ地域であり、感情表現が控えめな傾向にある可能性がある。また、歴史的に武家文化や商人文化が色濃く残る地域でもあり、格式や礼儀を重んじる風潮が強い。そのため、オープンに愛情表現をすることよりも、奥ゆかしさや間接的な表現が好まれるのかもしれない。
また埼玉や横浜は、東京のベッドタウンとしての側面が強く、住民の多くが日常的に首都圏へ通勤・通学している。このようなライフスタイルでは、他者と深い関係を築く機会が相対的に少なくなってしまう可能性が考えられる。
<調査概要>
調査期間:2024年11月20日~2024年12月13日
サンプル数:1370
調査対象者:日本在住者
調査方法:インターネット調査
出典:オンライン英会話レッスン Preply(プレプリー)調べ
構成/こじへい