コミュニケーションに“場所”を融合した「whoo」
一方、中高生の間では「自分の位置情報を友達と常時共有したい」という需要が根強くある。
かつて、『Zenly』というアプリがあった。これは位置情報メッセンジャーアプリの先駆けのようなもので、日本でも人気があった。しかし、2023年にサービスを終了している。今はそれに代わり、『whoo』というアプリが人気を集めているようだ。
お互いの位置情報を共有しながら気軽なコミュニケーションを実施できることが売りのwhoo、運営会社の株式会社LinQ(本社は東京世田谷区)が今年1月15日にPR TIMESで配信したプレスリリースによると、何と世界累計ダウンロード数が1,500万件を突破しているという。しかも、そのうちの45%が中高生とのこと。
位置情報が相手に知られるアプリのため、共有する相手選びには注意が必要だ。しかし、今日の中高生は生まれた時からモバイル機器に触れ、SNSやメッセンジャーアプリの注意点を物心ついた頃から自然と学んでいる。ネット上での誹謗中傷を行うのは若者よりも高齢者が多いと言われているが、それと同じでアプリの使い方に関しては子供は大人よりも要点を知っているのだ。
whooは、あくまでも「狭いコミュニティ」で繋がる際に活用するものだと彼らは知っている。現実世界の気の知れた友達に対しては、自分の位置情報を教えたほうが何かと便利なのだ。
送りたい人にだけリアルを共有する「TapNow」
最後は『TapNow』について解説していきたい。
スマートフォンには「ウィジェット機能」というものがある。スマホのホーム画面にアプリの一機能を表示する機能で、通常は天気予報や時刻、音楽アプリの操作ボタンなどがここにモニタリングされる。
TapNowは、このウィジェット機能に友達が投稿した写真を表示する仕組みを開発したのだ。
アプリを開かずとも、気の知れた友達がどんな写真を送ったのかチェックすることができる。それは、天気予報をチェックするのとほぼ同じ感覚と言うべきかもしれない。
友達検索はスマホの連絡帳との紐付けやユーザー名入力で行えるが、Instagramのように「友達の友達」を次々と紹介してくる機能はない。実際に面識のある友達、パートナー、家族とのやり取りを強く想定しているアプリと言えよう。それらを鑑みると、TapNowも「狭いコミュニティ」に特化したアプリと見なすことができる。
パンデミック以後の「概念の修正」
これらのアプリを観察して分かるのは、我々人類はCOVID-19のパンデミックをきっかけに「オンライン上での人付き合い」に関する概念を修正するに至ったということである。
パンデミック以前は、自分のやっていることを世界中に発信し、一人でも多くの人がそれに気づくことが肝要という考えが支配的だった。が、パンデミックを経てから「自分にとって本当に大切なのは誰か?」「本当の自分はこんな姿ではないか?」ということを我々は熟考するようになったのではないか。
2025年は、このようなSNSやメッセンジャーアプリが従来の大手アプリを凌駕するかもしれない。
文/澤田真一
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