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あなたの資産は大丈夫?行員の貸金庫窃盗事件で注目を集める「非銀行系貸金庫」という選択肢

2025.02.26

三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件は、何が衝撃だったのか。

歴史ある都市銀行の行員が、顧客の財産を守るどころか懐に入れていた。顧客は自分の資産を盗難や災害から守るために貸金庫を利用しているのだ。その貸金庫を管理している人物が資産を盗んでいるとしたら、一体誰を頼ればいいのか……という話になる。

あの三菱UFJ銀行がこの始末なのだから、他の銀行も実は似たり寄ったりなのではないか? 顧客がそう思ってしまうのも無理はないだろう。

そこで、「非銀行系貸金庫サービス」を利用するという選択肢が浮上する。

良い意味でハードルの低い「住友倉庫」の貸金庫

これはあまり広く知られていることではないかもしれないが、銀行ではない企業が貴金属の預入にも対応する貸金庫サービスを広く展開している。

ざっと調べてみると、これらは良い意味で「ハードルが低い」ことが分かる。

まずは住友倉庫の貸金庫サービスを見てみよう。いきなり「住友倉庫」と言われると、これはよほどの資産家しか利用できないのではと思われがちだが、実はそうでもない。何と、月額換算1,430円からの料金で利用できるのだ。

住友倉庫公式サイトより

これは「手動型貸金庫」の「1種」と呼ばれる種類の貸金庫で、サイズは6.3×24.6×53.8cm。さすがに大きな金のインゴットは無理かもしれないが、装飾品や権利書、遺言書を入れるには最適ではないか。

実はこの貸金庫はかなりの人気らしく、住友倉庫の公式サイトにはこのような説明が。

「全自動型貸金庫(Aタイプ・Cタイプ)と手動型貸金庫(1~4種)はご好評につき、最新の空き状況はお問い合わせください」

現時点では、「全自動型貸金庫(Bタイプ)は比較的空きに余裕がございます」とのこと。この「全自動型貸金庫」とは、貸金庫室への入退室、金庫の出し入れなどが完全非対面になっているサービス。空きがあるというBタイプは、月額換算2,640円で利用できる。

虹彩認証を導入した三菱倉庫の貸金庫

次に説明するのは、三菱倉庫の貸金庫サービスである。

こちらは東京と神戸の2拠点で展開しているサービスで、東京トランクルームは年額3万9,600円、月額換算3,300円からの料金で利用できる。サイズは最も小さいものでは幅30cm×奥行60cm×高さ18cm。上述の住友倉庫の最小型金庫よりはかなり大振りである。逆に言えば、住友倉庫の貸金庫はそれだけ気軽に利用できるサイズということだ。

さて、貸金庫といえば「鍵」である。古典的な貸金庫は、顧客の持っている鍵と管理スタッフの持っている鍵を同時に差し込むタイプ。だが、このあたりにも時代の波が押し寄せているようだ。

ちなみに、株式会社セフティボックスの貸金庫サービスでは、金庫自体に暗証番号式ロックを設けている他、フロアの入室に虹彩認証式及び顔認証式ロックも施している。これはもちろん、第三者が契約者に成りすましてフロアに入られないようにするためだ。こうした最先端テクノロジーを導入している非銀行系貸金庫サービスも存在するのだ。

365日利用可能な国立倉庫の貸金庫

国立倉庫公式サイトより

最後は国立倉庫の貸金庫サービスについて解説しよう。これは「こくりつ」ではなく「くにたち」と読む。国立倉庫株式会社という民間企業である。

こちらは金融機関と同じタイプの貸金庫を、審査なしで利用できるということをセールスポイントにしている。また、8:30~22:00の間であれば365日利用可能という特徴も有している。これを可能にするのは、非接触型カードと暗証番号による認証システムだ。さらに、ITVカメラで常時監視を行い、異常発生時は即座に警備会社へ通報する仕組みを整えている。

それだけの管理を施しつつも、年間契約料はかなり安く設定されている。最安料金は何と1万3,200円。月額換算で1,100円だ。貸金庫とは、これほど手軽に利用できるものだったのかと驚かずにはいられない。

窃盗事件がテクノロジーの大進化につながる?

ここまで挙げた貸金庫サービスの中で、どれが一番信用に足るのか……という質問に関しては筆者は答えることができない。

筆者自身も顧客である三菱UFJ銀行であのようなことが起きたとなれば、やはりこの地球上に「絶対」というものは存在しないと感じざるを得ない。それだけ三菱UFJ銀行元行員による窃盗事件は、日本の金融業界に大激震をもたらしたということでもある。

したがって、ここは「絶対に安全なサービス」を無理やり見出すのではなく「より使い勝手の良いサービス」を探したほうがいいのではないかとも思う。

貸金庫にも近代化の風が訪れ、昔ながらの錠と鍵が非接触型カードや虹彩認証デバイスに様変わりしている。これらのテクノロジーにサービス提供各社が力を入れた結果、都市銀行の貸金庫をも凌駕する利便性・防犯性を獲得するに至っているようだ。

あってはならないはずの事件が、結果として非銀行系の貸金庫サービスが注目されるきっかけになる。人間が起こすあらゆるコトには、必ずプラス面とマイナス面の両方が含まれる。事故や事件がテクノロジーを進化させているという側面はあるはずで、そうしたことが今後貸金庫サービスにも一大現象として現れるのではないか。

ともかく、非銀行系の貸金庫サービスは今後注目の分野である。

【参考】
住友倉庫
三菱倉庫
セフティボックス
国立倉庫

文/澤田真一

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