
本記事では、タイミーで働く際の確定申告について、必要となるケースや、手順、注意点などを解説する。スムーズに手続きを進めるために、ぜひ参考にしてほしい。
目次
副業やちょっとした隙間時間に働けるタイミーは、手軽に収入を得られる便利なサービスだ。しかし、タイミーで得た収入も、他の収入と同様に税金がかかる場合がある。確定申告が必要かどうか、判断に迷う人もいるだろう。
本記事では、タイミーで確定申告が必要となるケース、確定申告の手順、注意点などについて解説する。
確定申告の必要性は雇用形態と収入で判断!
タイミーのような単発バイトをした場合、雇用形態(業務委託・直接雇用)と収入によって、確定申告の必要性が異なる。ここでは、それぞれの場合で確定申告が必要となるケースについて説明する。
なお、タイミーでは2022年3月をもって業務委託契約での求人の掲載は終了している(※最新の情報が異なる可能性もあるため公式サイトをチェックしてほしい)。現在は雇用契約の場合のみあてはまるが、過去のケースや、他の単発バイトにも当てはまる可能性があり、押さえておいて損はないだろう。
■雇用契約の場合
単発バイトで得た給与は給与所得とされ、基本的には、1年間の収入が103万円を超えると所得税がかかり、確定申告が必要。そのため、年収103万円以下であれば原則として申告は不要となる。以下で必要となる場合を見ていこう。
・源泉徴収されていない人
タイミーで単発バイトをしている場合、日給が9,300円未満であれば、原則として源泉徴収は不要とされている。しかし、勤務状況や雇用主によって異なるケースもあるため、給与明細で確認することが重要だ。
もし、年収が103万円を超えていて、給料明細を見ても源泉徴収されていないのであれば、確定申告をして所得税を納める必要がある。
・複数の勤務先から源泉徴収されている人
タイミーで働く人が確定申告をする必要があるケースとして、複数のアルバイト先で働いていて、それぞれから源泉徴収されている場合が考えられる。
例えば、タイミー以外にパートの仕事もしていて、両方の収入を合わせると年収が103万円を超える、といったケースがあてはまるだろう。この場合、それぞれの勤務先で給料から所得税が天引きされているため、一見確定申告は不要に思えるかもしれない。しかし、複数の勤務先から収入を得ている場合は、それぞれの収入と源泉徴収額を合算して、正しい所得税額を計算する必要がある。
各勤務先では、他の収入を考慮せずに源泉徴収されているため、結果的に所得税を多く払いすぎているケースがある。確定申告をすることで、過払い分を取り戻せることもあるだろう。
なお、源泉徴収されている勤務先とされていない勤務先から給与を得ている場合、追加の納税が必要になるケースもあるため、確認が必要だ。
■業務委託契約の場合
単発バイトで業務委託契約を結んで働く場合、その収入は「雑所得」または「事業所得」として扱われる。以下の場合は確定申告が必要となる。
・雑所得が所得20万円超で、給与所得がある人
単発バイトで業務委託契約を結んで働く場合、確定申告が必要になるケースがある。例えば、他に会社員として働いていて給与をもらっている人が、単発バイトで得た収入が年間20万円を超える場合が当てはまる。
会社員として給与をもらっている人は年末調整で所得税の精算が行われるが、雑所得は年末調整の対象外となる。そのため、雑所得が年間20万円を超えると、確定申告をして所得税の申告と納税を行う必要がある。
・雑所得だけの人
雑所得のみで生計を立てている場合は、自分で確定申告を行い、所得税を計算して納める必要がある。雑所得が年間48万円を超えると、基礎控除の範囲を超え、所得税が発生するため、確定申告が必要になる。
タイミーで働いた場合の確定申告のやり方
基本的に確定申告は、国税庁のホームページからダウンロードできる確定申告書に必要事項を記入し、必要な書類を添付して税務署に提出する。
■必要書類
税務署の窓口などでもらえる確定申告書以外に必要な書類は、主に以下の4点だ。
・源泉徴収票など、所得金額がわかる書類
(タイミーで働いた場合は、アプリ内で源泉徴収票を発行することが可能)
・還付金を受け取る際に必要な銀行口座がわかるもの
・医療費控除などを受ける際に必要な控除証明書
・本人確認書類としてマイナンバーカードなど
近年では、オンラインで確定申告を行うe-Taxも普及しており、自宅から手軽に手続きを済ませることも可能。e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードと、カードを読み取るためのスマートフォンやタブレット、またはICカードリーダー、ライターなどが必要となる。
■具体的な手順
必要書類を準備したら確定申告を進めていく。
・確定申告書の作成
確定申告書の作成方法はいくつかあるが、今回は、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法を説明する。この方法では、画面の指示に従って必要事項を入力していくだけで、簡単に確定申告書の作成が可能。タイミーで単発バイトをした場合など、収入がシンプルな場合におすすめの方法だ。
他に、会計ソフトを使って確定申告書を作成する方法もある。会計ソフトは、収入や支出の管理、確定申告書の作成などを自動で行ってくれる便利なツール。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合や、副業で収入がある場合などは、会計ソフトの利用を検討してみると良い。
確定申告書の作成に不安がある場合は、税務署の相談窓口を利用したり、税理士に依頼したりもできる。
・確定申告書の提出
確定申告書の提出方法はいくつかあるが、e-Taxを利用したオンライン提出が一般的。e-Taxなら、自宅や外出先からいつでも手軽に提出できるため便利だ。マイナンバーカードとカードを読み取るためのスマートフォンやタブレット、またはICカードリーダー、ライターなどが必要となる。
郵送で提出する場合は、申告期限までに税務署に届くように送らなければならない。郵便事情で遅延することも考えられるため、余裕を持って投函するようにしよう。
タイミーで働いた場合の確定申告をスムーズに行うためのポイントと注意点
タイミーで確定申告をする際に、知っておくと便利なポイントと注意点をまとめた。スムーズに手続きを進め、トラブルを避けるために、ぜひ参考にしてほしい。
■申告期限を把握する
タイミーで確定申告をする際は、申告期限をしっかりと把握しておくことが重要。2024年分については、2025年2月17日(月)から同年3月17日(月)までとなっている。この期間を過ぎると、延滞税や加算税などのペナルティが発生する可能性もあるため注意が必要だ。
■正確な情報を申告する
確定申告では、正確な情報を申告することが重要だ。タイミーで働いた収入を過少申告したり、経費を水増ししたりすることは、法律で禁じられている。
もしも不正が発覚した場合、追徴課税や延滞税を支払うことになるだけでなく、刑事罰を受ける可能性もある。
タイミーアプリでは、自分の収入や勤務記録を簡単に確認できる。確定申告の際には、これらの情報を活用し、正確な申告を心がけよう。
■確定申告が不要でも住民税の申告が必要な場合がある
タイミーで働いている人でも、条件によっては確定申告が不要な場合がある。その場合は、住民税の申告手続きを別途行う必要がある点に注意が必要だ。
所得税の確定申告をすると、その情報が市区町村に共有され、自動的に住民税が計算される。しかし、確定申告をしない場合は、自分で住民税の申告手続きを行う必要がある。
タイミーの確定申告よくある質問
最後に、タイミーの確定申告についてよくある質問と回答を見ていこう。
■タイミーで源泉徴収票を確認するには?
確定申告の際に必要となる源泉徴収票は、タイミーアプリの「マイページ」で確認や印刷ができる。
タイミーでは、働いた報酬が確定した日、つまりアプリ内のウォレットに入金された日を基準に源泉徴収票が発行される。
■タイミーの交通費は経費として計上できる?
タイミーで得た収入は給与所得として扱われる。給与所得には給与所得控除があるため、交通費を経費として計上することはできない。領収書などを保管する手間がなく、控除が受けられるのは、タイミーで働くメリットの一つともいえる。
■確定申告しないとどうなる?
確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課せられる可能性がある。申告期限が過ぎてしまった場合でも、放置せずに速やかに申告することが重要だ。
また、意図的に収入を隠したり、虚偽の申告をしたりした場合は、刑事罰の対象となる場合もあるため注意しよう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部