確定申告の還付金はいくら?
ここでは、還付金の計算方法と、便利な計算シミュレーションツールについて解説する。
■還付金の計算
還付金の計算方法は会社員、アルバイト、個人事業主で共通している。以下に、計算の手順を紹介する。なお、計算途中で1円未満の端数が出た場合は切り捨てる。
①収入金額を求める
1月から12月までの1年間の収入金額を合計する。
個人事業主の場合:1年間の売上高を集計
サラリーマンの場合:源泉徴収票の「支払金額」を確認
②合計所得金額を求める
収入金額から「給与所得控除額」や「必要経費」を差し引く。
③課税所得金額を求める
合計所得金額から「所得控除」を差し引く。所得控除は15種類あり、家族構成や保険料などに応じて適用される。
④所得税額を求める
課税所得金額に税率をかけ、控除額を引く。税率や控除額は、以下の表を参考にしてほしい。その後、復興特別所得税(2037年まで適用)のため、所得税額を1.021倍する。
課税所得金額 |
税率 |
控除額 |
1,000円から194万9,000円まで |
5% |
0円 |
195万円から329万9,000円まで |
10% |
9万7,500円 |
330万円から694万9,000円まで |
20% |
42万7,500円 |
695万円から899万9,000円まで |
23% |
63万6,000円 |
900万円から1,799万9,000円まで |
33% |
153万6,000円 |
1,800万円から3,999万9,000円まで |
40% |
279万6,000円 |
4,000万円以上 |
45% |
479万6,000円 |
⑤還付金を求める
源泉徴収票の「源泉徴収税額」から所得税額を引いた金額が還付金だ。
■計算シミュレーションの活用
民間企業が提供するウェブサイトでは、簡単な入力操作で、だいたいの還付金額をシミュレーションできるサービスが提供されている。収入や控除など、必要な情報を入力するだけで、自動的に計算してくれるため便利だ。
確定申告をする前に、まずはシミュレーションを試してみることで、還付金に対する理解を深められるだろう。ただし、シミュレーションの結果はあくまで目安であり、実際の還付金額と異なる場合があることを念頭に置いておこう。
確定申告の還付金に関するトラブルと対処法
「還付金が多すぎる」「振り込まれない」などのトラブルに焦らないために、知っておきたいことを確認しておこう。
■還付金が多すぎる
確定申告後、思っていたよりも多い還付金を受け取って、戸惑う人もいるだろう。還付金が多すぎる場合は、申告内容に誤りがあった可能性も考えられる。
確定申告期限内であれば、正しい金額で申告書を再提出することで、修正が可能。しかし、確定申告期限を過ぎてから修正する場合は、「修正申告書」を提出する必要がある。税務署の調査を受けた後に修正申告を行う場合は、過少申告加算税や重加算税などのペナルティが課される場合があるため、注意が必要だ。
また、還付金が多くなるケースとしては、年の途中で就職したり、残業が減ったり、扶養家族が増えたりなど、さまざまな状況が起因していることも考えられる。いずれの場合も、収入や控除などの変更によって、本来納めるべき税金が減り、その結果、還付金が増えたことになる。
■還付金が振り込まれない
確定申告後、目安の時期を過ぎても還付金が振り込まれない場合は、いくつかの原因が考えられる。まず、申告書に記入ミスがあったり、必要な書類が不足していたりする場合。この場合は、税務署から連絡が来るため、指示に従って修正、提出すれば良い。再提出した日から計算されるので、振込時期が遅れることは覚えておこう。
また、税務署側の事情で、処理が遅れている場合もある。確定申告の時期は、税務署も混み合っており、処理に時間がかかってしまうためだ。
2か月以上経っても還付金が振り込まれない場合は、一度税務署に問い合わせてみると良いだろう。申告書の受付番号や、氏名、住所などを伝えることで、現在の処理状況を確認してもらえる。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部