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「善玉コレステロール」が緑内障リスクを高める可能性とは?

2025.02.24

「善玉コレステロール」は本当に善玉なのか?新たな研究で、HDLコレステロールが緑内障リスクを高める可能性が浮上。一方、LDLコレステロールはリスクを低下させる傾向も。コレステロールと緑内障の関係に、新たな視点をもたらす研究結果が発表された。

「善玉」コレステロールは緑内障リスクを高める?

心臓の健康に良いとされるHDLコレステロール(HDL-C)は緑内障のリスクを上昇させる一方で、心臓の健康に悪いとされるLDLコレステロール(LDL-C)は緑内障リスクを低下させる可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。中山大学(中国)中山眼科センターのZhenzhen Liu氏らによるこの研究結果は、「British Journal of Ophthalmology」に2月4日掲載された。

Liu氏は、「HDL-Cは70年間にわたり『善玉コレステロール』と考えられてきた。しかし、この研究では、高レベルのHDL-Cが必ずしも良好なアウトカムと関連しているわけではないことが示された」と述べている。

米国心臓協会(AHA)によると、LDL-Cは肝臓から組織にコレステロールを運ぶ働きを持つが、血管内に過剰に存在すると血管壁に沈着してプラークを形成し、最終的には心臓病、心筋梗塞、脳卒中を引き起こす可能性がある。一方、HDL-Cは、余分なLDL-Cを回収して肝臓に戻し、分解を促すことで、動脈硬化を予防する働きを持つ。

研究グループによると、これまでの研究で、脂質異常症は加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症と関連付けられているものの、緑内障との関連については一貫した結果が得られていないという。緑内障は、多くの場合は眼圧の上昇により視神経が損傷を受けることで視野が欠けていく進行性の眼疾患である。

今回の研究でLiu氏らは、UKバイオバンク参加者40万229人(試験参加時の平均年齢56.40歳)のデータを分析して、一般的な血中脂質の指標(LDL-C、HDL-C、総コレステロール〔TC〕、トリグリセライド〔TG〕)と緑内障との関連を評価した。対象者は、試験開始時に脂質レベルを測定されていた。

平均14.44年間の追跡期間中に6,868人(1.72%)が緑内障を発症していた。解析の結果、HDL-Cの値が最も高いグループは、最も低いグループと比べて緑内障の発症リスクが10%高いことが示された(ハザード比〔HR〕1.10、95%信頼区間〔CI〕1.02~1.20、P=0.014)。HDL-Cの値の1標準偏差上昇ごとの緑内障発症のHRは1.05(95%信頼区間1.02~1.08、P=0.001)であった。これに対して、LDL-CとTGの値が最も高いグループでは、最も低いグループと比べて緑内障の発症リスクがそれぞれ8%(HR 0.92、95%CI 0.85~0.99、P=0.030)と14%(同0.86、0.80~0.93、P<0.001)低かった。TCと緑内障との関連は、統計学的に有意ではなかった。LDL-C、TC、TGの値の1標準偏差上昇ごとの緑内障発症のHRは、それぞれ0.96(95%CI 0.94~0.99、P=0.005)、0.97(同0.94~1.00、P=0.037)、0.96(同0.94~0.99、P=0.008)であった。さらに、年齢層別に分けて解析を行うと、コレステロール値と緑内障とのこのような関連は55歳超の対象者でのみ認められ、40~55歳の年齢層での関連は統計学的に有意ではなかった。

研究グループは、それぞれのコレステロールが緑内障のリスクに異なる影響を及ぼす理由は明らかになっていないと述べている。それでも、「これらの研究結果は、目の健康に関連した善玉コレステロールと悪玉コレステロールに関する既存のパラダイムに疑問を投げかけるものだ」と結論付けている。

さらに研究グループは、追跡調査でこれらの結果が裏付けられれば、緑内障リスクを持つ患者に対するコレステロール低下薬の使用について再評価する必要が生じるかもしれないと付言している。(HealthDay News 2025年2月5日)

Copyright (C) 2025 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://bjo.bmj.com/content/early/2025/01/14/bjo-2024-326062

構成/DIME編集部

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