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2024年5月に可決した車庫法改正により、保管場所標章の廃止が決定され、1年以内に施行される予定です。警視庁など一部の都道府県警察では、2025年(令和7年)4月1日の届出から保管場所標章の廃止がされるとアナウンスされています。
この記事では、保管場所標章とは何なのか、どのような背景で廃止されることとなったのか、車庫証明シールが不要になるメリットや注意点などを解説します。2025年中に車を購入する方や乗り換えを予定している方は、ぜひ最後までご覧ください。
車の保管場所制度とは?
車の保管場所制度とは、車の保管場所として道路が使用されないようにするために、保管場所の届出や保管場所標章を表示するよう義務づけている制度です。
今回廃止されることとなった保管場所標章に関する制度は、駐車環境の悪化などの背景から1990年(平成2年)創設されました。保管場所標章制度が創設された目的は次の2点です。
・保管場所の位置の迅速な調査のため
・車の保管場所を外形的に第三者に明らかにすることで車の保有者に保管場所の確保を動機づけるため
しかし、保管場所情報に係るデータベースの整備などが進み、保管場所標章によらなくても、これらの目的が達成されるようになりました。そのため、2024年5月に保管場所標章の廃止が決定されました。
車庫証明シールはなくなるが車庫証明の制度は継続される!
新制度による車庫証明手続きの流れ(警視庁のホームページより)
保管場所章(車庫証明シール)が廃止されると、主に次のメリットがあります。
・リアウィンドウに車庫証明シールを貼らずに済むため車の見栄えが良くなる
・車庫証明の申請時に必要だった保管場所標章の手数料(500円)が不要になる
ただし、注意しなければならないのは、今回廃止されるのはあくまでも「保管場所標章」のみという点です。車庫証明の制度そのものは今後も継続されます。
つまり、新たに車を購入するとき(新規登録)、名義変更(移転登録)、住所変更(変更登録)の際には、これまで通り車庫証明の申請が必要です。
保管場所標章の剥がし方
保管場所標章の廃止に伴い、すでに車に貼ってある保管場所標章(車庫証明シール)を剥がしたいと考える方もいるでしょう。
保管場所標章(車庫証明シール)を剥がすときは、シール剥がしやスクレーパーを使って慎重に剥がすようにしてください。無理やりシールを剥がすと、ガラスやボディを傷つけてしまうおそれがあります。シールを剥がすときは、樹脂製のスクレーパーを使い、焦らず少しずつ剥がすようにしてください。
保管場所標章(車庫証明シール)を剥がすときに用意しておく道具と手順は次のとおりです。
【用意するもの】
・霧吹き
・クロス(マイクロファイバークロスなど)
・スクレーパー(樹脂製)
・シール剥がし剤
【シールを剥がす手順】
1.霧吹きでシール全体に水をかける
2.隅からスクレーパーを差し込み少しずつ剥がす。また、指やクロスなどを使って擦り取る齊藤優太
3.糊の部分だけになったらシール剥がしを吹き付け糊を拭き取る
まとめ
保管場所標章は、システムの整備により2024年5月に廃止されることが決定され、早いところでは2025年4月1日から車庫証明申請の際に保管場所標章(車庫証明シール)が交付されなくなります。
すでに貼り付けられている車の保管場所標章を剥がすときは、霧吹きで水をかけ、スクレーパーやクロスなどを使って慎重に剥がし、糊の部分はシール剥がし剤を使って剥がすようにしましょう。
保管場所標章(車庫証明シール)を剥がすときは、ガラスやボディなどが傷つかないよう、注意しながら少しずつ剥がすようにしてください。
文/齊藤優太