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「貯金額がいくらか」は余程親しい間柄でもない限り、口外することのない個人情報だ。中には、家族やパートナーにも貯金額を明かしていないという人も多いことだろう。
三井住友銀行はこのほど、20~40代の男合計600名を対象に「お金に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
20~40代の最も多い貯金額は「11~50万円(15.5%)」
20~40代の男女に対し、現在の貯金額(現金貯金のみ、外貨・証券は含まず)を聞いたところ、「11~50万円(15.5%)」が最も多く、次いで「~10万円以下(14.2%)」「51~100万円(12.1%)」という結果に。
さらに貯金する目的を質問したところ、「いざという時の備え(32.3%)」「老後の生活費(18.5%)」が上位を占めつつ、「特に目的はない(24.4%)」ということも判明した。将来や有事の際の備えのために貯金を行う人が多い一方で、目的があって貯金をしている人ばかりではないことがうかがえる。
家族やパートナーにご自身の貯金額を伝えているかを質問したところ、約7割(67.1%)が「伝えていない」と回答。貯金額を伝えている割合を年代別で見ると30代は26.9%、40代は30.5%であることに対し、20代は42.5%と4割を超える結果から若年層は他の世代よりも貯金額を共有することへの抵抗感がないことがうかがえる。
また貯金額に限らず、銀行口座やお金の話題について普段から家族や友人に相談するかを聞いたところ、「あまり相談しない(19.0%)」「まったく相談しない(34.6%)」と半数以上の人が相談しないと回答。生活の中で重要な“お金のこと”は親密な間柄であっても共有したり、相談したりしている人が少ないことが明らかになった。
利上げを認識している人の約4割が貯金額を増加!特に20代は約6割が増額していることが判明
日本銀行は2024年3月にマイナス金利を解除。同年7月には0.25%への利上げを決定。また、2025 年1月24日(金)に開いた金融政策決定会合で、およそ16年ぶりに政策金利を0.5%に引き上げることを発表した。
こういった段階的な金利引き上げの流れがある中で、利上げによる生活者への影響を明らかにするため、日銀政策金利が引き上げられたことを知っているかを質問したところ、知っていると回答した人の割合は4割(39.9%)に留まり、6割(60.1%)は知らないことが明らかに。
一方で、金利の引き上げを知っていると回答した人の内、36.1%は金利の引き上げにより貯金額を増加したことが明らかになった。特に20代の58.4%は利上げによって貯金額を増やしており、馴染みのなかった「金利のある世界」に期待を寄せているのかもしれない。
さらに増加した貯金額を聞いたところ、「1~5万円未満(32.9%)」が最も多く、次いで「5~10万円未満(23.9%)」「10~50万円未満(15.5%)」が上位を占めた。
また全体の61.8%はメインで利用している銀行口座の金利を把握していないことも判明。今後さらに金利が引き上げられた場合、貯金額を増加するかを質問したところ、「はい(25.8%)」「いいえ(34.1%)」「金利次第で検討する(40.1%)」と回答。追加の利上げ次第で、貯金額を増加しようと考えている人が全体の6割を超える結果となった。
金利の引き上げをきっかけとした銀行口座の切り替えや新規開設の有無を聞いたところ、14.9%の人が「切り替えた(新規開設した)」と回答。
一方、「検討したが行わなかった(24.6%)」「行っていない(60.5%)」と回答した人へその理由を質問したところ、「切り替えるほど金利にメリットを感じていない(37.8%)」「手間が大きい・面倒(37.7%)」「現在利用している銀行口座の方が、安心感がある(16.8%)」が上位を占める結果に。金利の良さ以上に、現在利用している銀行への満足感や口座を切り替えることへの手間を感じていることがうかがえる。