
40代~50代の女性に多いとされる更年期の悩み。その悩みの程度・有無に、食品の摂取頻度、睡眠時間、運動習慣はどう関係しているのだろうか?
ファンケルはこのほど、オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」の販売を通じて蓄積した食習慣・生活習慣アンケートの回答から、初回購入時40歳から59歳女性(18,483人)の更年期に関する悩み(疲れが残りやすい/イライラしている、怒りっぽい/ほてりやすい、のぼせやすい)の有無と食品の摂取頻度、睡眠時間、および運動習慣の関係性を解析し、その結果を発表した。
本調査では、「緑黄色野菜」「きのこ類」「全粒穀物」の摂取頻度が高い人ほど、更年期に関する悩みがあると回答した割合は低く、一方で、「加糖飲料」の摂取頻度が高い人ほど、更年期に関する悩みがあると回答した割合が高いことが明らかになった。
また、睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して更年期に関する悩みがあると回答した割合が低いこと、「週2回以上」の運動習慣のある人は、「週1回程度」の人と比較して、更年期に関する悩みがあると回答した割合が低いことも判明した。
「緑黄色野菜」「きのこ類」「全粒穀物」の摂取頻度が高い人ほど、更年期に関する悩みがあると回答した割合が低い
■緑黄色野菜
「緑黄色野菜(ブロッコリー・ほうれん草・にんじん・かぼちゃなど)」の摂取頻度が高い人ほど、「疲れが残りやすい」「イライラしている、怒りっぽい」「ほてりやすい、のぼせやすい」と回答する割合が有意に低かった。
■きのこ類
「きのこ類」の摂取頻度が高い人ほど、「疲れが残りやすい」「イライラしている、怒りっぽい」「ほてりやすい、のぼせやすい」と回答する割合が有意に低かった。
■全粒穀物
「全粒穀物(玄米、発芽玄米、雑穀、全粒粉パンなど)」の摂取頻度が高い人ほど、「疲れが残りやすい」「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に低かった。また、「ほてりやすい、のぼせやすい」と回答する割合も低くなる傾向があった。
「加糖飲料」の摂取頻度が高い人ほど、更年期に関する悩みがあると回答した割合が高かった
「加糖飲料(ジュースや缶コーヒーなどの砂糖を含む飲料)」の摂取頻度が高い人ほど、「疲れが残りやすい」「イライラしている、怒りっぽい」「ほてりやすい、のぼせやすい」と回答する割合が有意に高かった。
睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、更年期に関する悩みがあると回答した割合が低かった
睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「疲れが残りやすい」「イライラしている、怒りっぽい」「ほてりやすい、のぼせやすい」と回答する割合が有意に低かった。
厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査によると、40、50代女性の約半数が6時間未満という調査結果が出ている。仕事や子育て、介護などで忙しい毎日を送る中、睡眠時間を確保するのは難しい世代だが、何とか工夫して少しでも睡眠時間を確保できることが望ましいと考えられる。
「週2回以上」の運動習慣のある人は、「週1回程度」の人と比較して、更年期に関する悩みがあると回答した割合が低かった
「週2回以上」の運動習慣(※1回30分以上の運動)のある人は、「週1回程度」の人と比較して、「疲れが残りやすい」「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に低かった。また、「ほてりやすい、のぼせやすい」と回答する割合も低くなる傾向があった。
一方で、厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査によると、「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」は、40代女性で「17.9%」、50代女性は「27.4%」と低かった。
以上の結果より、「緑黄色野菜」「きのこ類」「全粒穀物」の摂取頻度が高いこと、「加糖飲料」の摂取が少ないこと、睡眠時間が「6時間以上」であること、そして1回30分以上の運動を「週2回以上」実施する習慣のある人において、更年期の悩みが少ない傾向にあることがわかった。これらのことから、更年期の悩みを軽減するためには、「食事」「睡眠」「運動」の3軸で対処していくことが重要であることが考えられる。
■食事摂取基準の策定に携わる柴田克己氏によるコメント
健康の三本柱は「食事」「睡眠」「運動」です。多くの日本人はこのことを理解していますが、実際に行動に移している人は少ないのではないでしょうか。蓄積された「パーソナルワン」のデータは、この健康の三本柱の重要性を示す貴重なデータになるはずです。今回は新しい切り口で、この三本柱が更年期の悩みを少なくする上で大切であることを示してくれました。
更年期の悩みは、女性ホルモンの低下が大きく影響するだけでなく、「食事」「睡眠」「運動」といった生活習慣も重要な要素であると考えられます。食事面においては、主食、主菜、副菜をバランス良く摂ること、特に「緑黄色野菜」「きのこ類」「全粒穀物」の摂取頻度を高くすることが重要です。
日頃の生活から食材の組み合わせを意識することで、バランス良く栄養を摂取することができます。仕事や子育て、介護など、さまざまな役割を担う更年期世代の女性にとって、無理なく続けられることが大切です。ご自身のペースで、少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
<調査概要>
解析データ:「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートの回答
対象期間:2020年1月27日~2024年5月31日
対象者:「パーソナルワン」初回購入時40~59歳女性 計18,483人
出典:株式会社ファンケル
構成/こじへい