ゴルフ史上もっとも静かな空間を約束
さて、ゴルフ8.5ヴァリアントeTSI Activeを走らせれば、まずはファブリックシートのかけ心地の良さ、腰回りの分厚いクッション感とホールド感に感心させられる。そして4気筒のスムーズさとゆとりあるトルクによるゴルフらしい軽やかな加速性能を実感でき、8の3気筒モデルとは走りの質感がまるで違うことに気づく。乗り心地はエアーボリウムの大きい16インチタイヤを履くこともあって、荒れた路面の走行や段差の乗り越えでもフラットライドに徹し、快適そのもの、上質だ。
動力性能そのものも、市街地や首都高速道路を走る限り、十二分。ドライビングプロファイルのエコモードでは穏やかな加速性能となるものの、コンフォート以上なら実用ワゴンとして加速力に不足はない。繰り返すがさすが、4気筒である。
車内の静粛性に関してもエンジンノイズはもちろん、ロードノイズもうまく遮断され、ゴルフ史上もっとも静かな空間が約束されている。48Vマイルドハイブリッド採用によるモーターアシストは感じにくいが、アイドリングストップからの復帰時などのショックのなさにその効果が表れていて、アイドリングストップ機能による煩わしさは皆無に近い。そして8.5の発見として、8よりボディ剛性が高まった印象を受けたのも本当だ。8の3気筒、ベーシックモデルは軽やか過ぎた走りでドイツ車らしさ、ゴルフらしさがかなり薄まってしまった印象を持っていたのだが、直4エンジンとスペックに表れないボディ剛性の強化!?によって、8の3気筒エンジンを搭載する”無国籍感”もあったベーシックモデルに代わる8.5のeTSI Activeモデルでも、7や7.5のガッチリ、ドシリとしたドライブフィールこそ得られないものの、軽快で爽やかなドライブフィールとともに、往年のゴルフらしさが多少、復活したように思えたのである。7.5以前のゴルフを知らないユーザー、あるいはより軽やかに走り、快適なゴルフヴァリアントを望むユーザーにとっては、これはこれで十分に満足できるゴルフのワゴン版、ヴァリアントと言えそうだ。
とはいえ、8ヴァリアントでの試乗印象からも、主力グレードとなるはずの150psを発揮するeTSI Style、R-line、そして図太いトルクが自慢のクリーンディーゼルターボとなるTDIの試乗も行ってみたい。そのレポートは改めて報告することにしよう。
文・写真/青山尚暉