
2月28日、モンスターハンターシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』が発売される。
いまの20~30代にとっては青春をモンハン共に過ごしたという人も多いだろう。PSPやDSを持ち寄り、友達と一緒に狩りに明け暮れた日々が今でも忘れられない思い出になっている人も多いはずだ。
最新作『モンスターハンターワイルズ』は、PlayStation5、 Xbox Series X|S、Steamでプレイ可能。どのプラットフォームで遊ぶにせよ、基本的には自宅からオンラインで友人や世界中の人とプレイするのが一般的である。しかし、どうにかしてあの頃のように友達の家に集まって最新作をプレイすることはできないだろうか。
本記事では、そんな願いを叶えるために考えた記事である。後述もするが、みんなで一つの場所に集まりプレイするということは何か(例えば、華麗なグラフィックなど)を諦めなければならない点には注意してほしい。
※本記事の『モンスターハンターワイルズ』の動作環境は2月に行なわれたオープンベータテスト版です。製品版では、異なる可能性があります。
ゲーミングノートPCであれば、スペックは問題なし!しかし…
まず、もっともシンプルな方法はノートパソコンを持ち寄ってプレイするという方法だ。
『モンスターハンターワイルズ』は昨今のゲームの中でもPCの要求スペックがかなり高い部類に入る。快適なプレイのためにはゲーミングPCが欠かせないだろう。
ゲーミングPCは、毎年、多くのブランドから最新モデルが発売されているが、ここ数年、ゲーミングノートPCの進化も目覚ましい。コアなゲーマーから「ノートPCなんて」という声も聞こえてくるが、デスクトップ型ゲーミングPCに引けを取らないゲーミングノートPCも増えてきた。
例えば、ASUSの「ROG Zephyrus G16 (2024) GU605」であれば、『モンスターハンターワイルズ』の推奨スペックをクリアしている。
「ROG Zephyrus G16 (2024) GU605」
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:インテル Core Ultra 9 プロセッサー 185H
グラフィック:NVIDIA® GeForce RTX™ 4080 Laptop GPU (NVIDIA Optimus Technology対応)、 ビデオメモリ 12GB ※ 専用ビデオメモリです。
メモリ:32GB(LPDDR5X-7467)
ストレージ:SSD 1TB (PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2)
加えて、カプコンが公開した『モンスターハンターワイルズ』のベンチマークソフトでは、上記モデルだけでなくゲーミングノートPCでもベンチマークスコア20000を超えたという報告もあり、少なくとも公式が求める快適プレイの基準は超えているように思う。
しかし注意点もある。これは後に紹介する方法にも当てはまることだが、4人が同じ部屋に集まってプレする際には多くの場合、同じネットワーク回線を使うことになるだろう。回線の負荷を下げ、快適なプレイを目指すとなるとグラフィックやFPSを下げていくことも必要になるかもしれない。
ネットワーク環境などを人それぞれだが、現時点では、どれほどのラインで快適プレイが成り立つのかは未知数である。
さらなる懸念点を挙げるとすると、ノートパソコンを持ち寄ってプレしする光景が、果たして過ぎ去りし日々の思い出を呼び起こすことができるだろうかという点だろう…。
携帯ゲーム機のように遊ぶことができる「ポータブルゲーミングPC」はどうか
「違うんだ。俺たちはただ集まってプレイしたいわけではないんだ。それぞれの端末を手に持って、ごろごろ、時には寝そべりながらプレイをしたいんだ」という声も聞こえてくる。
そんな人に編集部がおすすめしたいのが「ポータブルゲーミングPC」だ。そう、2022年に発売され話題を呼んだ「Steam Deck」を代表とするカテゴリのゲーミングPCだ。
「Steam Deck」の最新モデル「Steam Deck OLED」やASUSの「ROG Ally X」など続々と製品が発売され、年々シェアを拡大している。
「Steam Deck OLED」
「ROG Ally X」
端末の大きさは「Steam Deck OLED」が約298(幅)×117(奥行き)×49(高さ)mm、重さが約640g。「ROG Ally X」で280.6(幅)×111.3(奥行き)×24.7~36.9(高さ※スティック先端からの厚さは45.05mm)mm、重さが678gだ。
PSP(2000及び3000)が169.4(幅)×71.4(奥行き)18.6(高さ)mm、重さが約189gだったことを考えると、かなり大きい。
これを手に持ってプレイするのは重いし疲れるという意見もわかるが、そのデメリットを差し引いても携帯ゲーム機のように遊べると言う点はデスクトップPCやノートPCにはない圧倒的な利点である。
携帯ゲーム機時代を思い出してプレイするなら、これ以上ない選択肢だろう。さらに価格も10万円前後と比較的手が出しやすい。
しかしながら、ポータブルゲーミングPCにも問題はある。
それは、シンプルに「本体スペック」だ。
そもそもポータブルゲーミングPCはカプコンが推奨するPCスペックを満たしていない。起動はできても快適なプレイができるとは限らないのである。
前述したベンチマークソフトのスコアはポータブルゲーミングPCは軒並み5000から良くても10000程度。しかも、フレームレートや解像度をすべて最低設定にしてもである。公式ではスコアが5199以下になると「動作困難」としているので、ギリギリのラインである。
オープンワールドならではの壮大で綺麗なグラフィックやモンスターの生物的ディテール、滑らかなゲーム体験など『モンスターハンターワイルズ』の魅力を十分に感じられない可能性がある。
さらにフレームレートが低くなると太刀の「見切り」やランスやガンランスの「ジャストガード」は当然難しくなる。もしかしたら普通の攻撃を避けることすらも困難になるかもしれない。
この事実を理解した上で、それでもこうした不快的さを「昔はグラフィックも荒かったしラグもあったよ」と、それも含めて楽しんでプレイできる人にはポータブルゲーミングPCはいいのかもしれない。
もしかしたら一番可能性大?「PlayStation Portal リモートプレーヤー」
最後に紹介したいのが「PlayStation Portal リモートプレーヤー」だ。
「PlayStation Portable(PSP)」と名前が似ているが別物。ソニーが2023年11月に発売したプレイステーション5(PS5)用のリモートプレイ専用機である。もちろん、2024年11月に発売されたPS5 proにも対応している。
前提として、PS5もしくPS5 proを持っていることが条件になるが、「PlayStation Portal リモートプレーヤー」はWi-Fi環境下であれば外出先でも自宅のPS5に接続してリモートでプレイ可能だ。
回線速度について、公式は「通信速度が5Mbps以上のブロードバンドインターネットWi-Fiが利用できる環境でご使用いただけます。快適にプレイするには、15Mbps以上の高速回線を推奨します」とのこと。
実際に、『モンスターハンターワイルズ』オープンベータテスト版を「PlayStation Portal リモートプレーヤー」でプレイした人からは「思った以上に快適にプレイできる」「ごろ寝でプレイできてPSP時代を思い出す」と驚きの声が上がっていた。
PS5やPS5 proを持っていないなら、まずそれらが必要になる点や「PlayStation Portal リモートプレーヤー」が品薄が続いている点がややネックか。また、回線速度に大きく影響されそうな点には注意したい。
***
やはり、いずれの方法でも気になるのが回線速度だ。
回線への負荷を考えれば、それぞれが自宅からオンラインプレイをするのが一番いいのは間違いない。
しかし筆者も学生時代には仲間たちと集まって夜中までモンハンをプレイしていたハンターだ。だからこそ、どれだけ非合理的と言われようとも、またみんなで集まってモンハンを遊びたいという気持ちは痛いほどわかる。
本記事が、同じ思いを抱くハンターたちの参考になれば幸いだ。
©CAPCOM
©ASUSTEK COMPUTER INC. ALL RIGHTS RESERVED.
© 2025 KOMODO Co., Ltd. All rights reserved.
© 2025 Valve Corporation. All rights reserved.
©2025 Sony Interactive Entertainment Inc. All Rights Reserved.
取材・文/峯亮佑