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創業200年の木内酒造が醸造と発酵の技を極めたレストラン「母屋」をオープン、地方の酒蔵が示した生き残る道

2025.02.24

茨城県那珂市の、1823年創業の木内酒造が、2月14日、酒蔵と同じ敷地内にある木内家の母屋を改造してレストランをオープンした。その名も「母屋」。醸造の技と、地域の産物をふんだんに生かした“イノベーティブフレンチ”を提供するという。いったいどんな料理なのか。お酒のペアリングも注目だ。

母屋の入り口。

昭和初期の商家をリフォームしてレストランに

日本酒、ビール、ジン、ウイスキーなど、さまざまな酒づくりで知られる木内酒造。「常陸野ネストビール」の醸造元といえば、国内はもちろん、海外にも通りはいいかもしれない。しかし、土台は日本酒だ。「木内の日本酒をしっかり伝えていきたい」と代表の木内敏之氏は話す。

木内酒造本店の入り口。JR水郡線、常陸鴻巣駅から徒歩で行ける。

水戸からJR水郡線に乗って常陸鴻巣駅を下りて徒歩5分ほど、県道沿いに木内酒造はある。周辺には観光スポットがあるわけではなく、ホテルもない。ここに創業200年余り、酒を造りつづけてきた蔵元の、知恵と技を凝らしたレストラン「母屋」がオープンした。ランチは5,500円、ディナーは1万円の、コース料理のみの高級レストランである。

その名の通り、創業家の母屋だった屋敷をリフォームしたレストラン。昭和初期に建てられた商家で、普請道楽と伝わる当時の主の趣味がそこここに残る。

建築当時からの建具や欄間、天井などに洗いをかけ、極力の当時の趣を残した。新たに加えた家具や建築物には木内酒造の敷地内で伐採された樹木を活用している。1階と2階で全22席。個室あり。

地域の農産物と酒づくりの技術から生まれる新しい食文化

2月のランチコースをいただいた。

ランチ5,500円 ディナー10,000円。ペアリングはプラス3,000円~(すべて税込)

素材は素朴でありながら贅沢だ。常陸野の豊かな田畑で生産される旬の野菜、茨城の大洗や那珂湊から仕入れた旬の魚介類、飼料からこだわった県産の銘柄豚や銘柄牛など。その多くに醸造の技が施されている。

たとえば、大洗産のヒラメは日本酒に漬けたあとに昆布で締める。ソースは春菊ホップ、柚子胡椒、梅酢、西洋山椒オイル。調味料も多くが自家製だ。

ペアリングされたアペリティフはほんのりピンクがかり、一見、スパークリングワインのような趣のリキュールだ。白麹で醸した日本酒に、ビールの原料のホップを漬けて1ヶ月ほど熟成させたところ、ほんのり色づき、甘酸っぱい酒に仕上がったという。「淡雫HOPS」と名づけられている。

那珂湊産のサワラには、山廃原酒を加えて煮詰めたブランソースがかかっている。茨城のブランドそば常陸秋そばの実と、発酵させた茨城産の菊芋を使ったリゾットと合わせている。ペアリングされたお酒は、ここはオーソドックスに山廃原酒だ。

メインディッシュは「常陸野ポークの藁焼き」。茨城のブランド牛で、ビール醸造時に出る麦芽粕加えた飼料で育った豚を一頭買いしている。木内酒造は石岡市の養豚農家に麦芽粕を提供している。麦芽粕を加えると、栄養価の高い良質な飼料になる。これを茨城産の酒造米の稲藁で蒸し焼きしている。

「常陸野ポークの藁焼き」と料理長の白井啓介氏。

ペアリングされた酒は古代米「紫黒米」を使った「朝紫」。ロゼのようなウイスキーのような赤みをたたえた日本酒だ。

17ヶ月熟成させた自家製のプロシュートも供された。パンも自家製。酒米を精米する際に出る米粉でパンを焼いている。

メニューは季節ごとに変わり、料理と5種のお酒がペアリングされる。木内酒造の醸造家が、料理の素材に合わせて、最適の一杯を提案してくれるが、好みでビールやウイスキー、梅酒などを注文することもできる。たいがいのお酒は揃っている。味にうるさい客のリクエストにも応えてくれるだろう。

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