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クレジットカードを申し込むと、審査に落ちて、希望通りクレジットカードを受け取ることができないことがある。これは、申込みを受けたクレジットカード会社が、申込者の信用情報を確認し、過去にローンの延滞等があった場合やローン残高が収入に対して多すぎる場合等に、申込みを断るからである。
この春、信用情報機関であるCICは「信用スコア」による情報適用を行う。これまでとの審査方法の違いや、今後のクレジットカード申込みに影響が出るのかどうか、本記事で解説する。
クレカの審査方法
クレジットカード会社が、申込者の信用情報を照会する先は以下3社。
(1) CIC(CREDIT INFORMATION CENTER、割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)
主に割賦販売や消費者ローン等の営む企業を会員(信販会社、百貨店、クレジット会社、リース会社、保険会社、銀行、消費者金融、携帯電話会社等)とする機関であり、消費者のクレジットや消費者ローンに関する信用情報(属性、契約内容、支払状況、残債額など)を、照会に応じて情報提供している。
(2) JICC(日本信用情報機関)
主に、消費者金融会社、クレジットカード会社、金融機関、信販会社、リース会社等が会員となっている。個人の借入、法人の借入、電話番号に関する情報を提供している。具体的には、クレジットカードの利用情報やローンの契約内容、返済状況などが提供される。
(3) 全国銀行協会
名前の通り、銀行を会員としている協会であり、銀行等に登録されている借入、カードローン、クレジットカード等の契約内容や返済状況の情報を提供している。さらに、自己破産等官報に掲載される情報も提供できる。
3社の信用情報機関は、構成される会員や登録されている情報が異なる部分があり、基本的に会員からの情報照会に応える。しかしながら、信用情報機関3社は提携しており、各機関に登録されている情報で、特に延滞・代位弁済等の情報、無担保カードローン・キャッシングの残高、借入残高を相互に共有しているため、やはりクレジットカードの申込でも銀行借入に遅延があれば、その情報は知られるところとなる。
完済しても5年は登録されている信用情報
信用情報は、完済すればすぐ消えるわけではなく、一定期間保存されている。
例えば、カードの新規申込み情報は、6か月間保存されており、短期間に何社もクレジットカードを申し込んでいると、審査に落ちることがある。
また、カードの支払い状況、入金履歴、支払遅延は、もしその後返済を完了したとしても、5年間は保存されている。ローン以外にも、携帯端末の割賦払いも登録されている。
導入される「信用スコア」とは?
これまで、クレジットカード会社は、申込者の年齢、収入、勤務先等の属性情報、信用情報機関から提供された信用情報をもとに、クレジットカードを申込者に発行するかどうか審査していた。
様々な情報から審査をするのは煩雑であったが、信用情報機関であるCICは2024年11月28日に信用情報を指数化するサービスを始めた。
この指数は、CICに登録されているローン残高や支払い状況等の信用情報のみで数値化される。そのため、年収などの属性は関係なく、CICに登録されていない、金融機関からの借入状況等は反映されていない。
実際の加盟会社からの情報適用に対して信用スコアで開示するのは2025年4月以降の予定となっているが、本人が信用スコアの情報開示請求をして確認するのは既に可能となっている。スコア化されたことで、クレジットカード申込審査手続きはさらに迅速化されることが期待できる。
ただ、CIC以外の信用情報機関2社はスコア化していないため、結局その他2社の情報は、情報から判断することになる。
実はすぐに確認できる!気になる人は開示申し込みを
信用情報は、そもそも消費者が多重債務や多額債務を負わないよう、消費者保護のために設けられた制度だ。自分が登録されている信用情報、CICの場合その信用スコアとその数値が算出された理由を、各信用情報機関に情報開示を申し込めば、インターネット等で確認することができる。
もし、審査に落ちた等、自分の信用情報に疑問を感じた場合は、情報開示して、自分の登録内容を確認することができる。そのなかで、何か支払遅延等が起きている場合は、解消できるものは解消し、借りすぎている場合は、この機会に支払い計画を立てて早めに返済できるようにするのがよいだろう。
(1) CICのインターネット開示(利用手数料500円)
信用スコアを確認する場合は、【クレジット・ガイダンス】を希望するにチェックする必要がある。
インターネットで開示する|情報開示とは|指定信用情報機関のCIC
(2) JICCのスマホ開示(データでの受取の場合利用手数料1,000円)
開示を申し込む | 開示サービス | 日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
(3) 全国銀行協会のインターネット開示(利用手数料1,000円)
本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会
文/大堀貴子