
リモートワークやフレックスタイム制などの流れで、仕事時間以外の「自分の時間」が重視されている昨今。個人が心地よく暮らすためのウエルビーイングなアイテムもトレンドで、生活雑貨の専門店「ロフト」でも商品数を増やしている。
中でも2025年、ロフトが特に注目しているのは「快眠グッズ」、「ヘルシー&ビューティーフーズ」、「トレーニンググッズ」、「フェムケア」。売り上げを伸ばしているアイテムや新商品など、ロフトが力を注ぐウエルビーイングなトレンドアイテムをロフトのバイヤー、髙崎喬平さんに伺った。
トレンド継続中。ウエルネス&ビューティー関連の商品が増加
株式会社ロフト 商品本部 健康雑貨部 バイヤーの髙崎喬平さん。
2025年1月14日(火)~2月28日(金)の期間中「ロフト ウエルネス&ビューティー 2025」を開催し、“美と健康”をテーマにしたグッズを展開しているロフト。ウエルネスやビューティーに関連するアイテムはここ数年でよりラインナップが増え、ロフトによると特に「細かなニーズ」に対応して、商品が進化しているという。
クレオテクノロジー「ミミミン」9,790円(税込)
例えば「快眠グッズ」として人気が高まっている温かい耳栓には、充電式で「繰り返し使いたい」というニーズに応えたアイテムが登場。クレオテクノロジー「ミミミン」は耳を温める充電式のイヤーウォーマーで、耳栓自体ではなく周りのプレートが温まり、耳全体を広範囲で温めてくれるのか特徴となっている。
クレオテクノロジーはテレビショッピングで美容・健康機器などを販売してきた企業だが、「ミミミン」は新しいターゲットを広げるためにロフトなどバラエティショップでも展開。「店舗で手に取って見てもらうようにカラーやパッケージにもこだわった」と、クレオテクノロジー担当者は話す。
髙崎さん「充電式はコストパフォーマンスの面で良いとお客様に支持されています。さまざまなメーカーからそれぞれに特徴のある商品が登場しはじめているので、2025年は充電式の温かい耳栓が伸びるのではないか、と考えています」
VENEX「ボディコンフォート」4,180円(税込)
リカバリーブランドの「VENEX」のアイテムで、ロフトが今「快眠グッズ」として注目しているのは「ボディコンフォート」。ナノプラチナなどの鉱物を繊維に練り込んだ特殊繊維素材「PHT繊維」を使用しており、着けるとじんわり温めてくれる「腹巻き」だ。「インナーが欲しい」、「お腹まわりを温めたい」という、消費者の細やかな声に応えたアイテムとなっている。
価格は上下で揃えるリカバリーウェアと比べると買いやすい値段で、男女問わず贈り物にも選ばれているという。
韓国インナービューティー市場の拡大を受け、日本でも「ヘルシー&ビューティーフーズ」が順調
ファイン「ドクターブライアン ビタミンC&D ピーチ味」3,219円(税込)※2月上旬入荷予定
ロフトで今、顕著に売上が伸びているジャンルが「ヘルシー&ビューティーフーズ」。プロテインなど飲んで、食べて、内側から健康や美にアプローチする「食品」の売上が2025年1月は前年同月比で約215%となっている。中でも人気なのは、「韓国」から上陸したヘルシー&ビューティーフーズ。美容大国の韓国ではインナービューティー関連商品も非常に人気で、その流れが韓国コスメ人気とともに日本にもやってきている。
メディブリッジ「プレスショット」10本入り 4,320円(税込)
成分に着目すると、昨年はパウチ入りのプロテインがトレンドだったが、2025年の注目は「ビタミン」配合のフード。メディブリッジ「プレスショット」は11種類のアミノ酸やビタミンB12・E・D、ナイアシンなどを配合し、2024年4月に韓国の調剤薬局チェーンで健康機能食品カテゴリー1位を獲得している美容ドリンクだ。
飲み方も韓国らしい面白さがあり、上部をプッシュしてビタミンなどの粉末をアミノ酸配合の液体に混ぜ込むことで、フレッシュな状態で手軽に飲むことができる。
金額もお手頃。ロフトの顧客に合わせた、“かわいい”トレーニンググッズ
MIVIOS「ハンドルローラー」各1,870円(税込)、「ピラティスボール20cm」各1,631円(税込)
何かをしながらトレーニングできる「ながらトレーニンググッズ」は、2025年も継続して人気。足を左右から挟み込んで転がすMIVIOS「ハンドルローラー」はロフトで以前から販売している商品だが、2025年1月は前年同月以上に売上を伸ばすほど人気で、新色の「スノーパープル」が新たに登場。
“淡いカラー”がロフトの顧客層にフィットしているということで、新商品の「ピラティスボール20cm」もかわいい「パウダーピンク」と「ペールパープル」の展開となっている。
キャプション:エレコム「エクリア ふわふわチューブ/もちもちチューブ」各1,480円(税込)、「エクリア 伸びるストレッチボール」1,480円(税込)など。
エレコムからも、“かわいい”トレーニンググッズのトレンドの流れを押さえた新商品が登場。エレコムでは今までビビッドカラーのスポーティなボディメイクグッズを販売してきたが、デザインやネーミングを一新している。
「エクリア ふわふわチューブ/もちもちチューブ」はチューブを伸ばすことで二の腕を鍛えられるアイテムで、テレビを見ながらトレーニングが可能。インテリアとしてもなじみ、収納しないことで「続けられる」というメリットもあるだろう。
ロフトでも取り扱いブランドが増えている、トレンドの「フェムケアアイテム」
「iroha」、「laugh.」、「YOJOY」など、フェムケアブランドが「ロフト ウエルネス&ビューティー 2025」に数多く出展。
近年認知度が高まってきた「フェムケア」は、ウエルビーイングな観点でも見逃せない。ロフトのボディケアカテゴリーにおけるフェムテックアイテムの2025年1月の売上は前年同月比約285%で、特に銀座ロフトなど働く女性が多い店舗で好調だと髙崎さんは話す。
髙崎さん「フェムケアアイテムを、売り場で当たり前に展開できる潮流が整ってきていると感じています。以前は売り場の隅っこにあったような商品が、カテゴリーの一つとして展開できるほどの規模感です」
laugh.「インティメイトウォッシュ」100mL 3,941円(税込)など。
ECで人気の「laugh. (ラフドット)」」は、2024年12月よりロフトで店頭販売を開始したフェムケアブランド。代表の林千尋さんが「ほとんどの日本女性が正しくデリケートゾーンをケアできていないのではないか」と疑念を持ったことをきっかけに立ち上がったブランドで、デリケートゾーンソープなど2021年のローンチ以降シリーズ累計200万個以上も売り上げている。
ECでは、リアルなデリケートゾーンへの悩みを感じている20~40代女性がボリュームゾーン。laugh. 担当者も「ここ1年で、フェムケアに関する情報が急速に広がっている」と話しており、ロフトで展開することによって、さらに「正しいデリケートゾーンのケア方法」の認知が広がることを期待している。
YOJOY「サニタリーショーツ」2,970円(税込)、「吸水サニタリーショーツ」4,180円(税込)
拡大するフェムケア市場に新規参入する大手メーカーも注目したい。「養生(※生活に留意して健康の増進を心がけること)」をコンセプトにした「YOJOY(ヨジョイ)」は、インナーウェアのメーカー「ワコール」が2023年にローンチしたフェムケアブランド。
ワコールの大多数を占める女性社員の声から生まれ、デリケートゾーンにも使えるボディケアアイテムや吸水サニタリーショーツなど、女性特有の体と心のゆらぎに寄り添った商品を展開している。メインターゲットは20~30代女性だがワコールを支持する40~50代にも人気が高く、吸水サニタリーショーツはおしゃれな尿もれ対策ショーツを探している人にもフィットしているようだ。
消費者のニーズに細やかに対応し、進化を続けるウエルビーイングなアイテム。ロフトでは「気軽に」「簡単に」取り入れられるグッズが数多く店頭に並んでおり、「試しに買ってみようかな」という消費者心理が働くと感じた。過度な努力は必要なく、そのグッズを取り入れるだけで“美と健康”を目指せるーー2025年も、そんなお助けアイテムが流行しそうだ。
取材・文/小浜みゆ