「ロンドンではとにかく動き回ってネットワークを強化する」と秋山さんもやる気満々
「ロンドンで業務をスタートさせてからは、とにかく動き回ることが第一になります。試合も週末のリーグ戦はもちろんのこと、週中にカップ戦やUEFAチャンピオンズリーグのような欧州カップ戦があれば、そちらにも足を運ぶつもりです。必要に応じてクラブのオフィスにも顔を出すことにもなるでしょう。
これまでは契約選手の話を中心にクラブやリーグ関係者と話をしていましたけど、これからは『リーグに何を還元できるのか』を考え、より広い視野を持ちながらコミュニケーションを図っていくことになります。扱うものは少し変わりますけど、自分の動きはそれほど変わりないのかなと。今までの延長線上で仕事ができると感じています」と秋山さんは体が動く限り、精力的に走り続けるつもりだ。
幸いにして、SARCLE時代に契約していた日本人選手も数多く欧州にいて、情報提供やネットワーク作りの一助になってくれるだろう。日本サッカー協会の欧州関係者らとの人脈もあるため、協力しながら仕事ができそうだ。
かつての湘南のように多くのチームが欧州でキャンプを張るようになりそうだ(写真提供=湘南ベルマーレ)
いずれにしても、まず楽しみなのは2025年の夏。今年も欧州ビッグクラブが来日してJ1クラブと対戦する機会が生まれることが予想されるが、一方でJクラブが欧州に赴く新たなトライも期待されるところだ。そして1年後の2026年夏は動きが一段と本格化するだろう。ちょうど同じタイミングで2026年北中米ワールドカップ(W杯)が行われているため、参加できるクラブや選手は限られるかもしれないが、これまで以上にJリーグと欧州クラブの交流が加速するのではないか。
SARCLEを大きな会社に育て上げた秋山さんであれば、新たなプロジェクトも目に見える形で結実させてくれるはず。”大胆な転身”を遂げた元トップ代理人の今後から目が離せない。
取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。