
仕事をリタイアし、子どもが巣立てば、必然的に関わる人が減ってくる。そんなシニア世代が人と交流を持ち、生きがいを見つけるのに役立つ場が地域の活動や趣味などの教室だ。
NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所はこのほど、全国の60~84歳男女1130名を対象に「シニアの日々の活動とネット利用に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
1. シニアの日々の活動 同じ年代で見ると女性が活発
日々の活動への参加率を調べたところ、「地域活動」で特に高い参加率を示した。性別で見ると、同じ年代の中では女性のほうが男性よりも参加している割合が高い傾向にあることがわかった。
なお本調査において、地域活動とは「自治会、町内会、老人会の活動」、奉仕活動とは「有償・無償問わず、奉仕活動、ボランティア活動」、教室(教養・芸術等)とは「教養・芸術(音楽・手芸など)・料理などのカルチャースクール・教室・地域サークル」、教室(身体を動かす)とは「体操・ヨガ・ダンスなどの体を動かすカルチャースクール・教室・地域サークル・スポーツクラブ」を指す。
2. 日々の活動の中にもインターネット利用が浸透
それぞれの活動に参加する際(例えば、連絡や集まりなど)にインターネットを利用しているかどうか調べたところ、教室活動においては、約半数の人がインターネットを使っていることが見て取れる。また、同年代で男女を比較すると、男性のほうがインターネットの利用率が高い傾向があることがわかった。
3. インターネットを利用し日々の活動に参加している人は、活動の頻度が多い
次に、それぞれの活動に参加しているシニアを対象に、活動の際にインターネットを利用しているかどうかによって、活動の頻度に差があるかを調査した。その結果、どの活動においても、インターネットを利用している人は、活動の頻度が多い傾向が見られた。
図3. 日々の活動への参加時のインターネット利用有無と活動頻度
4. 活動に参加している人は生活満足度が高く、その中でもネット利用があるとさらに高い傾向
最後に、日々の活動への参加と幸福感について調査した。参加者には生活満足度を0点から10点で回答してもらった。その結果、各活動に参加している人は生活満足度が高いことがわかった。また、活動の際にインターネットを利用している人は、さらに生活満足度が高いという傾向が見られた。
図4. 日々の活動への参加及びインターネット利用有無と幸福感
<調査概要 ―「2024年シニア調査」―>
調査方法 訪問留置調査
調査対象 全国・60~84歳男女
有効回答数 1,130
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2024年1月
構成/こじへい