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海外のバイヤーが高値で購入!新車より高く売れる「買取率の高いバイク」ランキング

2025.02.22

2025年2月現在、円安下で割安感が色濃くなった日本の中古バイクを海外バイヤーが高値で購入している。特に現行の最新モデルでは、新車価格を上回る値段で売れる機種も出てきている。今回は、バイクパッション調べで買取率の高い現行バイクTOP 9をご紹介する。

 

2025年1月、バイクパッションでは、2023年モデル・走行距離1,000km超のホンダの「ゴールドウイングツアー」を買取したのだが、その際の査定金額は340万円であった。 新車時のメーカー希望小売価格は315万円(金額はすべて税抜)であったため、新車比で25万円高く売れた計算となる。

これを同社販売店で再販すると、乗出し価格は諸費用+納車整備費用+儲け+消費税が加わり400万円弱になり、とても売れそうにない。どこに再販すれば利益が出るのか? 実は、2025年2月現在、このほかにも新車価格よりも高く売れる現行モデルのオートバイが幾つか存在している。

遡ること2021年には、新車より大幅に高い値札を下げている現行モデルの中古車が溢れていた。半導体不足にコロナ禍が加わり生産と物流が滞った影響で新車供給が細り、緊急事態宣言を受けて代替通勤手段としてバイク需要が増えたことで、中古バイクの相場が高騰したのは記憶に新しいところ。さらに転売目的のオーダーも重なり、納期が未定となった現行モデルで特に顕著な高騰が見られたが、新車供給の回復に伴って相場は常識的な範囲に収束していった。

そして2025年現在、新車より高く売れる現行モデルには、コロナ禍とは異なった要因で相場が高騰している機種が多い。以下が新車比で高く売れるバイクのTOP 9となる。

新車価格や対象機種の選別は上記注釈の通りなのだが、業者間の取引額とは何だろう?この業者間の取引額は、年間に約20万台のバイクが取引される(買取業者最大の転売先にして販売業者最大の仕入れ先となっている)業者間オークションでの落札額となる。

従って上記表の参考平均買取率は「業者間の平均取引額÷新車価格」で算出しているが、「業者間の平均取引額=買取業者の転売額」であることから査定現場での買取率は(転売額から出品手数料や陸送費と儲けを差し引く必要から)数%低くなる。

さてTOP 5までは参考平均買取率が100%を超える結果となった。業界では最新イヤーモデルの数字は66%が1つの指標となっており、コロナ禍が終息した2025年現在では、100%超えは驚くべき数字となっている。

それでは以下、第1位~3位の機種を対象にして、なぜ100%超えの買取率となっているのか掘り下げていく。

第1位ゴールドウイングツアー2023年モデル:平均参考買取率114%|新車価格比45万円up

第1位は、「ゴールドウイングツアー」の現行2023年モデル。1975年発売の「GL1000」からホンダのフラッグシップであり続ける「ゴールドウイング」。2018年のフルモデルチェンジで6世代目SC79型「GL1800」へと進化を果たし、現行2023年モデルではリアトランクとDCTを標準装備した。それまでの最上位グレード「ゴールドウイングツアー」に国内モデルは一本化された。

国内向けの生産販売計画は400台。希望小売価格は税抜315万円が設定されたが、 平均参考買取率は118%で、新車価格比で平均45万円アップとなっている。

2025年2月時点で業者間オークションの取引データを1年間遡ると、2023年モデル「ゴールドウイングツアー」は72台の取引が記録されており最高額は401万円、最低は276万円で、360万円(全て税抜価格)が平均となっている。

取引された72台のうち走行距離1km以下の未使用車は4台に留まり、数十~数千kmの走行を刻んでいる中古車が大多数を占めていることから、転売目的で購入した層が需給を歪めて相場を吊り上げているわけではなく、 実需によって新車価格以上の相場が形成されている。

では誰が国内の新車価格以上で購入しているのか?その多くは業者間オークションにおいて落札の4割を占める海外勢。ご存知の通り円安が進行していることで日本の物価は海外勢にとって魅力的となっている。具体的には、北米の現行「ゴールドウイングツアー」の税抜メーカー希望小売価格は28,700$であり155円換算で約450万円(売上税込み480万円)である。

仮に業者間オークションにおいて360万円で仕入れると日本の消費税10%に輸入関税2.4%や輸送費が加わり、北米での2023年モデルの中古平均価格25,000$(約390万円)に対して競争力がない。ホンダが同モデルを正規販売している国では360万円の仕入れ値は為替差益を考慮しても割に合わない。

購入している者の正体は、海外バイヤーの中でもとりわけ中東のバイヤーが主流であり、ドバイを経由して、最終的には禁輸措置が講じられているロシアやイランなどで消費されているケースが多い。(最終消費値については複数の貿易業者から直接聞いた話)。

以上が、現行「ゴールドウイング」の相場高騰の背景となっている。現地のブルジョア層にとって2輪最大メーカーのフラッグシップ最新「ゴールドウイング」は需要の高いモデルなのだろう。

2023年モデルでは、3タイプのカラーリングが設定されているが、最も相場が高いのが僅差ながらパールグレアホワイト。業者間の平均落札額(買取業者の平均転売額)は360万円であるが、実際の買取査定額も360万円付近になるかは注意が必要。

その理由が、取引された72台のうち最良のコンディションを誇った走行0kmの未使用車の落札額が345万円であったことが示すように、345万円以上で落札された62台については コンディションと落札額の有意な相関性は無く、毎週2回開催されるオークション開催日の需給によって値段が変動しているため。

どれだけコンディションが良くても340万円以上の買取査定額を提示することは買取業者にとっては赤字リスクを背負う覚悟を伴うため、なかなか賭けに出られないのが実情。
事実バイクパッションでも走行1千kmの2023年モデルを340万円で買取しているが、340万円が相場的に限界と判断してのことだった。

第2位 R1300GSアドベンチャー 2025年モデル:平均参考買取率114%|新車価格比44万円up

第2位は元祖アドベンチャー機BMW GSシリーズの現行モデル「R1300GSアドベンチャー」。トライアンフのタイガーシリーズ、ホンダのアフリカツイン、ヤマハのテネレ、Kawasakiのヴェルシス、SUZUKIのV-Strormの他、DUCATIのセールスの屋台骨に成長したムルティストラーダシリーズ、ハーレーも2021年のパンアメリカシリーズで参入するなど、世界的に成長著しいアドベンチャー機市場において「いつかはGS」の言葉が示すように最高峰のステータス機となっているのが同モデル。

平均参考買取率は114%と「ゴールドウイングツアー」と同率ながら、新車価格比の平均アップ額が44万円となり僅差で第2位となっている。

2025年モデルの日米間の希望小売価格の差は円換算で約60万円。輸入バイクの関税がかからない国内要因に円安要因も加わって、世界を俯瞰してもの割安感が際立っている日本市場のメーカー希望小売価格。「ゴールドウイングツアー」と同様に、海外のバイヤーが業者間オークションで積極的に入札していることが中古相場高騰の背景となっている。

仮に業者間の平均落札額で347万円仕入れたとすると、日本の消費税10%を加えた381万円の時点で既に欧州や北米での中古小売価格として競争力がない。同モデルも「ゴールドウイング」同様に最終消費値はロシアやイラクが主流となっており、富裕層に需要の高い最新モデルだけに付くプレミアム相場となっている。

業者間で取引された3台は全て走行距離数kmの未使用に近い個体であり、上位2台は新車価格が9.2万円高いブルー・メタリックの個体である点には注意が必要。 ブルーの未使用に近い個体であれば査定現場での買取額は350万円付近は見込めるだろう。ブルーのみに設定されているGSスポーツタイプや、より上位のカラーに設定されているブラックやグリーンであれば更に査定額が伸びる可能性がある。

ただし近年は、BMWに限らず海外メーカーが為替調整で特に日本向けの価格を年々上げており、高額査定が望めるのは国内の希望小売価格が相対的に割安な今が絶好の売り時となっている。

第3位 Z900RS SE 2025年モデル:平均参考買取率126%|新車価格比41万円up

第3位は、大型バイクの国内販売数 首位の座を登場2018年モデルから維持している「Z900RS」の上位グレード「Z900RS SE」。人気の理由は、プレミアムの付く旧車の代名詞となっている空冷4発Zシリーズの1号機にしてカワサキ初の世界最速機「Z1」を現在の技術でオマージュしたルックスとストーリー性にあるが、中古相場が高騰している最大の理由は新車の入手が困難となっている点が大きい。

需給が逼迫し現行の新車価格を上回る中古車が珍しくなかったコロナバブルのピーク2021年には、その筆頭格に挙げられた「Z900RS」。新車供給の回復に伴って2022年以降は軒並み正常な中古価格水準に収束していった現行モデルだが、「Z900RS SE」は例外であった。登場の2022年モデルは、抽選倍率が3桁を超えるなど、買いたくても買えない最も入手の難しい新車となり、新車比で1.5倍の値札を付ける中古車が当たり前のように陳列されていた。

2025年1月現在では、ディーラーに数か月単位で定期的に入荷するようになり、Z1カラーから一線を画した2025年のブラックカラーが登場したこともあり、抽選倍率は10倍程にまで落ち着いてる。 しかしながら依然として入手が困難であることに変わりはなく、現在も新車価格を超える中古車が常態化していることが相場高騰の理由。

上記の通り、業者間オークションの平均落札額は196万円となっており、走行距離数十km未満で未使用に近いコンディションであれば税抜新車価格よりも10万円は高く売れる相場となっている。

なお、第1位の「ゴールドウイング」と異なり最終消費地が日本であることから、国内での消費者に近い販路を持っている買取業者を選ぶことで更なる買取額アップに繋がりやすい。

※バイクパッション調べ

関連情報:https://www.bike-passion.net/

構成/土屋嘉久

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