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LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」から、「2025年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング(首都圏版・シングル編)」が発表された。
このランキングは単なるアンケートではなく、LIFULL HOME’Sに掲載された物件への「問合せ数」を駅別に集計したもので、同社では、世の中の動きを反映した住まい探しの「リアル」がわかるランキングと説明している。
ということで本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えしていく。調査結果分析はLIFULL HOME’S総研 副所長/チーフアナリスト 中山登志朗 氏が担当。
単身者は明らかな「都心回帰」傾向、便利で繁華性のある街が人気
40平方m未満の賃貸物件への問合せ数を集計した「2025年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング(首都圏版・シングル編)」の1位は「北千住」となった。以下2位は「川崎」、3位にはコロナ前に借りて住みたい街で4年連続1位だった「池袋」が入った。
1位の「北千住」は「2025年 LIFULL HOME’S みんなが探した!借りて住みたい街ランキング(首都圏版)」でも4位となっており、賃貸需要の高さがわかる。JR常磐線、東京メトロ日比谷線、東京メトロ千代田線、東武伊勢崎線、つくばエクスプレスの5路線が乗り入れるターミナル駅で、「大手町」へ約17分、「品川」まで約29分でダイレクトアクセスが可能。
また、東京電機大学をはじめとした大学のキャンパスが複数ある学生の街としても知られており、駅周辺には数多くの商店や飲食店が立ち並んでいるため、交通と生活の利便性がバランス良い街だ。
一般的に、シングルタイプの賃貸物件を希望するユーザーは、賃料が多少高くても交通・生活利便性を優先する傾向がある。実際、今回のTOP10に登場する駅は、いずれも駅勢圏が広くて生活利便性が高く、都心方面へのアクセスも乗り換えなしで便利な駅ばかり。
そして「川崎」を除いてTOP10は都内の駅で占められており、コロナ後に単身者が「都心回帰」していることが推察できる。
■急上昇ランキングは、賃料水準が比較的安価な「城東エリア」の駅が多く並ぶ
前年から問合せ数を伸ばした駅をランキングする「急上昇ランキング」。「2025年 LIFULL HOME’S みんなが探した!借りて住みたい街 急上昇ランキング(首都圏版・シングル編)」の1位は「日暮里」となった。
「日暮里」の賃貸物件への問合せのうち約7割が40平方m未満となっており、単身者からの支持を得ていることがわかる。
2位は同じくJR山手線「駒込」。「日暮里」も「駒込」もJR山手線の駅で交通利便性は極めて良好だが、いずれもターミナル性や繁華性が希薄で、都心の住宅地として機能しているエリアのため、交通至便ながら落ち着いた街並みが残る「都心のエアポケット」として人気が高まっていると考えられる。
3位の「月島」は東京メトロ有楽町線のほか都営大江戸線も乗り入れており、「六本木」方面や「上野御徒町」方面にダイレクトアクセスが可能。駅周辺には賃貸物件のストックも豊富で、下町情緒が残る街並みも含めて一定の支持を得ているようだ。
「2025年 LIFULL HOME’S みんなが探した!借りて住みたい街 急上昇ランキング(首都圏版)」と同様、TOP10のうち「武蔵新城」を除く9駅が23区内の駅で、「森下」「菊川」「両国」「住吉」「清澄白河」など都心へのアクセスが良く、賃料水準が比較的安価な「城東エリア」の駅が並んだ。
調査概要
集計期間/2024年1月1日 ~ 2024年11月30日
集計方法/LIFULL HOME’Sに掲載された40㎡未満の賃貸物件への問合せ数を駅別に集計
エリア/東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
家賃相場/問合せのあった賃貸物件の賃料の中央値を40平方mに換算
急上昇ランキング/総合順位200位までの駅を対象、問合せ数が一定以下の駅は除く
構成/清水眞希