
相場から見て安すぎる洋服を買って申し訳なく思う「ごめんね消費」がZ世代に急増中だとか。外国のサイトで、1,000円台の洋服、いわゆるウルトラファストファッションを買い、「ここまで安く商品が買えるなんて、何か有毒化学物質が洋服に使われているかも、ごめんなさい」と思った経験がある人は、もれなく「ごめんね消費」に当てはまります。
この「ごめんね消費」は社会問題にまでなっているようです。
この「ごめんね消費」をなくすためにはどうすればよいのか、考えてみましょう。今日からすぐに取り組める3つの解決法があります。
「ごめんね消費」と知りながらもZ世代は買い物をしている!?
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000122970.html
海外の通販サイト(SHE〇Nとか、Tem〇とか)で買える1,000円台のウルトラファストファッションの商品は、ファストファッション商品よりも手軽で、つい買いたくなってしまうもの。でも、中のは粗悪品も混ざっているようです。また、こんなに安くて何かあるのではと思う人もいるようです。
だからこそなのか、Z世代(25歳から40歳ぐらいの生まれた時からインターネットが身近にあるデジタルネイティブ世代)にとっては、こういったウルトラファッション商品を“環境に悪いと知りつつも買ってしまう”「ごめんね消費」をしている人が52.3%もいることがわかっています。
なぜ「ごめんね消費」をしてしまう?本当は満足していない?
ウルトラファストファッションを買う理由は、「安くてデザインがいいため、環境に悪いと意識していながらも買ってしまう」人が52.3%と多く、環境の配慮から購入を避ける割合(24.8%)を超えています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000122970.html
ウルトラファストファッションのイメージは、1位や2位は価格が安く気軽に購入できるというポジティブなものでしたが、一方で、3位以下は、品質が悪い、失敗してもいい、デザインの模倣が多いとネガティブな意見も聞かれました。
ハロウィンなど1回限りの洋服では満足する人もいる一方で、何度も着る洋服では、ウルトラファストファッションでは品質が悪いなど商品に満足しないけれど買う人も多いようです。そこで、「ごめんね消費」をせず、商品に満足できるお買物ができる方法はないでしょうか。
解決方法1: リユース・リサイクル活動を行う企業の商品を買う
「ごめんね消費」をしないため、対極にある「サステナブルファッション」商品を買う選択肢があります。リユース・リサイクル活動を行う企業には、マイルや割引券がもらえることもあり、意識が高くなくても「マイル・割引券がもらえるから、洋服回収に出して、そのお店で買う」といったように意識改革をしていけそうです。
例えば、無印良品では不要になった無印良品の製品を店舗に持ち込むと3,000マイルがもらえる「MUJI CYCLE 回収キャンペーン」を行い、衣料品も回収していました(2025年1月10日~2月10日まで実施)。不要になった洋服を回収して、新しい洋服を買うサイクルにつなげると、1つの洋服を手放して1つの洋服を買うことになり、洋服の枚数が増えません。クローゼットが洋服で溢れかえっている人にも取り入れてもらえます。
また、ファストファッションを販売するH&Mでは「古着回収サービス」を行っています。レジでスタッフに声をかけて古着を回収ボックスに入れると、アプリで受け取れる買い物に使えるデジタルクーポン(3,000円以上の買い物で使える500円割引券)がもらえます。ウルトラファストファッションに比べるとH&M商品は高いかもしれませんが、「古着回収サービス」を使えば2着買うところを1着にして、デジタルクーポンで安く商品を買うこともできます。しかも、H&Mの「古着回収サービス」では、H&M以外のブランドでも回収してくれます。
このように、サステナブルな活動に参加することができ、マイルがもらえたり、割引券がもらえたりすることもあります。
解決方法2:いわゆる「ワンインワンアウト」を行う
洋服をつい買いすぎてしまう人がぜひ実践してほしいのが「ワンインワンアウト」で、何か1つ商品を買ったら、同じような商品を捨てたり売ったりすることです。
この習慣ができると、不必要なものは買わなくて済みます。Tシャツを1枚買ったら「1枚売るか譲るか捨てるかする」。「お気に入りの洋服を捨てたくないのなら新しい洋服は買わない」。自分のクローゼットに洋服が何枚あり、1週間の着回しで、どのくらいの枚数が必要なのかをあらかじめ決めて、挑戦する必要はありますが、安易に新しい洋服を買わない習慣づくりが大切です。
この「ワンインワンアウト」はミニマリストが守る基本的な考え方なのではあるものの、ミニマリストではなくても、「足るを知る(老子の言葉で、何ごとにおいても“足りていること”を知り、それ以上のものを求めないようにする)」を理解でき、洋服の枚数が増やさずにいられるので参考になります。
解決方法3:考え方を改める、「失敗した洋服」は“安物買いの銭失い”
Z世代は、ウルトラファストファッションのイメージに対して、買う理由に「失敗してもいい」という声もあり、これは4位にランクインしています。
ただ、「失敗してもいい」洋服には存在価値はあるのでしょうか。冷静に考えると、買うのを思いとどまった方がいいような気がします。この意見を深掘りすると、失敗した洋服は、結局のところ”安物買いの銭失い”になるからです。
面白い比較をしてみましょう。
・一般的に安くて、1,000円の洋服。1度着てクローゼットで眠った状態になっているなら、1回1,000円の着用代金
・一般的に高くて、1万円ほどの洋服。シーズン中20回着用したならば1回500円の着用代金
1回あたりの着用代金で考えると、1万円の洋服は10回着れば1回あたり1,000円となり、20回なら1回あたり500円。つまり、「1,000円の洋服を1回しか着ないのであれば、1万円の洋服を11回着た方がお得」の計算になります。
1着あたりの洋服代金ではウルトラファストファッションの方が安いわけですが、着用回数を考えると、ウルトラファストファッションは、結局、着ないのであれば、コスパの悪い「もったいない消費」になりえるわけです。「失敗してもいい」洋服がなるべく少なくなるように買い物をするべきで、安いからといって気軽に買って、結局着ないのであれば、使える洋服を何度も着た方がコスパはいいわけです。
文/谷口久美子