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Vtuber業界は度々、誹謗中傷問題が話題になる。VTuberたちの活動は性質上オンラインでのプラットフォームで行なうことが多くSNSを通した誹謗中傷が後を経たない。
誹謗中傷で活動を休止する配信者も多く、誹謗中傷はは配信者個人の問題ににとどまらず、VTuberが所属する事務所にとっても対策しなければならない問題となっている。
その中でも大手VTuber事務所「ぶいすぽっ!」運営のバーチャルエンターテイメントはかなり積極的に所属タレントを守るための活動を行なっている。
「ぶいすぽっ!」の誹謗中傷対策委員会について
「ぶいすぽっ!」を運営する株式会社バーチャルエンターテイメントは、2021年10月に誹謗中傷対策委員会を設置した。この委員会は、所属タレントに対する誹謗中傷行為への対応を強化するために設立されている。
主な活動としては
●誹謗中傷の監視と対応
所属タレントに対する誹謗中傷や悪質な書き込みが発生した場合、それを監視し、適切な対応を行う。
●法的措置の検討と実行
重大な誹謗中傷については、警察や弁護士と連携し、名誉毀損や脅迫などの法的な手段を講じることがあろ。
●タレントの保護とサポート
タレントへの精神的なケアや安全対策を行い、タレントが安心して活動できる環境を整えている。
●誹謗中傷がいかに有害であるかを周知するための啓発活動
この啓発活動では社会全体で誹謗中傷を減らすことを目指している
を行なっている。
バーチャルエンターテイメントの誹謗中傷対策の成果
「ぶいすぽっ!」は2024年10月、とある発表をした。それが1年間で発信者情報開示請求47件の実施、示談金最大238万6490円を回収したとのこと。
また、2025年1月には二次創作および動画転載ガイドライン(https://vspo.jp/guide/)に反する性的なイラストを掲載・販売していたというクリエイターに措置を行ない、2000万円の示談(※)が成立している。
※ただし、当該イラストの全部を削除し、直ちに販売を取りやめること・ぶいすぽっ!をはじめとする当社グループ所属のタレントに係る性的イラストの掲載・販売をはじめとする著作権侵害や誹謗中傷行為等を行わないことの確約を得たうえで今後、上記の確約を遵守し、かつその一部として250万円の支払いを遅滞なく完了すれば残部の支払義務を免除する
その他VTuberへの誹謗中傷の例
誹謗中傷は何も悪口や中傷だけではない。
例えば、強い言葉やライバーの印象を操作してしまう言葉は勿論、「ぶいすぽっ!」の場合、『猥せつな意図での利用等、当社所属タレントの名誉を毀損する方法で、キャラクター画像に加工・コラージュを施したもの(AIに出力させたもの等を含む。)を各種SNS・webサイトに掲載する」といった行為も誹謗中傷の対象にしている。
また少しVTuberをかじっていた身としては、推しのライバーが好きすぎるあまり、本人は悪く言うつもりはなくてもコラボ相手を攻撃してしまうこともまわりでちらほら目に入ってきていた。
それも立派な誹謗中傷になりかねないものなので気を付けたいところだ。
そしてライバーも活動外は一般人であることは忘れてはならない。
活動外の交友関係や行動などを特定する行為やそれに言及する行為は誹謗中傷の対象になりうるだろう。
事実、私の友人もそうしたことがきっかけで配信活動を辞めてしまっっている。
ライバーが心の底から好きなのも理解できるが、気をつけなければならない。
わたしやその知人は小さなVTuber事務所に所属していたため、大手のような誹謗中傷に自ら大きな対策を打ち出すことはできなかった。
そうした経験から、やはり大手VTuber事務所「ぶいすぽっ!」が打ち出した施策は、とても心強く、業界にとっても有効だと強く実感する。
VTuberが今もなお増え続けている現在、少しでも誹謗中傷が減り、安心して活動に打ち込めるVTuberが増えていってほしいものだ。
©ぶいすぽ
取材・文/^悪魔的ネッコ^