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2600年前の仏教の教えをヒントにして、現代人が抱える恋愛の悩みに対する処方箋や、愚かな感情に振り回されない心のあり方を指南しています。
@DIMEでは、同書に収録しきれなかった恋愛相談を特別に公開中。今回のお悩みはこちら。
悩み:不倫関係をやめたいのに情が移って別れられません
人はなぜ、好きになってはいけない人を好きになってしまうのでしょうか。
私達が価値を感じるのは、身近にあるものではなく、簡単に手に入らないものです。
自分からの距離、時間、これが遠ければ遠いほど、価値を見出してしまいます。買えないくらい高価なダイヤモンド、自分のものにならない恋……その価値が自分の中だけで高まり、手に入らなければ入らないほど欲して、悩みを増やしていってしまうんです。
だから、好きになってはいけない人こそ泥沼にハマってしまうわけですね。あなたもどこかで「やってはいけない」とわかっているのに、自分の感情が勝ってしまう状態なのではないでしょうか。
そんな時、どうしたらいいのか。「不倫の状態にまで突っ走ってしまった自分」を、ちょっと落ち着いて客観的に振り返ってみてください。
■不倫がやめられないのは「理性」が働いていないから
あなたが、今すぐに不倫をやめるのは難しいかもしれません。でも、この記事を読んでいる理由は心に何らかの「痛み」があるからではないでしょうか。
ブッダの教えは心に憂いや苦を持っている人に対しての処方箋なので、今のあなたにピッタリかもしれません。
とはいえこの処方箋、すぐ効く痛み止めを打つような即効性のあるものではありません。ブッダの教えは「できるだけあなたの心が健康を損なわないよう生きていくために、日頃から生活習慣を見直していきましょう」というものなのです。
この「痛み」の根本治療をする際に見直す必要があるのが、あなたの心の生活習慣です。
そもそも、どうして不倫は悪いのでしょうか。どんなに自分が好きでも、他人の妻、夫だからですよね。
人は常に、人間関係においての戒律(ルール)を持ち、 なぜダメなのかを考え、学んで実践していかなければいけません。
つまり今のあなたは「理性」が働いていない状態なんです。仕事でも、恋愛でも、理性を持てないと、感情が突っ走り、過ちを犯していくことに繋がってしまうのです。
■不倫にハマる自分を見直す「戒、定、慧」の3点セット
不倫のように道徳から大きく外れてしまう時、あなたの心はどうなっているでしょうか。
もしかしたら、生活環境の乱れから人間関係も乱れて、寂しさや孤独が膨らんでしまっているのかもしれません。人は心が不安定な状況に陥ると、正常な判断ができなくなってしまうことがあります。
相手(不倫相手の妻や夫)の気持ちを慮っていますか?自分さえよければいいと、非常に身勝手な振る舞いをして自分のエゴを優先させていませんか?
正しく理性を働かせるためには、「智慧」を育てる必要があります。この智慧を育てることが、あなたの心の痛みの根本治療になるのです。
では、どうやって自分の「智慧」を正しく育てていけばいいのか。あります。ブッダの説いた「戒、定、慧」という自分見直しセットが。
【戒、定、慧(かい じょう え)】
・戒→よりよく生きるためのルール(十重禁戒)
・定→心の集中と安定
・慧→智慧
まず「戒」は、あなたがよりよく生きるためのマイルールです。自分、そして不倫相手を見直してみてください。自分の人生をより良くするための行動はできていますか?
次に、定めると書く「定」です。実はこれ、瞑想を意味する言葉でもあります。「定」は、自分がやっていることをしっかり見つめて、心を落ち着け、そしてなすべきことの優先順位を持って、そこに集中することができている状態です。
「心が浮ついていませんか?仕事や自分の人生の目標に集中できていますか?」
こう自分に問いかけ、理性を働かせる姿勢を意識し、客観的に物事を判断していく練習をしていきましょう。続けていると、人間関係の中で「これをやっちゃいけない」「これはいいな」ということがはっきりと見えてきます。これが「智慧」が出てくる状態です。
智慧が育てば、愚かな行動を自分が取らないように自制が働くようになります。
あなたの人生は、心と生活がベースです。ここをまず整えてあなたの心が「痛み」を感じない状態を目指しましょう。
そして、尊敬できる仲間や友人を大切にできる状態を目指して生きてください。智慧があれば、きっとそれができるはずです。
大愚和尚初となる恋愛攻略本
なぜ人は「愚かな恋」に振り回されるのか?その答えは、自分の命の運び方、つまりは「運命の操縦の仕方」を知らないから。叶わぬ片思いへの執着、恋人への依存、失恋への未練、パートナーの裏切りに対する嫉妬と怒り――。2600年前のブッダの教えで、人生を翻弄する愚かの恋の沼から抜け出す方法を説く新感覚の恋愛攻略本がついに誕生!
大愚元勝
佛心宗大叢山福厳寺住職。慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。佛心僧学院学長。僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。 駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。 僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。
YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」
文/坂本実紀