
リスペクトは英語の『respect』が語源で、『尊敬』『尊重』『敬意』を意味する言葉。類語は『一目置く』『慕う』で、反対語は『ディスリスペクト』『無礼』などです。使い方を覚えておきましょう。
目次
リスペクトとは、相手や成果に対して敬意を表す気持ちを指す言葉。この記事では、リスペクトの意味、語源、使い方に加え、類語・反対語についても詳しく解説します。
ビジネスから日常会話まで正しく使いこなすために、ぜひ参考にしてください。
「リスペクト」の意味とは?
さまざまなシーンで使われる『リスペクト』という言葉ですが、よく意味を理解していない人もいるのではないでしょうか?まずは意味と併せて、語源や具体的な使い方を紹介します。
■尊敬・尊重・敬意の意味
リスペクトは、英語の『respect』をカタカナ読みした言葉です。英語の意味と同様に、『尊敬』『尊重』『敬意』という意味で使われます。
相手やその人の行為、成果に対して敬意を表す際に用いられる言葉で、相手の能力・業績を高く評価し、その価値を大切にする態度を示します。
音楽やスポーツの分野で、使用されることも少なくありません。例えば、ある俳優が他の俳優の出演作を称賛したり、スポーツ選手がライバルのスキル・業績を評価したりする際に、リスペクトという言葉が使われます。
ビジネスシーンでも使われますが、特にフォーマルな場面ではカタカナ語の多用で不信感を与えかねないため、状況に応じて適切に使用することが大切です。
■「リスペクト」の使い方と例文
リスペクトは、さまざまなシーンで相手の行動・態度に敬意を表す際に用いられます。以下、具体的な例文を見てみましょう。
- 誰もが彼女の音楽に対する姿勢をリスペクトしている
- チームメンバー全員をリスペクトし合える環境づくりが大切です
- 先輩の仕事に対する真摯な態度をリスペクトしています
- 各国の意見をリスペクトし合うことが、世界平和につながるだろう
- 部下の意見をリスペクトすることで、良好なチームワークが生まれます
『リスペクトできる上司』のように、形容詞的な使い方も可能です。
「リスペクト」の類語・反対語
ここでは、リスペクトの類語と反対語を紹介します。それぞれの意味と使い方を把握し、状況に合わせて使い分けられるようになりましょう。
■類語:一目置く
『一目置く(いちもくおく)』は、相手の能力や実力を認め、敬意を払うという意味を持つ言葉のため、類語に該当します。囲碁用語が由来で、相手の実力が自分より上だと認め、弱い者が先に石を置くことから派生しました。
「彼は転職してきたばかりだが、周りが驚くほどの成果を上げ、あっという間に一目置かれる存在になった」のように使います。この場合、その人の能力が高く評価され、周囲から尊敬されていることを表現しています。
なお、一目置くには評価するというニュアンスが含まれるため、注意しましょう。目上の人には、『敬意を表す』などの表現が適切です。
■類語:慕う
『慕う』には、単に好意的な感情だけでなく、目上の人の人格や考え方、行いなどについて、尊敬すること・憧れることという意味があります。これは、リスペクトの本質的な部分と重なるため、類語といえます。
例えば、「彼は多くの部下から慕われている」といった表現が可能です。この場合、上司が尊敬されていることや、多くの部下から憧れられていることが分かります。
ただし、感情的な表現でもあるため、使うシーンや相手に注意する必要があります。フォーマルなビジネスシーンなどでは、『尊敬している』『信頼している』といった表現が適しているでしょう。
■反対語:ディスリスペクト・無礼
リスペクトの反対語は、英語の『disrespect』をカタカナ読みした『ディスリスペクト』です。失礼・無礼という意味があり、尊敬の欠如や軽蔑を意味します。
日本語では『ディスる』という略語が若者を中心に広まっており、『相手を批判する』『けなす』といったニュアンスで使用されています。例えば、「彼の意見をディスるつもりはないが、同意できない点がある」のような使い方が可能です。
また、『無礼』も相手に対する敬意や礼儀を欠いた態度・行為を指すため、反対語に該当します。「彼の無礼な態度には、驚かされた」のように使いましょう。
「リスペクト」と似た意味を持つ外来語
最後に、リスペクトと類似した意味を持つ外来語を紹介します。言葉の意味や使い方、リスペクトとの違いと併せて見ていきましょう。
■オマージュ
『オマージュ』は、フランス語の『hommage』が語源で、『尊敬』『賛辞』を意味します。特に芸術作品において、尊敬する作家や作品から影響を受け、似た創作物を作ること
を指します。
単なる模倣ではなく、敬意を込めて影響を受けた作品を制作するというのが特徴です。例えば、映画監督が過去の名作映画のシーンを自身の作品に取り入れる場合、それをオマージュと呼びます。
音楽界では、尊敬するアーティストの曲調や歌詞を参考にした楽曲を『オマージュ曲』と呼ぶこともあります。
■インスパイア
『インスパイア』は、英語の『inspire』に由来する外来語で、『着想を得る』『刺激を受ける』という意味を持ちます。他者や作品から影響を受けることを表しますが、より創造的な側面が強調されているのが特徴です。
特に芸術分野で重要な概念とされ、尊敬する作家や作品から着想を得つつ、独自の解釈・アプローチを加えて新しい価値を生み出す過程を指します。
例えば、「この映画にインスパイアされて、新しい楽曲を制作しました」という使い方が可能です。ビジネスシーンでも、「先輩の仕事ぶりにインスパイアされて、新しいプロジェクトに挑戦することにしました」のように使えます。
「リスペクト」の意味や使い方を正しく理解しよう
リスペクトは、英語の『respect』が語源で、尊敬や敬意という意味の言葉です。日常会話からビジネスまで、さまざまなシーンで使われています。
類語には『一目置く』『慕う』があり、反対語は『ディスリスペクト』『無礼』です。なお、カジュアルなシーンで、けなすという意味で使われる『ディスる』は、ディスリスペクトを略した俗語です。
似た意味を持つ外来語には、『オマージュ』『インスパイア』があります。それぞれの言葉の意味を理解し、正しく使いましょう。
構成/編集部