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昆虫ハンター・牧田習が解説!冬でも気をつけたい害虫とその対策

2025.02.08

冬は多くの昆虫たちが活動しない時期なので、昆虫が苦手な方は過ごしやすい時期かもしれません(僕のような虫好きにとっては寂しい時期ですが)。しかしながら、私たち人間が住んでいる家の中は外に比べて暖かいこともあり、昆虫たちにとっても過ごしやすい場所です。そのため、冬でも家の中に虫たちが姿を現すことがあり、その中には皆さんを困らせてしまう仲間もいます。そこで、今回は冬でも屋内に現れる代表的な害虫とその対策について解説します。

害虫は多種多様

一言に害虫と言っても様々な仲間がいて、健康被害など衛生的なトラブルを引き起こす衛生害虫、不快感をもたらす不快害虫、農作物に被害をもたらす農業害虫などに分けられます。今回はそれらの中でも、冬の日常生活の中でも見かける、もしくは潜んでいる可能性が考えられる代表的な3つの害虫について解説します。

(1)ショウジョウバエ

ショウジョウバエはハエ目ショウジョウバエ科の仲間のことで、日本からは300種以上が知られています。大きさは数ミリほどで、よく生ゴミなどの周りを飛んでいる姿を見たことある方が多いかと思います。このショウジョウバエの驚くべきポイントはその成長の速さで、10日足らずで卵から成虫まで成長します。また、メスは1~2ヶ月の生涯のうちに数百から数千個の卵を産みます。つまり、生ゴミなどで発生して放置するとものすごいスピードで増えていきます。暖かい屋内では冬でも発生します。

(2)ゴキブリ

ゴキブリはシロアリを除くゴキブリ目に属する仲間のことで、日本からは65種ほどが知られています。すべての種類が家の中に出現する害虫ではなく、自然豊かな森のみに生息している種類もいます。家の中に現れるゴキブリはクロゴキブリやヤマトゴキブリなどが多く、生ゴミはもちろん、紙やホコリなども食べる習性があります。ゴキブリは寒さに強い昆虫ではありませんが、暖かい屋内では冬でも活動します。

(3)カツオブシムシの幼虫

カツオブシムシはカブトムシやクワガタムシと同じ甲虫目に属していて、カツオブシムシ科の仲間のことをいいます。日本からは50種類以上が知られていて、数ミリの小さな種類がほとんどです。中でも屋内に発生して衣類を食べる種類は厄介で、よく注意する必要があります。冬の間は幼虫で、春にサナギになるため、衣類を食べて成長します。

それぞれの害虫の対策方法について

(1)ショウジョウバエの対策方法

最も重要なことはショウジョウバエの成虫のエサともなり、幼虫が育つ原因ともなる生ゴミを貯めないことです。特に、腐った食べ物やアルコールが含まれていると、よって来やすくなります。また、昆虫を飼育していたり、観葉植物を置いていたりすると、よく気をつけていてもショウジョウバエが発生してしまうことがあります。そこで、おすすめなのが、めんつゆを使った駆除方法です。小さな容器にめんつゆと水を1:1ほどで入れ、その中に食器用洗剤を数滴垂らして、ショウジョウバエが多い場所に置いておくと、集めて駆除することができます。

(2)ゴキブリの対策方法

ゴキブリは家の様々な場所から入ってきます。窓の隙間などだけではなく、排水溝や換気扇の周りからも家の中に侵入してきます。特に、冬には暖房がよく効いているような暖かい場所に集まります。そのような場所を狙って置くタイプの駆除剤を置くことをおすすめします。

(3)カツオブシムシの対策方法

カツオブシムシの幼虫は高温に弱いです。そのため、カツオブシムシの幼虫がいても駆除できるように60~70度以上でアイロンをかけたり、高温乾燥機を使うことをおすすめします。また、新しく家に持ち込む衣類(特に海外から取り寄せたものなど)にはカツオブシムシが付着していないかよくチェックするようにしましょう。

害虫対策のカギは生態を知ること

ここまで紹介した害虫はごく一部で、他にもアリ、カメムシ、チャタテムシ、ノミ、更には最近話題のトコジラミなど、家の中に現れる可能性のある害虫は多く存在しています。

トコジラミ

しかしながら、害虫対策で最も重要なのは先ほども紹介した通り、その害虫の生態をよく知ることです。生態を知ることで、彼らの発生元や侵入経路を封じ込み、家の中での発生を阻止することができます。

今回は冬の害虫とその対策について解説してきましたが、これから春になり、暖かくなると、更に多くの昆虫たちが家の中に入ってくる可能性があります。でも、彼らの生態をよく知り、きちんとした方法で対策を取ることが、健康被害や不快な思いを回避することに繋がります。また、一部にはトコジラミのように重大な被害をもたらす害虫もいるのは事実ですが、日本国内で屋内に現れる害虫のほとんどは大きな被害を私達にもたらすことはありません。落ち着いて対処するようにしましょう。

昆虫ハンター・牧田習

1996年、兵庫県宝塚市出身。2020年に北海道大学理学部を卒業。同年、東京大学大学院農学生命科学研究科に入学、現在、博士課程在学中。昆虫採集のために14ヵ国を訪れ、9種の新種を発表している。「ダーウィンが来た!」(NHK)「アナザースカイ」(NTV)などに出演。現在は「猫のひたいほどワイド」(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。昆虫をテーマにしたイベントにも多数出演している。

著書:「昆虫ハンター・牧田習のオドロキ!!昆虫雑学99」(KADOKAWA)、「昆虫ハンター・牧田習と親子で見つけるにほんの昆虫たち」(日東書院本社)好評発売中。Instagram・Xともに@shu1014my

文/牧田習

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