
近年話題に上ることが多いノンアルコール、ローアルコール飲料。飲めない人も楽しめる歓談の相棒として、飲める人にとっては適正飲酒の選択肢として、徐々に認知が高まっている状況だ。
近年話題に上ることが多いノンアルコール、ローアルコール飲料。飲めない人も楽しめる歓談の相棒として、飲める人にとっては適正飲酒の選択肢として、徐々に認知が高まっている状況だ。
ノンアルコール飲料へのアツい挑戦心を語る、サントリー株式会社代表取締役社長の鳥井信宏氏。
新部署「ノンアル部」を創設、オールサントリーで商品開発とプロモーションを強化
このノンアル市場、昨今アサヒの取り組みが目立った。ノンアルは「ドライゼロ」や「アサヒゼロ」を、ローアルでは「ドライクリスタル」を揃え、スマートドリンキング=スマドリと判りやすいキャッチと共に展開しているからだ。
その日本のノンアル市場に満を持して全方位参戦するのがサントリーだ。
サントリーは今年1月に新部署「ノンアル部」を創設。これまでビール、RTD、ワイン各々の部署で展開していたノンアル商品を「ノンアル部」に統合。オールサントリーとしての商品開発、プロモーションの準備を整えた格好だ。
「ノンアルコール飲料戦略説明会」(2月5日)において鳥井社長は、
「サントリーでは2010年に世界初となるアルコール、カロリー、糖質がオール0の「オールフリー」を発売。追って「のんある気分」や「ノンアルでワインの休日」などラインナップを強化してきました。ただやはり、飲む人の心にはノンアルは代替品との意識も根強くあります。しかしノンアルも含めてのお酒文化の継承を掲げるサントリーとしてノンアルにさらに注力すべく、このたび『ノンアル部』を創設したわけです」と語る。
オールフリー2種のリニューアルと、ブランド初となるサワー2種。いずれも4月の発売を予定。
製品としては、ど真ん中の「オールフリー」のリニューアルと、ブランド初となるサワーテイストを4月発売スタンバイ。「のんある酒場」では定番のレモンサワーとハイボールをリニューアルし、「ノンアルでワインの休日」は2月と4月に限定品を投入と、ノンアル部創設の名刺代わりとばかり、積極的な製品投入を予定している。
リニューアルして2月下旬以降順次発売予定の「のんある酒場」2種と、2月と4月に限定発売予定の「ノンアルでワインの休日」2種。
ノンアルは楽しんで選ぶ0.00%のお酒へ
ノンアル部の福本部長は、
「サントリーの強みはウイスキー、ビール、RTD、ワイン、ソフトドリンク等ポートフォリオの豊富さにあります。それぞれのジャンルがもつノウハウを活かし、より魅力的な新商品開発を目指したいと思います。また、飲食店向けの新製品を9月発売に発売の予定です。現在、ノンアルの市場規模は1055億円で、この数字はお酒、飲料を合わせた全体のわずか1%に過ぎません。大きな伸びしろがあるのです。われわれとしては2030年にはこの1055億円を最低でも1400億円まで伸長させ、このうち700億円をサントリーで獲得したいと思います!」
とコメントでぶちあげる。
サントリー株式会社ビール・RTD本部 ノンアル部長の福本匡志氏。「攻めのノンアルで、サントリーのノンアルをみなさんにお届けします!」
お酒が好き、お酒が飲める人にとっては、やはりノンアルは「代替品」の印象が根強くあるが、これを「ノンアルは0.00%で楽しめるお酒である」と言ったような新たなイメージに転換する必要があるだろう。むろん、技術革新による「ウマさ」の訴求、新たな提案は言うまでもない。
サントリーでは「攻めのノンアルしちゃおっか」をキャッチフレーズに据える。今日はノンアルにしよう、と積極的に選ばれるいちジャンルとして、また健康意識に応える飲料として、さらには「清涼飲料としてもユーザーの流入が想定できる」と先の福本さんは加えた。
商業施設やイベント、駅や街頭などでのサンプリングにより、100万人との接点を創出するという大プロモーションを予定している。
最後に鳥井社長はこうコメントし、サントリーとしてのノンアルへの本気を締めくくった。
「普及を阻んできた課題、それはわれわれ自身による『ノンアルってどこまで伸びるのかな?』という半信半疑の気持ちがあったことだと思います。しかしわたしの肌感覚としてですが、直近、積極的にノンアルを選ぶ人が増えている気がします。健康意識の高まり、適正飲酒の周知というポジティブな背景もあり、ノンアルは“楽しんで選ぶ0.00%のお酒である”と認識されるようになっています。時には業界としてみんなで盛り上げてゆく必要があると思います!」
2025年。果たしてノンアルがビッグウェーブを起こすか、どうか? お酒を飲む人も飲まない人も、プシュっとノンアルを楽しみながら、日々ニュースに注目してはいかがだろうか。
「オールフリー」ブランドサイト
「のんある気分」ブランドサイト
「ノンアルでワインの休日」ブランドサイト
文/前田賢紀